吾輩と言えば猫か閣下か

吾輩は主婦である、について少し書かせて貰う。
14年前のドラマだ、昼ドラだ。
昼ドラ初出演(その後出てるのかな?)の斉藤由貴・及川光博・竹下景子でちょっと話題になった。
主題歌を斉藤由貴&ミッチーで歌ったのもちょっと話題になった。
放送後に総集編をゴールデンタイムに放送するって話を聞いたけどうやむやになって10余年。
クドカンドラマで一番好きなのはこれだ、他実はろくに見てないけど、実は。
定額給付金で一気にDVDボックス買うほど令和2年の今このドラマについて考えているのは自分だけかもしれない。
でもそれならそれで何を構うことがあるのだろう、嵌った時が旬なのだ、いつだって。こうして自分の中に今渦巻いている萌を発散させていただく。
7年越しで半沢直樹の続編を放映する今日この頃だ、14年越しの総集編や続編もありではないか。
ここは一気に日曜劇場とか、無理か、半沢直樹~ザ・ミュージカル~in帝劇のがまだありえるか。
古美門VSカマキリ先生の局を超えた決闘を麒麟がくるまでお待ちくださいでスペシャルで流すほうがまだあり得…ねえよ。

昼ドラで、丁度お札の肖像画が変わるという頃、夏目漱石が22年目でいなくなるころ。そう言うタイミングでのドラマである。
あらすじとしては、レコード会社に勤める夫に専業主婦の妻、中学生の娘と小学生の息子。
そんな幸福な4人家庭に、夫が仕事を辞めたことで起こる悲喜劇(時々ミュージカルあとFTと言っていいのか?)。

何と言うか、なんで自分はこれを本放送時に見ていたのに、溢れ出していて川になってる萌えに気付かなかったのか。
当時を思い返すと当時の自分は乙女ゲーに夢中で三次元に一切興味が無かったからなのだが。
しかも乙女ゲーの攻略対象同士の絡みに夢中。
これは業が深い、今も違う意味で業が深いが。
なので実写のドラマや映画やなんやには、見てもそこまで萌えを抱けなかったのだ。じゃあアニメはと言うと不思議なことに全く見ていなかったが。
じゃあ何故今は萌えまくっているのかと言えば、2006年から2020年の間にバンギャになって、三次元のアラフィフミュージシャン偏愛になったせいだ。20~30代(当時)イケメンって只の美青年でキラキラじゃない!みたいな感覚で見えるようになってきた。可愛い、うんみんな可愛い。
大体50代美少女とか思ってるからなマジで、ああアラフィフアラカン、いやそれ以上もおしなべてかわいい、須らく讃えよ、可愛いが過ぎる。もう5か月以上ライブに行ってないので時々こうしてリビドーが駄々漏れる。

だからこの作品に関しては純粋に面白がっていた。
秀逸なコメディだ、クドカン特有のセンスもいい方向に向いている。
夫たかしが不憫キャラだが、彼がうっかりあっさり仕事を辞めたことで全てが始まったので仕方ないと思える。
基本的に登場人物は全員どっかいっちゃってるのだが、勿論唯一の突っ込み役の彼も夢見がちでなのになまじ地道に地に足着いちゃってるもんだから、他に振り回されるようになっている。
あと不憫なミッチーはなかなかにエロ可愛い。
今見るとこのミッチーやたらにエロくて、そりゃ昼ドラだよなあと納得なのである。
郵便局員の制服やら父と息子の入浴シーンやらベランダでの喫煙やら、奥様へのサービスシーンも充実だ。ハラリもある。
赤いパジャマを着ているせいで、妻の体の中で目覚めた夏目漱石(37)に赤パジャマと呼ばれているのもいい。
後に実際に「坊ちゃん」の赤シャツを演じたのはこれが一因だろう、多分。
あ、夫が仕事を止めて生活に困窮するという不安による千円札、夏目漱石への複雑化した感情により妻が夏目漱石になっちゃうというのがこのドラマの肝なのだが、まあそれは見れば分かる。
勿論漱石となった妻もいい、斉藤由貴は名女優じゃないか、コゼット実際に見た友人はいいこと言ってなかったけど。
コゼット。
そう、このドラマの重要なポイントは、レミゼラブルだ。
夫たかしと妻みどりは学生時代ミュージカル研究会に所属していて、其処で恋に落ち学生結婚したという過去がある。
2006年の15年前だから、1991年前後の筈だが、回想シーンに出てきた若いたかしの長髪がなんかこう絶妙な謎時代感があった。肩下の長さのストレートで、ちょっとニューミュージック入ってる。
オーコメによれば「金八」とか当時ファンに言われたとか…うん、確かに。
「バンコラン」みたい!とオーコメでは言われていて、演者に漂う魔夜峰央みも納得してしまうのだが。
若いみどりは髪を小さく二つ結びにしていて、まあこれは突っ込みどころはない、可愛い。
その二人の先輩ゆきおが経営する喫茶店の名前が「ジャンバルジャン」で、ミュージカル研究会の写真が貼ってあったり、当時演じた舞台の音楽が突然かけられるように用意されているのだ。
お金があったらすぐ人に配っちゃう気高い貴婦人モンナシーヌ、酷い歌詞だけど耳に残る。
なおこの店のこのミュージカル音楽は後に非常に重要になる。
書き忘れていたが、マスターゆきおを演じるのは川平慈英だ、顔がうるさいと言われている。
しかしみどりが「レミゼラブルのオーディション、三次まで行ったんだから!」と言った時には、流石にクドカンそいつはやりすぎだろう!とリアタイで叫んだわ。
って、話が逸れ過ぎた。

それでまあ、みどりが喫茶店でパートしたり、小説を書いて雑誌に応募してデビューしたり、マンションを売ろうとしてやってきたのが若き芥川賞作家で若き日のクドカンだった頃の高橋一生演じる夜しずかだったり、夜しずかとみどりの担当編集者小松が無駄に仲が良くて一緒に居たりと、まあ一番伝えたいことは最後のことなんですが、いま手元にそのふたりが出て来る巻が無かったりするのでまた見直してからで。
本当に仲いいんですよ、役者さん同士も撮影中とても仲良しだったそうで、なんかこう、いいよね、男の子って、って感じで。
今更ながら昔の雑誌とか探せって感じ?ちょっとオク覗いてくる。

とにかくいいドラマなんですよ、吾輩は主婦である。
今ならAmazonのプライムビデオにもある。
見る度に色んな感想が生まれて来て、本当に好きだ。
もしも新しい何かに出会えたら、きっと幸せになれる。

あとひとつだけ。
斉藤由貴と及川光博の二人が「やな家」としてユニットを組んだ主題歌「家庭内デート」だが、PVが結構すごい。
とくに「なんだよう」の前後は凄い、何の因果だこれって感じすらある。


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