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【音源付き】ジャズピアノ名盤5選 〜超入門編〜これだけは絶対に押さえておきたいジャズピアニスト①【特集号】

皆さん、こんにちは。
ジャズピアニストのゆうこりんです。
いつもノートでは7年間のアメリカ留学中に起こった出来事を小学生並みの文章力で書いている暇人ニートですが、今日は特集号と致しまして、私の愛聴しているCDを5枚紹介したいと思います。ジャズを聴いた事がない、あるいは興味があるのだけれど、どのCDから聴けば良いか分からない、あるいは少しジャズの豆知識を増やして、会社の部下の女の子にウンチクを傾け、モテたいという方の為に、CD紹介コーナーとしたいと思います。ジャズ初心者の方には入門編として、ジャズ上級者の方には、自称・天才イケメンピアニストによる深い解説で、楽しんで頂ける内容となっています。

この世にジャズの名盤と言われるものは無数にあるのですが、今日は超初心者向けに王道中の王道を選びたいと思います。これからジャズを勉強するにあたって是非覚えて頂きたいピアニスト5人と彼らの代表作、五枚です。

彼らの演奏スタイルは、活動時期によって異なるので、(ベートーベンの作品が初期、中期、後期と区別されるように)そのCDだけが、彼らのスタイルを代表するものではないという事を念頭に入れて頂けたらと思います。私は好きなジャズピアニストが山ほどいるので、5人のジャズピアニストに絞るのは至難の業でした。今回の特集号が好評でしたら、第二号、第三号と続編も考えています。コメントで質問などもお気軽にどうぞ♪

それでは参りましょう。
独断と偏見による私が愛する5人のジャズピアニストと彼らの名盤です。

Bill Evans - Portrait in Jazz Complete 
ビル・エバンス (1929-1980)

私が初めてビル・エバンスを聞いたのは中学2年生でした。母の持っていたジャズのオムニバスのアルバムでエバンスの「枯れ葉」を聴いたのがきっかけだったんのですが、ドラム、ピアノ、ベースでこんなお洒落なサウンドが出来るのかと驚いたものでした。このアルバムの2曲目の「枯れ葉」が収録されています。複雑なリズムのイントロ、曲のテーマの後にピアノではなく、ベースがソロをとる事がとても斬新で、トリオが三位一体となって音楽を作っていくのが分かると思います。エバンスは新しいトリオのアンサンブルコンセプトを提唱したと言っても良いでしょう。ウィントンケリー、レッドガーランドとは違う、内向的なトリオのサウンドに非常に魅了されました。ちなみにエバンスは遅咲きのジャズピアニストで30代になってから売れ出しました。このアルバムを録音した時、彼は30歳。絶大な人気があったわけも無く、数年後のビレッジバンガードでライブ録音したアルバム「Waltz for Debby」もお客さんがあまり入っていなかったとか。確かに言われてみると、まばらな拍手で分かります。笑 

彼が最も影響を受けたピアニストは実はバド・パウエルで、初期の「On Green Dolphin Street」を聴くとその影響が分かります。ドラムがPhilly Joeなので共演するミュージシャンにもよるかもしれません。新しいサウンドを作るのにもやはりビバップの巨匠を研究していたのだなと思います。温故知新ですね。

Oscar Peterson - The London House Session
オスカー・ピーターソン (1925-2007)
私が大好きなピアニストの一人のオスカーピーターソンです。オスピーについて語りだすと、長くなってしまうのですが、ここで一つウンチクを。実はオスピーはカナダ生まれカナダ育ちです。名プロデューサーのノーマン・グランツに見いだされ、デビューと同時にアメリカに活動の拠点を移します。彼はジャズの歴史上、経済的に最も成功した一人で、4回結婚して子供を7人儲けました。羨ましい限りです。(笑)出身はケベックですが、オタワの国立博物館に行くと彼の銅像が入り口前に飾られています。カナダの偉人ですね!

オスピーのアルバムを一つに絞るのは断腸の思いだったのですが(←大げさ?)やはり黄金期のライブ盤アルバムが好きな方は多いのではないでしょうか?1950年代は、どこかテディーウィルソンやファッツウォーラーのような気品がある感じで、ピーターソン節が足りない、かといって1970年代は超絶技巧過ぎて全曲サーカスというような感じで少々おなか一杯という感じです。1960年代のオスピーは彼の超絶技巧とトリオのサウンドが見事にマッチしていて聞いていてハッピー、それでいて疲れないという感じです。
レイ・ブラウンの深いベース音、タイトなエドシグペンのドラミング (ハイハットの音が最高( ;∀;))正に奇跡のトリオです。

Chick Corea & Bobby McFerrin - Play 
チック・コリア (1941-)

チックコリアというと「Now He Things Now He Sobs」「Light as a feather」 等のアルバムを期待されていたかもしれないのですが、チックコリアのアンサンブル能力の凄まじさ、彼のオープンマインドを象徴したようなアルバムだと思いこのアルバムにしました。何しろピアノとボーカルでこんなにも素晴らしい世界を作り上げるのですから。初めてBobby McFerrinの歌声を聴いたときはえ?なにこれ?チェロ?シンセサイザー、え、うそ・・・ボーカル?といったような感じでした。人間離れした歌声に、チックコリアの遊び心と包容力のあるピアノが化学反応し、圧巻!

