理不尽

世の中、恐らくどんな感染症よりも理不尽というものの方が蔓延っているんじゃないかと思えてならない。
大概の理不尽は、こちら側が何かしらのアンサーをする前に通り過ぎ、こちら側に残るのはモヤモヤとした釈然としない気持ちだ。

今日お話するのは、この記事が公開されるちょうど一週間前、いや厳密にはもっと前から、私に訪れた理不尽の話だ。







⚠️精神疾患の特性に理解を得られなかった故のパワーハラスメント、モラルハラスメントに関わる描写がございます。⚠️










前の職場で、私に対してメンタルを無慈悲に抉ってくるようなことを言って、常に不機嫌な態度で相対してくる人がいた。

時には人気のないところに呼び出されて、私がメンタルが不安定で体調が悪いことや、仕事の出来が悪いことを激しく追及された。具体的に何を言われたかを記録もしてあるが、そのまま書くとフラッシュバックしてしまうためざっくり言うと、仕事を休むことで周りに迷惑をかけている自覚はあるのか、治療はどうなってるんだ、と責められ、仕事に対する心構えも不十分だと言われた。

これに関しては大前提、そもそもメンタルを病んだ原因は仕事だった。診断名は適応障害。部署移動の後に業務過多で心身共に限界を迎え、5ヶ月休職の後復帰したが、業務面の改善は何もなかった。つまり全て私が悪いことになり、元の業務量がほぼそのまま戻ってきたような形であった。しっかり診断もついて真剣に治療に取り組み、薬も規定量通り飲み、休日は必要以上に遊び歩くわけでもなく療養していた。上席には定期的に通院や症状の報告もしていたし、やむなく休んだり早退する際には同じ部署の人に頭を下げて回っていたので、決して不義理はなかったと認識している。激しい劣等感や申し訳なさで逆に体調が悪化したことさえあった。それ故に、強い理不尽を感じ、本当に苦しかった。実際薬の副作用で仕事への集中力も生活力もかなり削がれている状態で、どうすれば状況を打破できるのか暗中模索のような状況であった。

その後も、普通に質問があって聞く時の対応が極端に不機嫌だったり、言葉の節々に棘を感じるなど、隣の席にいるだけで心がすり減り続けていた。
今思えば、本当に早急に転職でもしていれば良かったと思う。

しかし、後にその人自身も、恐らくメンタルを理由に体調を崩し、休むとまでいかなくても十分な仕事ができなくなる事象を生じさせるようになり、周りに迷惑をかけるようになった。その人のミスのフォローアップを私がしたことさえあった。(当の本人は知る由もないが)
そんな中で、これは完全にブーメランのそれではないか、と心の底で思うようになった。その人自身から、私以外の人に対しても、直接頭を下げられることさえなかった上、その事象が繁忙期に毎年発生していたからだ。私には自覚を、ということを再三講釈を垂れていたのに、自分ができていないのではないかと。


その件からかれこれ数年、私は前の職場を辞めてもう10ヶ月ほどになる。辞め方は良くなかった。私のメンタルが限界になり、退職代行を使ったからだ。反省はしているが、後悔はない。入社して6年目、部署移動して3年目。考えてみれば適応障害にはこの間二度なっており、うち一度は今回の件の人とは別の上司との相性の悪さで入社3ヶ月で適応障害を起こしていたという経緯も考えれば、十分耐えたと言っていいだろう。医師からも案の定と言われたが、職場を変えたことでメンタルが恐ろしいほど快方へ向かっていき、転職先では半年足らずだが昇進してしまうことになった。やはり世の中適材適所というわけだ。





さて、前置きが長く申し訳ないが、ここからが今回の本題。ついここ一週間前。
相互ですらない上、どちらか片方がフォロー、フォロワーというわけでもなかったが、その人がXのアカウントを持ってるのはうっすら知っていた。仕事をやめてからもおすすめユーザーのところに出てくるので、時折見に来られているのだろうくらいには思っていたのだが、最近現れてこないので不思議に思ったら、知らない間にブロックされていたわけだ。

これ自体は普通に笑い話で終わらせればいい話なのだが、何故かモヤモヤが落ち着かない。

気持ちの落とし所がわからないのが本当に悔しいのだが、何故モヤモヤしているのかを紐解く手がかりは、その人が私の大学の時のサークルの先輩だったからだろう。

同じサークル関連で共通のフォロー、フォロワーがいて、そこから私の趣味趣向を考えれば彼が私のアカウントを特定するのは容易だ。つまり、そこから彼は私のアカウントをフォロー外から見に来ていた可能性が高いからこそ、おすすめユーザーに載ってきていたといえる。私もかつて、おすすめユーザーに彼のアカウントが出てきた時に一瞬でわかった。ほぼ彼の本名だったからだ。そして、今回のブロック。
これらの状況証拠から導き出される真実は、大変薄気味悪いものである。わざわざ彼は、フォロー外から私のアカウントを監視しに来ていた、ということなのだから。
私をブロックさえしなければ、この事実が明るみになることはなかった。彼は墓穴を掘ってしまったわけだ。

思えば、彼はサークル時代からあまりいい話を聞く人ではなかった。彼が社会人劇団に入ってからも彼から傷つけられたと言う人の話を聞いていた。それでも、決して悪い人ではないと思っていた。いや、そう思いたかったという方が正しいか。当時お世話になった思い出が、次から次へと血塗られていくような気持ちだ。


こうして、その人が私につけた傷跡が再び疼くこととなった。
彼はかつて、「君が今仕事ができていないのは病気のせいではなく、君自身の問題だ」と私を問い詰めたけれど、今ならこう言い返せるだろう。


「仕事がまともにできなくなるくらい病気を悪化させたのは、紛れもない貴様と環境だ」



傷つけられた側は、振り回された側は、溜息でも吐き出しきれない理不尽な気持ちに苛まれるのが世の常といったところか。


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