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お寿司も自分で握りたい

世界に誇る日本の食文化の中でも、外国人にとってやはりセンセーショナルだったのは江戸前の握り寿司ではないでしょうか。

そもそも、魚を生で食べる行為そのものが一部を除いて海外のほとんどの国では敬遠されてきた様ですが、日本人がこれほど生魚を愛してやまない理由は何なのでしょう?
様々な理由が考えられ、提唱されていますが、何ら根拠の無い主張を申し上げれば、醤油と握り寿司があるからでしょう。いや、握り寿司というものが生まれるまでの背景や歴史があるのでしょうが、今日の日本人が生魚を好き好んで食べる理由は醤油と握り寿司があるからだと勝手に思っています。

さて、生魚と言っても包丁もろくに使ったことがない人が適当に捌いて作った刺身は不味くて食えたものじゃありません。切断面が粗く、手で触られ過ぎた身はとたんに生臭くなって食感も悪いからです。
刺身として食べるための適切な処置と技術を確立したからこそ刺身、そして握り寿司は美味しいのであって、海鮮丼も良いけど、やっぱりお寿司っていうのは食の芸術なんですよね。だけど、芸術は全てのあまねく人々に開かれています。
ちなみにこれは寿司を握り始めた当初のもの。
釣ってきたカンパチとアオリイカを握りました。

よく食べに行っていたお寿司屋さんの見よう見まねでも意外とできましたし、寿司の握り方はYouTubeでいくらでも出て来ますので、そちらを見れば誰でも握れますから、是非とも自身で握って欲しいんです。シャリの型なんて物も売られていますが、わざわざ寿司ネタを切って、酢飯を作って、それを手巻き寿司やちらし寿司ではなく、シャリにネタが乗ったお寿司にしようっていう人がその手間を惜しむ必要は無いと思います。慣れれば型にご飯を詰める方が面倒です。

寿司が美味しい条件は、ネタが美味しいこと、酢飯のシャリが美味しいこと、ネタとシャリに一体感があり、咀嚼すると程よくほぐれてネタとシャリが絶妙に混じり合うことですから、最後のそれが刺身を酢飯と一緒に食べることとの違いです。

力を入れず、シャリを軽く握って形を整え、ネタの上に乗せ、真ん中を凹ましてネタごとひっくり返し、両端を整えて、最後にシャリにネタを張り付かせるために強すぎない力加減でネタ全体を指2本で覆うように押さえる。この行程を4動作くらいで行う、、、って言葉にすればこんな感じですが、完成形はシャリが扇を開いた時の地紙の部分の逆台形のような形になっていれば良いそうです。私のはまだまだですね。

プロの寿司職人じゃないんですから素人がどこまで真似っこできるかですが、それでも何個か握ればだんだん見た目の良いお寿司になっていきますし、シャリ片手で作ったシャリに刺身を乗せて食べるだけのお寿司とは美味しさが違ってきます。

回転寿司は私もたまに行きますし、あれはあれで好きですが、たまにネタがずり落ちた残念なお寿司が回ってることってあるじゃないですか。あれを見ると、これはやっぱり刺身乗せご飯なんだなって思ってしまいます。

大勢の仲間とキャンプに行った時に、時々メニューに寿司が上がることがあります。
夏場に野外なので、衛生面とかかなり気を付けなければなりませんが、我々はけっこう変態の集まりなので、握れる人が数人いたりします(笑)こちらは、静岡県富士宮市のふもとっぱらキャンプ場で皆で握ったマグロのお寿司です。

寿司に適したネタの切り方ってなかなか難しいですが、所々が不恰好でも、みんなで握れば楽しいものです。

こちらは長野県の下伊那の豊丘村でキャンプをした時に南信州サーモンをまたみんなで握りました。

最近はキャンプでこれが出て来たら面白いんじゃないか?というのが半ば大人の悪ふざけというレベルでエスカレートしているんですが、やっぱり握り寿司が出るとみんな大喜びです。手作り料理のホームパーティーで握り寿司が出たら、驚きも含めて良いおもてなしになります。

これはお正月に釣り船で釣ってきたヒラマサを、高校の同窓生との家飲みで握ったもの。

そして、自分と嫁さんの家族で市場で買ってきた色々な魚を握ってパーティーをしたり、寿司が握れれば様々な場所で大活躍できます。

会社帰り、ちょっと寿司でも食べたいけど、お寿司屋さんに行くなんて贅沢はそんなにできないなぁ、なんて時にはパックのご飯にすし酢を合わせて、スーパーの魚をチョイチョイっと握ってみたり。

まあ、言いたいことは、寿司を握れるとお寿司屋さんの次くらいは美味しいし、楽しいよってことです。
日本人がおそらく和食の中で一番好きなのであろう寿司を自分で作るってそんなに変ではないではありませんか。そして、思った程にはハードルは高くないはずです。

寿司に限らず、人はそれぞれいろいろな場面で勝手にハードルを高くしてしまってると思います。そんな心当たりがある型はとりあえず寿司を握ることから始めてはいかがでしょうか?

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