ちなみに以前チックコリアが、スカルラッティのピアノ曲を初見で弾き、彼が曲を学ぶプロセスを紹介するビデオを見たのですが、小学生にも分かるくらい、初見が遅くお世辞にもピアノが上手とは言えないのです。巨匠も一日にしてならず。おそらくチックは曲を学ぶ際に人一倍練習しているのだなと思わされる動画でした。

Herbie Hancock - Miles Davis - My Funny Valentine 
ハービー・ハンコック (1940-)

ジャズピアニストは色々な編成で演奏をする事が求められます。編成によって演奏のコンセプトが違うので、得意不得意があると思うのですが(ちなみに筆者はトリオが一番好き)ハービーハンコックはバッキング(伴奏)がジャズの歴史上もっとも上手いピアニストの一人かもしれません。彼は自分のグループでも自分が伴奏役に回る事が多く、伴奏者の立場からバンドにインスピレーションを与えるのが好きなような気がします。このCDは1964年のアルバムなのですが、極端に言ってしまえば、ここでジャズの歴史は終わったかもしれません。と言いますのも、56年以上たった今でも、これよりも新しいジャズのサウンドは見つけることは中々ないからです。その位、当時からしてみたら前衛的なサウンドだったでしょう。ハービーハンコックは、マイルスバンドをアンサンブル面でも支えた立役者で、その斬新なコンピング(伴奏)はジャズ史に名を残すと個人的には思っています。神秘的なイントロから、バンドが発展して、5人が化学反応を繰り広げながら音楽を作っていく様子をどうか感じ取ってください。

Keith Jarrett - Melody at Night with You 
Keith Jarrett (1945-)
キースジャレットは実は私が一番好きなピアニストかもしれません。(私の演奏スタイルが彼のと異なるので、意外と言われることもあります。笑)彼についても話すと長くなるのですが、いくつか紹介したい事を簡単に。

まずキースはジャズ史上、最もピアノがうまいピアニストの一人です。‘‘ピアノが上手い‘‘というのを説明するのは難しいのですが、簡単に言えば楽器をコントロールする能力が優れており、クラシックの作品を上手に弾きこなせる能力でしょうか。フォルテとピアニッシモの幅広さ、あまりにも整いすぎた和音のバランス、ピアノが打楽器だと忘れてしまうようなレガート奏法、高度な左手と右手の対位的な組み合わせ...etcと挙げれば切りがないのですが、どうしてそんなに楽器が上手いの?というレベルです。実際にバッハの平均律含めクラシックのCDもいくつか出しています。彼は7歳でリサイタルを開き、クラシックの作品を一部で、二部では自身のオリジナル作品を披露するという神童ぶり。アートーブレイキー楽団には20歳で入団。当時の録音を聴いても、キ〇ガイのようにうまく、まるで現代のモーツァルトかと思うほどです。

さて、私の大好きな彼のアルバムですが、Youtubeには音源が無かったのでSpotifyのリンクを載せました。(おそらく著作権の関係で消さたと思います。涙)トリオ・スタンダーズのアルバムも好きなのですが、やはりどうしてもこのアルバムを紹介したかったのです。キースは90年代後半から、慢性疲労症候群に陥り、自宅での療養をしていた時期に、このソロアルバム作りました。本来世に出るものではなかったのですが、レコード会社からこれは世に出さないわけにはいけない!となりCD化となりました。その経緯は私も不勉強でもっと入念に調べないといけないのですが、療養中に自分を介護してくれた奥さんの為に作ったCDだとも言われています。そう考えながらこのCDを聴くと涙が止まりません。自宅録音なので、決してスタジオやホールのように録音クオリティーは高くないのですが、人生とはなんぞや、音楽とはなんぞや、と考えさせらるような深い仕上がり、と同時に温かさと愛に溢れるCDとなっています。ちなみにキースは演奏中に独特の奇声を発するので、嫌いという方も多いのですが、このCDではほとんど聞こえないので、ご安心を。笑

以上になります。少しは為になって頂けたらこの上ない幸せです。
普段は小学生が書いたような、おバカ留学日記を書いているのですが、また特集号を組んで自分の経験を生かして、何か人様のお役に立てる記事が書ければと思います。お読みになってなって下さりありがとうございました。

【完】
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写真:**実家のCDラックをさっきIphoneで撮りました。笑 
今はオンラインで色々な音源をチェックできる世の中になりましたね。(これについての賛否も特集号で語ろうかしら)高校生の頃は市の図書館でアルバムを借りてはMDに焼き、20代の頃はヤフオクや、Disc UnionでCDを買い漁っていました。Bill Charlap、オスピー、キース、エバンスのCDが多いです。

ジャズピアニスト 二見勇気
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