炊飯器
炊飯器を買った。
キムチ鍋を食いたかったから買った。
キムチ鍋といったらやっぱり白米が食いたかったから買った。
俺、ヤマダ電機で炊飯器を買った。
タイガー製の白い奴。
コンパクトでシンプルな奴。
炊飯器を買う事で、東京に居残ってしまいそうで要らぬ振りをしていた。
自炊の日はパスタを茹でて食っていた。
しかし、先日シーチキンを口に頬張ったら、白米が食いたくなった。
そして今日、キムチ鍋を拵えようと脳内での会議の結果、炊飯器を買った。
タイガー製の白い奴。
コンパクトでシンプルな奴。
自分で作る飯は案外嫌いじゃない。
下手でダサい飯だけど自分のツボがを心得ているのは俺だからね。
チンポもそうでしょ?
他人にシゴいてもらうより、シゴきは俺流が私攻略の一流。
炊飯器の炊飯のスイッチを押し、キムチ鍋を拵える。
白菜、ネギ、ニラ、榎茸を煮込み、豚肉を放り込む。
胡麻油、麺汁を少々、ダイエーで1番高いキムチ、豆腐を投入。
輪切り唐辛子を大量に。
行列の出来る法律相談所が終わる頃、飯が炊き上がる。
キムチ鍋がいい感じになる。
床にIHクッキングヒーターを置き鍋を配置。
炊き立ての白米を茶碗に入れ、食う。
故郷が遠のく。喧騒に参加する。都市の一部として機能し段々、俺は俺で無くなってゆく。
作り過ぎたかと思ったが、殊の外旨く鍋は空。満たされる事で産まれる不安に苛まれながら眠れないと映画「トゥルーマンショー」を観ている。俺は虚構に生きているのかとも思うし、リアルが過ぎるとも感ずる。
余ったスープで明日の朝、雑炊にしまーす!
それでは、よろしく〜。
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