暗闇のエーテル(第10章 ミンボウ)
ぴっぴはミンボウという言葉だけを頼りに歩いた。しかし何処にも見当たらない。相変わらず電飾が目に痛い。
とりあえず伯母に見つからない所まで小走りで移動した。一年以上部屋の中に篭りきりだった為久しぶりの外出に早くも疲れている。廃墟になった病院にある煉瓦の植え込みに腰掛け、少し休む事にした。
日が傾き夕闇が近づいている。ポケットからグニョグニョに折れ曲がったミンボウのチケットを取り出すと広げ、目を通す。
「おねぇさん。」
ふいに声をかけられた。ぴっぴが顔をあげるとオ