怖くて読めなかったズュータンさんのnoteと本

noteで話題になったズュータンさんの『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』

実はこの本は、購入してからすぐに読むことができませんでした。

ズュータンさんはマルチ商法の被害者だけど、

私はマルチ商法の加害者です。


自分の間違いに真正面から向き合うことへの恐怖心。

人様の人生を狂わせてしまうことをしてきた罪悪感。

デマを簡単に信じてしまった自分の愚かさ。


今まで私がしてきた数々の愚行に真正面から向き合うことは、本当に本当に怖かったのです。


読まなきゃと思えば思うほど、息苦しくなって手が震えてしまう。

まるでドラマのワンシーンのようだけど、本当に怖くて読めなかった・・・。


いつまでも逃げてちゃいけないと思って本を読んでみたら、想像以上に辛く苦しいズュータンさんの感情が襲いかかってくるようで、すごく胸が締め付けられたのと罪悪感でいっぱいになりました。



なんてことしてたんだろう私。


自分は人のために活動していると思ってたけど、人様の人生を狂わす活動をしていただけなんて!

こんなにも人を苦しめていたなんて!

家族を守るどころか、大切な家族を奪っていたなんて!


マルチ会社を儲けさせるために、自分の人生も人様の人生も犠牲にしてしまったんです私。


1度壊れてしまった信頼関係は、簡単には戻りません。

時間もお金も大切な人も失ってしまうマルチ商法に、なんの魅力があったんだろう。


大切なものを失ってまで手に入れたかったものって何?


なんでアンチの声に耳を傾けなかったの?

これだけマルチ商法が社会問題になってるのに、なんで「会社が潰れてないから怪しくない」なんて言葉を信じたの?


今まで積み上げてきた信頼関係より、ついこの間知り合ったばかりのマルチ仲間のほうが大事だった?


家族や友達の言葉より、本性がわからないマルチ仲間の言葉のほうが信じられるの?


なんで疑問に思ったことがあったのに立ち止まらなかったの?


なんで周りから嫌がられてるって知ってたのに、見て見ぬフリしたの?


本を読み終わった後は、自分を責める言葉が止まりませんでした。


マルチ商法にハマっている間は、自分の異常さに気づきません。


いや違うな。


気づけないというより正当化するために、

「マルチの商品で喜んでいる人がいる」とか

「マルチ商法に出会って人生が変わった」とか

都合のいいことしか耳に入れないようにしてるんだ。


そのほうが、自分の間違いに気づかなくてもいいから楽ですもんね。


今マルチ商法にハマっている人はこの本を読んで、1日でも早くやめてほしい。

マルチ商法をやろうと思ってる人は、この本を読んで踏みとどまってほしい。


マルチ会社が無くならないから安全なビジネスなんじゃない。


誰も会員にならなければビジネスとして成り立たないんだから、マルチ商法に関わっている全ての人に読んでもらいたい。


まだマルチ商法をよく知らない人も、マルチ商法の正体を知るために読んでもらいたい。


ズュータンさんの本は、加害者である私の心に突き刺さったけど、2度と同じ過ちを繰り返さないための指南書となっています。

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