【アフター・ザ・シミュレーション・バトル】

【アフター・ザ・シミュレーション・バトル】フロム【アット・ヒノモト・ワークショップ】シリーズ!

 【アット・ヒノモト・ワークショップ】 シリーズ とは:
yulou407によるニンジャスレイヤー二次創作、つまりテキストカラテのカテゴリーの一つ。グラスキャットがヒノモト・ワークショップに行った際の話や、ワークショップの人々とのやりとり、更にはワークショップに来る他の客などとの交流が描かれるシリーズである。文体は原作に準ずるものが主で、戦闘シーンもある。 
ユラウのメモ帳より

ヒノモト・ワークショップ地下には、行きつけの者の中でもごく一部だけが利用できる奇妙なカラテトレーニング場がある。そこでは、ゲームコンフィグめいて様々に設定を変え、限りないパターンのニーズに合わせた経験を積めるのだ。……そして今、まさに、グラスキャットとトラベラーによる模擬戦闘が決着した。

決まり手は「強力なチャームによる戦闘意志の喪失」。グラスキャットのジツの一つ、ヒュプノ・ジツによるものだ。

「ウウ……」ジツを解いたグラスキャットの目から、01の血がいくらか流れた。糸の切れたジョルリめいて、体が傾ぐ。それを、ジツから目覚めたトラベラーが素早く、静かに支えた。「おっと。尻尾も使えないか」「ウン……」然り、グラスキャットのサイバネ尻尾はジツ行使に対する恐怖を示し、脚に絡まったままだ。「気絶しなかっただけマシかも」

トラベラーは頷き、やや視線を泳がせた。それから、グラスキャットを抱き上げた。「今回の収穫は、まずそれだ。それから、出血量の減少」「……」グラスキャットは黙って聞きながら、運ばれるに任せた。「ジツの強度は前回と全く変わらなかった。これは調整したと見るが」「ウン。内容も一緒だよ」「ン……?」その言葉に、トラベラーが訝った。

「初めてのパターンだと思ったが……ああ!思い出した!」「記憶と切り離せるかなって。新鮮だったかい?」グラスキャットは微笑みながら尻尾を稼働させ、先端でトラベラーの頬を撫でた。トラベラーは神妙な顔になり、真剣な眼差しで口を開いた。「一旦降ろすが、そこに座る前に立ってほしい」「ウン」グラスキャットは降ろされ、尻尾をゆったりと揺らしながら立ち上がった。

「では、愛情表現をさせて欲しい」「ジツ解けてるよね……?いいけど」「抱きしめるが」「それは駄目。メチャクチャ苦しいし」「優しくするから!」「ウソだね。騙されないから」「ええい信じろ!イヤーッ!」トラベラーはグラスキャットに飛びかかる!

グラスキャットは当然回避!そして尻尾で縛り上げる!「ウワーッ!」「諦めるなら降ろすよ」「諦めないと言ったら!?」「振り回すよ」グラスキャットは尻尾を振り回した!「アアアアアーッ!?」

【アフター・ザ・シミュレーション・バトル】終わり

🐱🌀🤮💫

トラベラーがどんどんキャットを好きになっている!


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