好きゆえのくるしみが あるのだとしたら このせつなさは もう仕方がない
言葉に出来ない寂しさ 消すことは出来ないよ でも優しく包むような そんな君の笑顔だから
彼も彼女も それから他にも 僕のまわりには たくさんの人がいる 他愛のない会話や 何気ない遊びを繰り返しながら 互いの共通点を探すことに 必死になっている 時には、 重要だと思う事柄を 解り合える気になって 一生懸命伝えようとするけれど あとになって残るのは苦味だけで やっぱり期待をしちゃいけない、って 僕はまた体勢を立て直すんだ まわりから見れば 恵まれているように感じるかもしれないけれど やっぱり僕はひとりだ 心、という面においては
都合よく思い出して 必要な時だけ浸る ずるい人は 悲しむのも楽しむのも上手 あまり苦しまずに 何かを忘れていくのも
誰かが出したあるひとつの結論をもとに 『自分の結論』を構築していくのは 随分と奇麗で楽な作業でしょう その末に得るのはぬるい充足感かしら それとも青臭い優越感かしら
誰かれ構わず話したら そのまま言葉にしたら 笑われてしまうかもしれない あなたがそう感じるものにこそ 私は耳を傾けたいと思う
甘く透き通った 痛みの中に 淡く揺れる あなたをみた 私は空を仰ぐだけ 四月の陽射しを 春と名付けて
幼稚園に通っていた頃の私の夢はケーキ屋さんになることだった ケーキ屋さんになれば大好きなケーキを毎日食べられると幼心に思っていたのかもしれない ケーキ屋さんにならなくてもお金で買えば大好きなケーキを毎日食べられるのだと知った私は ケーキ屋さんになりたいという夢を捨てた 幼稚園に通っていた頃 私がケーキ屋さんになりたかったのは ケーキ屋さんになれば 大好きなケーキを毎日食べられる と 思っていたからだった 本当にそうだった? あの頃の私はただケーキが好きだった だからケーキ
もういらない、と手放したものが 突然惜しくなるのは何故だろう 自分の中で輝きを失ったものが 誰かにとって価値あるものであれば それはどうして光を取り戻し 魅力あるものとして この目にまた映るのだろう 誰かの一言で すぐに変わってしまう価値観なんて 後悔するためだけにあるようなものだ 純粋からは遠い想いで あの日の匂いを懐かしむ
君は気付く 自分の発したその言葉によって 足元から崩れていく
満たされない理由を『ひとり』のせいにしていた そうすれば 『愛しい人にめぐり逢えたら、こんな生活も終わる』から
明かりの点かない外灯の下 冬の風に耐えてきた木の葉が 心細く 今にも落ちそうに 揺れている あの人がしてくれたようにそっと この肩を抱く 指を伝う自分の温もりだけが 確かなもののように思えた 吐く息は白く 頬に落ちる雨が 氷のように冷たい そんな季節を過ぎて 枯れ葉舞い散る先には 瑞々しい春の浅緑
部屋中に響く雨音に そっと意識を傾けながら 私は自分の心をみる 夕方の雨は切なくて 想いを馳せるのにはちょうどいい 夜の雨は冷たくて いつも熱を奪われる 朝方の雨は灰色で わずかに希望が入り混じってて 時々は穏やかで優しいから 泣きたくなったりする もしかしたら、 すべては心境しだいなのかもしれなくて だからこの雨も誰かにとっては "しあわせ"だったりするのだろうね ある時は私にとっても そうであればと願うけれど 私は 切なく何かをみるのが癖だから 降り続ける
生きることが最良の選択だと 何故、 そう言い切れるのだろう その言葉に希望を託して 自分をなだめることが しあわせのひとつなのですか
ある種の覚悟のようなものをしたあとの穏やかな気持ち
たくさんの人が たくさんの人と出会う 私とすれ違う