「リバーレイズにブラフなし」は本当?
はじめに
昔からの格言に「マイクロステークスのリバーレイズにブラフなし」というものがあります。リバーでこちらのベットにレイズが返ってきたら降りておいたほうが良い、という教えです。これは本当でしょうか。
マイクロステークスのハンド履歴は160万ほどあるので、今回はこのリバーレイズの状況と出てくるハンドがどの程度の強さだったのか、データから検証してみたいと思います。
検証結果
リバーでレイズされShowdownまで行った458ハンドを検証した結果、相手のハンドの強さが下の円グラフになります。
LimpPot~4BetPot、2Way~MultiWay、DeepStack~ShortStack、オリジナルレイザーかどうか等区別はしていません。また、2ペアや3カードとは自分のカードをヒットさせたものとしています。
2ペア以上の強さのハンド、いわゆるMadeHandが76%を占めます。
(興味深いことに、どのステークスでも共通してMadeHandが大体75%程度の割合で出てきます。)
ボードによってハンドの相対的な強さは変わるので、何をブラフとするのかが難しいところですが、ボードの状況やアクションの状況等を何も考慮せずにWeakペアとAirをブラフと考えてみましょう。すると、ブラフは17%の割合となりました。
検証結果をもう少し掘り下げて見ていきましょう。下の円グラフは、純粋1枚ストレートボード(フラッシュ不可能かつペアボードでない)でソートしたものです。
ここでもわかりやすくWeakペアとAirをブラフと考えます。すると、ブラフの割合が減り11%となりました。色々なボードでデータを検証してみましたが、純粋な1枚ストレートボードが最もWeakペアとAirの割合が低かったです。
自分が2ペアやSETなどを持っていてリバーでシンバリューを取るためにベットしてレイズが返ってきたら、相手は80%程度ストレートを持っているのでオッズに合わない場合は降りたほうがよさそうです。
しかし、どうしてこのようにブラフが少ない結果となるのでしょうか。ブラフがもう少しあっても良いような気がするのは自分だけでしょうか。
もうひとつの例を見ていきましょう。下の円グラフは、純粋2枚ストレートボード(フラッシュ不可能かつペアボードでない)でソートしたものです。
同様にWeakペアとAirをブラフと考えます。すると、ブラフの割合が増え24%となりました。色々なボードでデータを検証してみましたが、純粋な2枚ストレートボードが最もWeakペアとAirの割合が高かったです。
2枚ストレートボードと言ってもK9845のように、76sや76o以外のハンドは完成していないボードや、AT853のように42sや42oを持っていないとストレートが完成しないようなボードも2枚ストレートボードです。
そういった意味では最もドローが滑った可能性が高いボードと言えるかもしれません。しかしこのようなお互い滑った可能性が最も高いボードでもブラフは24%しかありませんでした。
ざっくりした結論
「マイクロステークスのリバーレイズにブラフは無いことはないが、大体のボードでトップペア程度ではコールしても利益的でない」という結果になりそうです。ここから先はもう少し掘り下げて考え、マイクロステークスの特性なども紹介しつつ、エクセルデータの共有もしようと思います。
有料部分(約3000字)は下記のような内容となっています。
・データをまとめたエクセルファイルの共有
・どうしてこのような結果になるのかの考察(マイクロステークスの特性)
・検証結果を踏まえて、リバーはどのようにプレイするのが利益的か
是非読んでいただければと思います。
エクセルファイルにはPFからのACTION、ボード、相手ハンド等を画像で貼り付けており、役の強さ、ボード内容(FLUSH可能ボード、ストレート可能ボード、ペアボード)等を下表のように入力しています。
ボード内容をソートすることで自動的に円グラフが作成され、どのようなボードでどのようなハンドがレイズしてきたかがわかるようになっています。
エクセルファイルの共有
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