見出し画像

刑法ドーピング講座の「トリセツ」

最近、刑法ドーピング講座の受講生が増えてきたので、受講生が学習方法を間違えないよう、本講座の「トリセツ」を書くことにしたい。同時に、非常に多くの受験生からドーピング講座に関する問い合わせを頂いているので、「トリセツ」を読むことによって疑問点が解消できれば一石二鳥だと思っている。

1誰に向けた講座なのか?


こちらで書いたように、本講座は「全くの初学者」を想定して作られている。なので、この講座が最も威力を発揮するのは「刑法をこれから学習する人」ということになる。もっとも、本講座は(自称)「予備試験合格に必要な知識が全て詰まった講座」であるため、刑法を他の教材で一通り勉強した人であっても役に立つだろう。少し意外だったのは、予備試験ではなく司法試験を今年受験する方が本講座を利用し、効果を実感したとのコメントをしてくれたことである。確かに、予備試験と司法試験の刑法で求められる能力はそこまで変わらないので、司法試験も十分にこの講座で対応できるように思う。ただ、あくまでも「刑法をこれから学習する人」が効果を最大限享受することに変わりはない。

2講座を受講するにあたって


まず全受講生にお願いしたいのは、「全ページ印刷してほしい」ということだ。できればホッチキス止めまでして、本の体裁を整えていただきたい。というのは、デジタルのままだとほとんど頭に入らないからだ。手を動かしてマーカーを引っ張ったり、書き込んだりすることによって、理解が深まるし記憶も定着する。だから、必ず印刷してほしい。
「だったら最初から製本して売れよw」という声が聞こえてきそうだが、そこは大人の事情ということで勘弁していただきたい。
また、印刷してホッチキスで止めるだけの教材は大手予備校の教材と比べるととてつもなくダサいことは重々承知しているが、「ダサくて何が悪い、合格すればいいじゃないか」の精神でぜひ開き直ってほしい。
また、副教材として基本刑法を購入することも必須である。

3講座の進め方


これは、刑法の学習歴によって大きく異なるので、場合分けをして説明する。

1全くの初学者の場合
まずは基礎編(旧試34問)を最後まで駆け抜けてほしい。分からないことだらけだろうが、「分からなくても前に進む」を徹底してスピーディーに1周してほしい。答案構成も必要なく、とにかく解説をいきなり読んで構わない。テキストだけで理解することは困難だと思うので、1周目は動画講義も必ず聞くようにしてほしい。そして、分からないことがあればすぐにLINEで質問してほしい。
基礎編を1周させた後は、すぐに実践編(予備過去問)に移るのではなく、基礎編をさらに2周させて、理解を定着させてほしい。基礎編にある旧試の34問を解くだけでも、刑法の大部分の論点は習得できる。基礎編を最低3周させた後、「刑法ができるようになった気がする」という状態になってから、実践編に移行していただきたい。実践編では、できれば答案構成にも挑戦してほしい。もちろん、まだまだ実力は足りないはずなので、上手にできなくても問題ない。実践編では3年分ぐらいは本番直前用に残しておいて、他の10年分を解き進めてほしい。そのあとは、基礎編と実践編をぐるぐる回すというフェーズに移行する。旧試と予備試の過去問47問をぐるぐる回せば、「刑法で分からないことはなくなる」というモードにたどり着ける。
そして、本番直前期には、残しておいた直近3年分の過去問を時間を測って解いてみてほしい(答案も書く)。ここまでこなせた人は、合格答案を書くのは朝飯前だと思う。

2学習経験がある方
刑法の知識がある方は、基礎編の段階から答案構成することをおすすめする。動画講義は見る必要はないが、解けなかった問題や理解が怪しい論点についてはちゃんと講義を見ることを推奨する。また、予備試験の過去問については、時間を測って書くのを実践してほしい。刑法は「時間配分ゲー
の要素がそれなりに強いからである。

4まとめテキストとは

「刑法超簡略テキスト」とか「刑法重要論点まとめテキスト」とか様々な呼び方をすることがあるが、指しているものは同じである。要は、刑法の典型論点をA41枚にまとめたレジュメである。動画講義の際は、主にこれを利用して解説している。このテキストは55ページに及び、刑法の主要論点はほぼカバーできている。性質としては「レジュメ」なので、論証集とも基礎講座とも微妙に異なる。規範を載せるとか基礎を解説するというよりは、「各論点の処理方法を提供する」ことを目的に作られた教材である。

個人的には、めちゃくちゃ有益だと思っているのだが、このテキストについてはなぜか受講生から「役に立った」という声を聞かない。うまく活用できていない可能性があるし、このテキスト自体が需要を見誤った可能性もある。とにかく、実態解明と改善は今後の課題としたい。

5動画講義について

動画講義は、この講座の目玉の一つである。とはいっても、まだ完成しておらず、47問中30問しか配信できていない。3月中に全部完成させることを目標にしていたが、4月にずれ込んでしまった。これはひとえに私の怠惰と能力不足によるものであり、非常に申し訳なく思っている。
動画講義は全くの初学者向けに作成しているので、学習経験者からしたら「かったるい」と思われるかもしれない。しかし、実は、応用的な論点や関連論点についてもところどころ解説しているので、学習経験者にとっても意外と有益なのではないかと思う。
ただし、講義スタイルが完全に確立しておらず、喋りがつたないので、改善の余地はまだまだあると感じている。序盤にくらべたら後半の方が内容がいいと個人的には感じている。もしかしたら、動画講義が全部完成したあと、クオリティの低い講義を差し替えるかもしれない。

6LINEサポートについて

これも本講座の目玉の1つである。しかし、実は思ったより質問が届いていない。質問があまり来ない理由として、①そもそも勉強をサボってる説②解説と講義が完璧すぎて質問することがない説③質問するのが恥ずかしい説、などいろいろな理由が考えられるが、もし③であればすぐに意識を変えてほしい。作成者に質問することにより答えを得られるのは本講座ならではの強みであるし、基本書で調べる時間を大幅に節約できるので、是非活用してほしい。少なくとも、私は質問が来るのを嫌がることはないし、むしろ受講生から質問が来ると嬉しくなるので、躊躇せずにバンバン質問してほしい。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、である。

以上、本講座に関するトリセツを書いた。主な想定される質問に対応するものであるが、今後さらに質問が増えるかもしれないので、そのときにはまた内容を更新したい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?