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「忘れていた」すずめの戸締りを観て……



あの映画を見ると「忘れていた」東日本大震災を思い出すだろう。震災から11年がたった今日々の生活で東日本大震災という言葉は出てこない。震災にあったのは小学生の時である。感じたこともない揺れ、テレビに映る街を飲み込み津波の映像を鮮明に思い出させる。

自分は中学、高校の記憶は鮮明に残っている。もちろん日々の1日1日を覚えているわけではないが。なぜだろうか中学生の出来事なんて、もう7年も前のことである。考えてみると答えが出た。塾講師をしているからである。主に中高生を担当している。塾講師では生徒と日常生活の話を良くする。今で言えば合唱コンクールの話などだ。その度に「先生の時はこうだったな〜」と「忘れていた」過去を思い出して話す。きっと塾講師をしていなければ「忘れていた」ままだろう。なぜか小学生の記憶はすぐに思い出せない。常に過去を思い出させてくれる存在があるからこそ「忘れていた」ものを思い出せるかもしれない。人間は決して過去を忘れてなどいない。「忘れていた」だけなのだ。そう気づかしてくれる作品であった。

「忘れていた」というのは他の考察者の考えたこの言葉を見て腑に落ちたので選んだ。

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