見出し画像

身延にいた、神業の仏像職人 ~遠藤塾の記録1~

 はじめまして、この度noteを始めてみることにしました。山梨県立大学国際政策学部総合政策学科1年、遠藤塾に所属しています切金夢亜です!noteでは、自分が過ごした体験や出来事を書き残していければなぁと思っています。また、遠藤塾や身延山での活動を発信していきたいです。よろしくお願いします。

 今日は、遠藤塾で仏師さんの工房ををお邪魔した話。

今回(9/11)の遠藤塾はあいさんとあやなさん、兼清先生、遠藤さんと一緒に午前中は仏像修復工房を見学。私は前回伺うことができず、今日が初めての見学で楽しみでした。工房に入った瞬間に木の香りと塗料の匂いに包まれて、図工室に入った時のような懐かしい雰囲気、たくさんの仏像にわくわくが止まらない、、!

画像1

まず、私はこの工房で仏像修復をしている柳本先生に2時間たっぷりお話を聞きました。

”オリジナルは民族工芸の積み重ねだ”

この言葉から柳本先生のお話は始まりました。本当のオリジナルなんて今はなく、オリジナルと呼ばれているものは全て今までの積み重ね=歴史である。アートの本質をとらえているような言葉。この言葉は続く話と関係しててほんとに深い、、、!

柳本先生のものの捉え方だったり、壮大な先生の過去の話に圧倒されながら、私はどんどん先生の話にのめりこんでしまいました。先生はアートを哲学や宗教、人々の価値観と深い関係性があるものとみていて、アーティストは哲学と価値観の集結点であるといっていました。何だか難しい話だけれど、彫刻や建造物といったアート作品はいつの時代でも人々に信仰や新しい価値観を与えるための必要不可欠な存在であったのだそう。先生は本当に気さくでいろいろためになるお話をしてくれるのであっという間の二時間でした!!

そういった考えを持つ柳本先生は今はラオスの世界遺産の仏像修復の仕事を行っています。仏像修復といっても、もともとあった仏像をそのまま使いきれいに修正するという作業ではなく、先生は復元をします。この復元とは、修復する仏像が今の時代まで残っていたらこうゆうものだろうというものを作ることです。つまり、忠実に再現したレプリカです。


え、レプリカ、??? プラスチック? かるっ!(全員)

目の前の重厚感のある小さな仏像は持ってみるとあれ?っとなるほど軽い!私は初めて持たせてもらった時、とっても驚きました。実はこれはレプリカであり、3Dプリンターと神がかった色付け(汚れ?をわざとつける)で仏像の時間も修正されていて歴史を感じさせる仏像を再現しています。これはすごい技術すぎる、、、!

一見、レプリカと聞くと偽物だと嫌悪感を持つと思うんです。実際私もそうでした。昔からあったものをそのまま保存することが大切なのでは?なんでレプリカなんだろう、、?

その答えは、先生が話の冒頭に言った ”オリジナルは民族工芸の積み重ね” という言葉につながるのだと思いました。仏像はだた、文化財ではない。信仰のための大事な象徴として存在しているのだから、品として残すのではなく文化を残す。仏像本来の存在意義を大切にすることことこそが先生の考えでした。そのため、ラオスの世界遺産修復作業もこの方法を使っています。本当に大切なことは何なのかという点に着目する、なるほどなぁ。

画像3

お話の後は、工房内を見学~。截金細工が施された仏像をみたり、3Dプリンターと見してもらったり、2mをこえる大きな仏像も間近で見させていただきました!

画像4

今回は特別にこの大きな仏像様にのみを打つ体験もさせていただきました。木をザクッと削る感覚はけっこう快感!!楽しい!!

一打ち一打ち大きな仏像を彫っていく、気の遠くなるような作業です。改めてここにいる職人さんすごすぎる、、、!工房の職人さんは明るくて様々な話を聞いていると心から彫ること、仏像を作ることが好きだと伝わってきました。職人の熱を感じるような場面を感じたり、自分に持ってない考え方に出会えたりなど、身延山の山にある仏師工房に来て本当に貴重な経験ができました◎

身延の魅力を新しく知れてよかったです。これからも遠藤塾を通して、地元のすごいとこ、を見つけていきたい!noteにも記録として残していきたいです。