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プルメリアを挿し木で増やす方法(ラピッドルーティング)最低気温20℃以上が理想です。

中々ハードルが高いと感じることが多い、プルメリアの挿し木。挿し木には、プルメリアを育てる上での基本的要素が満載なんです。

今回はかなり長編になりますが、是非最後まで読んで頂き、挿し木にお役立てください。

ここまで詳しく書いてあるのは他に無い(ホンマか?)んじゃないかな?

もちろん、挿し木しないから読まなくていいやってのは、もしかしたら損するかもです。→大袈裟(≧∀≦)

内容もかなりマニアックなので、マニアな目線でお読みください。


では早速はじます。

工程としては…

○カット苗づくり

○カット苗の熟成

○ラピッドスタートを使った発根

○発根後の水分管理

です。

では、それぞれ詳しく説明していきましょう!


カット苗をつくる

プルメリアをカットして穂木をつくる訳ですが、僕がポイントにしているのは…

体力と水分が出来るだけマックスのタイミングでカットする

ですね。

よく2月とか3月って聞きますが、その頃は水を断ってるし、冬越しで体力を奪われているので、僕は避けてます。

僕が挿し木用の苗をカットする時期は…

10月後半もしくは5月後半

にしています。

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もうひとつのポイントは、40センチ以上伸びた冬越しを経験した枝が理想ですね。

冬越しをしても30センチ未満の枝は、表皮が薄くて挿し木には向きません。

カット苗選びのポイントは…

カットするタイミングと適した枝を選ぶ

ことですね。


カットの方法

必要なものは…

消毒用エタノール、剪定バサミ、カッターナイフ、トップジン

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です。

まず、ハサミあるいはカッターナイフをエタノールで消毒します。

次に、枝先から40〜50センチあたりでカットします。

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切り口をしばらく水に浸けて、樹液が止まってから水分をペーパーで拭いて、トップジンを塗って保護してください。

2021.8.14修正 最近は、水に浸けずに樹液が止まるまで放置してます。


カット苗を熟成させる

はい、これが最大のポイントとなります。

プルメリアを挿し木する場合、発根剤として最近よく使われ始めた、ラピッドスタートがあります。

これ、劇的に発根します。

ラピッドルーティングって名前だけに、これ無しでは僕のルーティングは成立しないんです。ラピッドスタートによる発根は次の工程で詳しく説明しますが、いくら優秀な発根剤があっても…

熟成してない苗はほぼ、発根しない

ってことです。


ポイントは…

「いかにプルメリアが発根したくなる環境を作ること」

です。

いくらラピッドスタートが効くといっても、切ってすぐとか、発根する気がない、発根する気温がない状況では絶対に発根しません。

僕は熟成と呼んでいますが、プルメリアをその気にさせる工程と期間をしっかり取ることが大事です。

ただ切っただけの切り口から根はなぜ出てくるのか?
切り口は何を感じて根を出すのか?

プルメリアを育て始めてからずっと疑問でした。

土に挿したら根が出てくる・・・

カット苗を吊るして乾燥させてるだけでは発根しない・・・

僕のたどり着いた答えは・・・
「切り口の遮光」にあると考えました。

けれど、カットしてすぐに土に挿すと
切り口に蓋が出来ていないので雑菌が侵入する可能性が高く、また、根を出す準備が全く整っていないので、腐るリスクしかない。

どうすれば腐らずに、土に挿した状態に近づけるか・・・

考えたやり方は、
「アルミホイルで切り口を遮光する」
です。

切り口を遮光して土の中って感じさせながら、乾燥をさせていきます。

加えて、発根効果、殺菌効果のあるシナモンパウダーを併せて使うことによって
より効果が高まると考えています。

「え!シナモンてあのシナモン?」

そうです、シナモンです。

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シナモンの効果はこちら


シナモン&アルミホイルで熟成をすれば
腐るリスクはほぼ無いし、切り口は土の中を感じて、切り口の内側の細胞が根に分化し始めると考えています。

あと、カルスが出来始めたら挿し木のタイミングというのは、この切り口の内側の細胞の分化のサインだと感じています。

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ここで重要なのは、カルス自体が根になるわけではありません。

