【音源付き】NYCで会えるジャズピアノの巨匠5人
みなさんこんにちは(●^o^●)
いつもゆうこりん波乱万丈アメリカ留学日記をお読みになって下さりありがとうございます。現在【特集号】と称しまして【ジャズを音楽大学で学ぶべきか】について執筆中です。今夜の投稿に間に合わなかったので、急遽別の特集号を組みました。(【ジャズを音楽大学で学ぶべきか】は明日投稿を目標としています。どうかお楽しみに(*^▽^*))
今日は私がニューヨークに住んでいた時に良く聴きに行った超有名ピアニスト5人を音源と一緒にご紹介します。今回の特集号の何が素晴らしいかと申しますと、これから紹介するマエストロ達は現在もニューヨークの第一線で活動をされていますので、実際に生で彼らの演奏を聴き、運が良ければお話も出来るという事です。コロナが落ち着いた時に、もし出張や観光でNYCを訪れる事がありましたら是非、巨匠らの演奏を聴きに行ってみて下さい。
今日は私の独断と偏見により、彼らのベストアルバムを選びたいと思います。
Benny Green (1963-)
ベニーグリーン
ベニーグリーンは私の大好きなピアニストの一人です。オスカーピーターソンのスピリットを継承し、圧倒的なテクニックとジャズの伝統に根差した偽りのないImprovisationで聴衆を魅了するのは勿論、スタンダード一曲一曲への深い理解がどの曲でも感じられます。ベニーのファンの多くはRay BrownトリオのCDが好きだと思うのですが、ここは敢えて歌伴のアルバムを選びました。と言いますのも、ベニーグリーンの歌伴も実は絶品で、このアルバムでは彼のスタンダード曲への深い理解、ボーカリストを引き立たせるサイドマンとしての見事な仕事ぶりが見受けられます。バラード、ミディアム、アップテンポ、どのテンポもタイムがしっかりしていて、聴いていて非常に心地が良いです。
Kenny Barron (1943-)
ケニーバロン
ケニーバロン氏にはニューヨークに住んでいた時にレッスン等で大変お世話になりました。それについては後日話したいと思います。ケニー氏の魅力を端的に表すと、極上のピアノタッチと最高のフィールです。厳選された超高級・有機野菜は調理しなくてもサラダにするだけで美味しいように、ケニーバロン氏の演奏内容はシンプルな事が多いのですがとにかく心地よいのです。それは素晴らしいピアノタッチとフィールからくるものだと思います。彼のピアノをレッスンで実際に聴いた時にその事を強く感じました。また私のインディアナ大学での先生Todd Coolman氏が言うように、ただ和音を押さえているだけで、素晴らしい音楽が出来上がるのです。音楽の本質を教えてくれるようなピアニストです。このCDはスタン・ゲッツの死の3カ月前にコペンハーゲンで録音された不孝の名作です。ゲッツのサックスからは魂の叫びが聞こえてきます。ケニー氏の極上のコンピングとタイム感からは、ベースとドラムが聴こえてきます。
Fred Hersch (1955-)
フレッドハーシュ
フレッドハーシュ氏は今から10数年程前に、HIVにより一時生死の境をさ迷いました。その事もあってか、それとも日本では人気がないのか?それ以来日本には来ません。私は今から15年程前に彼のソロピアノ公演のチラシを見たのを覚えています。会場がどこだったのか思い出せないのですが、2000円でした。なんで行かなかったのか悔やまれます。涙
一流のミュージシャンは一流の音楽教育者とは限らず、その逆もしかり。フレッドハーシュは音楽教育者としても演奏家としても名声を馳せた数少ないピアニストだと思います。ちなみに私は彼に習いたくて、NECに行きましたが、私が入学した年に定年となり退職されました 涙 (ちなみにNECに受験する時のエッセイに志望動機として彼の事を書いて受かったので、おそらく大学はエッセイの内容は大して読んでいないのでしょう 笑)
紹介したい彼のCDは沢山あるのですが、初めて彼を知るきっかけとなったCDを紹介します。ジャズスタンダードというNYCの老舗でのライブ録音です。初めてこのCDを聴いた時、ピアノと歌でこんなにも自由な奥深い世界へと連れていかれるのだと驚きました。それまでデュオ=人数が少ない=楽しくない、迫力に欠ける 等とネガティブなイメージを持っていましたが、このCDを聴いた後に、デュオは自由で無限の可能性があり、二人のあうんの呼吸によって魅せられる世界がある事に気が付きました。それにしてもNancy Kingの歌も素晴らしすぎます。
Monty Alexander (1944-)
モンティーアレキサンダー
モンティーは私の大好きなピアニストの一人です。彼もオスカーピーターソンに影響を受けたピアニストと言って良いでしょう。彼のピアノを一言で表すと「最高にゴキゲン」でしょうか。冒頭のピアノのイントロを聴いて分かるように、ピアノの音色がとにかく明るく、楽器が喜んでキャンキャン鳴きます。まるでスチームドラムスを聴いているようです。出身はキューバなのでやはりこういったところにも国柄が出るのかも知れません。
このライブ盤のCDは彼が若いころの演奏なので、今よりも引き倒します。(時にリズムセクションの二人に対して殺意も感じられる少しあぶない感じなのですが・・・)これでもかというくらいエンターテイメントと喜びに満ちていて、聴いていて思わず顔が綻ぶ内容となっています。どの曲を聴いても幕の内弁当のようにお腹一杯になります。
Bill Charlap (1966-)
ビルチャーラップ
ビルチャーラップはあるアルバムのライナーノートによるとピアノを始めたのが12歳と遅いのですが、運指、テクニックが素晴らしく、ピアニッシモが本当に奇麗です。William Paterson大学のジャズ科でディレクターをやって、友人からは熱心に指導をしていると聞きました。
このCDはVillage Vanguardのライブ盤なのですが、まるでスタジオ録音のような一糸乱れないトリオの揃い方です。笑 ベースのPeter Washington とドラムのKenny Washingtonと3人で何十年も演奏しているからなせる業でしょう。トリオの北朝鮮のパレードのような揃い方と緩急に富んだレパートリーを聴いていると、クラシック音楽のように何か完成された崇高な音楽を聴いているような気さえします。またバラードではここまで遅くするかという、極上の演奏を繰り広げ、聴衆も思わずにんまり、ライブ会場が盛り上がっているのが分かります。
Bill Charlapはアメリカの偉大な作曲家の作品に非常に造詣が深く、Jerome Kern や George Gershwin、Cole Porter や Irving Berlin等の作品を収録するときに歌物でもやらないようなVerseを演奏したり、また聴いた事のないC級スタンダードを演奏するなど、なんとも通なピアニストです。まだまだ彼は健在なので、いつかニューヨークでレッスンを受ける機会があったら良いなと思っています。
今日はこのくらいにしておきます(*^▽^*)
お読み下さりありがとうございました。為になったという方は
ライク、コメント、シェアなどをして頂けると嬉しいです(*^▽^*)
では明日の特集号【ジャズを音楽大学で学ぶべきか】をお楽しみに!
**写真: **Bill Charlap氏の初期の作品。ビレッジバンガードのライブで話しかけた時にこのCDが好きだと言って、彼は私の最初のCDだと言っていた。疲れていたのか、あまり感じの良い人ではなかった 笑
P.S
急遽ネタを変更・・・何とか間に合った・・・あぶないあぶない
ジャズピアニスト 二見勇気
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