若くて可愛いことこそが最強だと思ってた話。

若くて可愛い人は最強だ。

という風潮があると思うし、私自身もそう思っていた。

腰を据えて芝居をやりたくても、オーディション募集要項の年齢制限は、女性の場合大抵22歳まで。寛容なところでも27歳までがほとんど。

30歳を間近にした女である自分など眼中にないと、若さこそが価値だと、言われてるようで嫌だった(実際そう言ってるのだろうけど)。

そんな折、先日オーディションで試験官をされていた方の言葉でハッとさせられた。

「もっと未来の芝居をしたほうがいい」

主旨としては「いまの年齢で実年齢+数歳上の芝居ができれば、その年齢に実際になるまで仕事はある」って話だったんだけど、この言葉で気づいたことがあった。

若くて可愛いことこそが最強だと思ってた。若くて可愛いことこそが価値だと思ってた。

自慢ではないけれど、顔面のせいでいまだに実年齢-4歳くらいに見られるから、歳相応という言葉がわからなかった。

でもそれって無意識に自分に呪いをかけてたんだよね。素敵な歳の重ね方をしたいと思いながら「若さ」にしがみついて、わからないふりして「歳相応」という言葉から逃げて、心の何処かで歳を重ねていく自分を許せてなかったんだと気づいた。

臆、何て可哀想な今現在の私!

経験値は武器になっても、重ねてきた年齢は武器にならないと思ってた。でも、重ねてきた年齢を武器にしないといけない年齢に成ったのだと思う。心の若さは失ってはいけないけれど、心が幼いままでいいということではない。

さて、30年弱と重ねてきた月日を武器に、どうやって戦って行こうか。

戦略も戦術もないから、まずは「自分の気持ちを誤魔化さずに、自ら愛せる自分になる」ことから始めてみようと思う。ひとつずつ自分の呪いを解いて「大丈夫、いまの私もこれからの私ももっと素敵になる」って、笑顔で胸張って言えるようになるところでやっとスタートラインだと思う。

臆病な私を守っていた呪いや鎧を、少しずつ脱ぎ捨てていけたらいいな。

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