根は、切り口の内側から突き破るような感じで根出てきます。

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僕は、過剰なカルス形成は、未分化細胞の無駄遣いだと考えているので、ホルモン剤によるカルス形成はしてません。

遮光することによって、プルメリア自身がホルモンを分泌して、切り口周辺が根になるように指令を出し、その結果発根すると感じています。

まとめると、この熟成工程、つまりプルメリアをやる気にさせる工程が最も大事な部分となります。

「カットされたぞ、切り口をふさげ!」
「水を吸えないぞ。根を出さないとヤバイぞ。どうする?」
「切り口周辺が暗い。よし土の中にいるな。ここで根を張れば水を吸い上げることが出来るぞ

「よし、切り口の細胞たち、根になれ!」

としっかりプルメリアに感じさせるのです。

シナモン&ホイルで大体1ヵ月以上の期間、熟成させてください。


発根のきっかけを与える

さて、ここまでくれば成功したも同然。

あとはきっかけを与えるだけです。

ただ、ひとつ条件があります。

ここからの工程は最低気温20℃以上が欲しいです。これは必須条件となります。

話を戻して、発根のきっかけはなんでしょうか?

僕は…

「水に触れること」

だと感じています。

普通なら、土に挿して水やりをした時に水に触れてスイッチが入る。それからは、土をがしっかり乾いたらまた水やりって管理をすれば、1ヵ月くらいで葉が動いてきます。

これはこれで問題は無いし、熟成された苗ならすぐに発根を始めると思います。

ただ、これだと根が出たかどうか分からず不安ですよね。

僕はこの不安が嫌で目で発根を確認したい。

あと、リスクを減らしたい。

ということから、先に紹介したラピッドスタートを使います。


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500mlに7〜10滴ほどを希釈した水に切り口を浸けるるだけ。

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熟成がしっかり出来ている場合、時期がいいと24時間で根が見えてくることもあります。

どの成分が効くのかよくわかりませんが、とにかく反応がヤバイです。

さて、根が見えたら、最終工程です。
もうこのまま植え付けしてもいいのですが、最後に水分をしっかりコントロールしながら、さらに発根を爆発させます。

やり方は次で説明しますね。

発根スピードを最大限に

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やり方としては、ジャンク挿しとかギャング挿しとか言われています。

やり方は10号くらいの菊鉢に、パーライト5ピートモス1をブレンドした土を4割くらい入れて、そこに3〜5センチだけ埋めて、霧吹きで水やりします。

この時、土が軽く湿るか湿らないかくらいギリギリをキープします。根が最も出やすい状態をキープして発根スピードを上げることを意識します。

ビチョビチョに濡らしてはダメです。


葉が数枚一気に成長し始めたら、根が爆発しているはずです。

(追記) この工程はバッグルーティング、カップルーティングに変えていただいて大丈夫です。てか、その方が根が折れるリスクが少ないです。

そっと引き抜いてあとは植え付けですね。

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植え付けたらあとは、葉を5〜10枚展開させて、魅惑の肥料を置いてあげてくださいね。



さて、長々と書きました。
伝えたいことは説明しだしたらキリが無いなとも感じたので、書き切れてない部分もあります。

まとめ

1.カットする

2.シナモン&アルミホイルで苗を1ヵ月以上熟成させる

3.ラピッド水に挿す(3日〜1週間くらい)

4.ジャンク挿しで霧吹き発根

5.植え付け

ですね。

もし、3で発根しなければ、また、2を2〜3週間してから、またラピッド水って感じで繰り返してください。

どうしてもダメなら、4に移ってひたすら放置となります。


最後にもう一度。

熟成工程までは大丈夫ですが、ラピッドスタートによる発根工程以降は、最低気温が20℃以上安定でやってくださいね。

それより気温が低いと、発根しなかったり、ゆっくりだったりします。

本当に長くなりましたが、このあたりで。

もし分からないことがあれば、YULAENA_GardenのアカウントでLIVE解説でもしようかと考えています。

コメントいただければありがたいです。

では。

最後までお読みいただきありがとうございました。これからも情報発信が出来るように頑張りマス!