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【技術士1次試験-機械部門】滑車の拘束条件

平成30年度機械部門Ⅲ-21より、
「下図に示すように、ばね定数$${k_{1}}$$
のばね、ばね定数$${k_{2}}$$のばね、質量が無視できる動滑車、質量$${m}$$のおもり、及び質量が無視できるひもからなる振動系がある。このおもりが上下に振動する場合の固有角振動数として、最も適切なものはどれか。なお重力加速度の大きさを$${g}$$とする。」

[解答]
おもりにはたらく張力を$${T}$$とする。
おもりが釣り合いの位置から$${x}$$動いたとき、それぞれのばねの変位を、$${x_{1}}$$、$${x_{2}}$$とすると、鉛直方向の運動方程式は、
$${m{\ddot{x}}=mg-T}$$・・・①
また張力の大きさは、ばねによる力との釣り合いから、
$${T={k_{2}}{x_{2}}}$$  ・・・②
$${2T={k_{1}}{x_{1}}}$$・・・③

図1.1 釣り合い時と釣り合いからおもりがx動いたときの拘束条件

ここで、①、②、③の式3本に対して未知数$${x}$$、$${x_{1}}$$、$${x_{2}}$$、$${T}$$の4つであり、このままでは解くことができない。
ここで、この運動に関する拘束条件は、
「ひもの長さが常に一定」である。
鉛直下向きを正として、初期状態のひもの長さ$${l_{0}}$$は次式のように表せる。
$${{l_{0}}=({x_{0}}-{x_{10}})+({x_{20}}-{x_{10}})}$$
次に、おもりが釣り合いの位置から$${x}$$動いたときのひもの長さ$${l}$$は、
$${{l}=(x+{x_{0}}-{x_{1}}-{x_{10}})+({x_{20}}-{x_{2}}-{x_{1}}-{x_{10}})}$$
この時、「$${{l_{0}}=l}$$」より、
拘束条件
$${{x_{2}=x-2{x_{1}}}}$$ ・・・④
が得られる。
②、③、④より張力$${T}$$を$${x}$$で表すと、
$${T={\frac{{k_{1}}{k_{2}}}{{k_{1}}+4{k_{2}}}}x}$$

したがって、①の運動方程式は次式で表せる。
$${m{\ddot{x}}=mg-{\frac{{k_{1}}{k_{2}}}{{k_{1}}+4{k_{2}}}}x}$$
整理して、
$${{\ddot{x}}+{\frac{{k_{1}}{k_{2}}}{m({k_{1}}+4{k_{2}})}}x=mg}$$

故に、この振動系の固有角振動数$${\omega_{n}}$$は、
$${{\omega_{n}}={\sqrt{{\frac{{k_{1}}{k_{2}}}{m({k_{1}}+4{k_{2}})}}}}}$$

答え⑤



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