【声劇フリー台本】渦巻くように

陰鬱系一人用台本です。
ご利用の際は利用規則をご一読下さい。


【利用規則】


◆この台本の著作権は全て影都千虎に帰属しています。

 商用・非商用問わずご利用いただけます。
 ご自由にお使いください。


 利用時のご連絡は任意ですが、ご連絡をいただけますと大変励みになりますし、喜んで影都千虎が拝聴致します。

 音声作品には以下を明記するようお願いいたします。
・作者名:影都千虎
・当台本のURLまたは影都千虎のTwitter ID
(@yukitora01)

 配信でのご利用も可能です。
 配信で利用される際には、上記二点は口頭で問題ございません。

 また、配信で利用される場合、台本を画面上に映していただいて構いません。

 台本のアレンジは自由ですが、台本の意味合いが大きく変わるような改変(大幅にカットするなど)は不可とします。
 便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。

◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。


【台本】


 何をしていたんだっけ。
 何を話していたんだっけ。
 何をしたかったんだっけ。

 どうしてこんなことをしているのか。
 どうしてここにいるのか。
 どうしたらいいのか。


 なにもかもがわからない。
 わからない。
 わからないんだ。


 なぁ、教えてくれよ。
 僕は何を話している?
 君の目に僕はどう映ってる?


 疲れている。そう思った。
 そう思っていたはずだけど、今ではもう疲れているのかもわからない。
 思考は鈍く、上手く回らない。
 いつもは言葉で溢れている脳内も、今は空っぽだ。

 感情の起伏も特にない。
 気づけば座ったまま壁を眺めている。


 わからない。
 なにもわからない。
 多分そう。
 そんな感じがするというだけで、本当に自分がそうなのかもわからない。


 重力に従って寝転がる。
 目を閉じると、自分のからだがぐるぐると回る感覚が襲い来る。
 寝ているはずなのに、床も天井も分からなくなるくらい自分のからだが駒のように回る。
 どっちが上でどっちが下だったのか。
 それすらも分からなくて次第に吐き気が込み上げる。


 いつからこうなのかは忘れた。
 何がきっかけだったのかも忘れた。


 忘れた?
 それとも分からない?

……どちらでもいいか。


 どうせこんなことを問いかけたところで誰が答えるわけでもない。
 仮に誰かが答えたとて、この問いに答えがあったとて、何かがどう変わるわけでもない。
 大したことではない。
 所詮はいつものことだ。


 いつもいつも同じことを繰り返している気がする。
 いつもいつも同じことを言っている気がする。
 どうしてこうなってしまうんだろう。


 どうして。


 ただひたすらに重い頭が、身体が、思考を道連れに沈んでいく。
 空っぽだった頭に、次第にぐちゃぐちゃと言葉が滲み出てくる。
 ああ、まただ。またなのか。


 居ても居なくても同じ。
 あっても無くても同じ。
 やってもやらなくても同じ。
 どれもこれも意味はない。

 渦のように回る感覚と共に、そんな思考が滲み出る。
 またどうしようもないことを言っている。
 どうせそうじゃないと否定をされて、構ってもらいたいだけなのだろう。
 吐き気がする。

 何もかもが分からないのなら、分からないなりに黙っていれば良いのに。

 あーあ。

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