お守りの効力

「今回のツアー、一回くらい配信も出来なかったのかなって。
　今回来れない人もたくさんいるじゃん？」

タカオがラジオでそう言った。
サラッと
ほんと自然に会話の中で言った。

その一言に胸がいっぱい。

来れない人もいるって、
当の本人が認識している。

だからもう、悲しみは半分以下。

バンドメンバーとライブ行ける人たちで結託して、私の手の届かないところへ行ってしまったように感じていた。

重たいね。めんへらだね。
・・・なんて言われようと、これ以外の愛を知らない。

蚊帳の外に置いてかれたと、
勝手に思ってしまう。

なんでもすぐそう思ってしまう。
世界のすべてが的に見える。

そこをサラッと一言で蚊帳の中に入れてくれたタカオの一言。

器がデカすぎるよ。

どこまでかっこ良いのさ。

めちゃめちゃ行きたくて葛藤してる人のこと、
ちゃんと見てる。
忘れてない。
忘れられてない。

期待。

今年、もう1本くらいできねーかなーって田淵くんも答えてたし。

ねえ、期待しちゃう。

期待させられっぱなしだ。

カバンの中にお守りのように入っている FunTimeHoliday8 のチケット。

なんか封筒がボロボロになってきたけど。

まだお守りの効力はあるのかな。

このチケットを買ったときは
家出して
行こうと思っていたんだけども。
良かったのか悪かったのか
コロナのせいで家出は中止になってしまった。

もう何年も前のようだな。

いつか。

いつか。

絶対にライブに行こう。

いつかは分からないけど。

それが約束。生きるための約束。