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どうでもいい話(2024年 1月~2月)


シーン・ビジネス(32)

そう、あれは梅の蕾が綻ぶ季節だった。
いつもの喫茶店ミーティングからX店長が戻ってすぐ。

「部長が呼んでるよ」

「ぅえ~い…」

入れ替わりに呼び出された私は、首から提げたネームとメジャーを外してクルクルっと巻ながら、ゆっくり歩いて喫茶店へと向かった。

そろそろ副店も一年かぁ…

別に上昇志向など微塵も持ち合わせておらんのだが、いい加減 店長職と同じ事をしてるんだから、年時給くらい増やして欲しい。

「あ。○○さん、こっちこっち」

ぅあ…

部長の胡散臭い目の底が笑ってない営業スマイルも見慣れたものだが、あの日は胡散臭さに後光が差していた。

私は知っている。
部長が こういう顔をしている時──絶対ロクな話はされない、と。

「好きなの頼んで。大っきいやつにして持って帰っても良いよ」

いつもは そんな事、言わないじゃんキモチワル…

「ぅあ~い」

部長が差し出したスイカを受け取り、購入カウンターに行く。
まぁ折角なんで、Lサイズの持ち帰り用カップにしてもらった。

「でねでね、今日は○○さんに話を持ってきたんだ」

来た──

話したくて話したくてウズウズしている感の部長は、私が椅子を引くや否や間髪入れずに切り出した。

「タバコ吸いながらで良いから、聞いて」

「…じゃあ」

ジャケットの胸ポケットからソフトパックとライターを出した私がタバコに火を点けると、部長も一本咥えて吸い始める。

「実はさ、今度また新しく出店が決まってさぁ。K駅の駅ビル、知ってる?」

「K駅は知らないっスね。ヘルプなら行きますよ」

「期間限定出店なんだけど、○○さんに どうかな~って思って」

えー… ヤダ。

とは流石に言えないし、話は最後まで聞こうかな。

「期間限定て…SP店みたいな感じスか?」

予想外に盛況しちゃったSP店の噂は耳に新しい。私も何度かヘルプに行った。

「そうそう、SP店みたいな感じ。まぁ、あそこまでは売れないとは思うけど」

「あっこ確か、最初『半年契約』て話でしたよね…」

低い坪数に売上が馬鹿伸び、半年契約でなんて済まなくて延期に延期、ついには本出店まで果たした凄店。

「うん、今回も半年」

「あー…」

通例通りなら新店立ち上げ半年後には、また異動…

I店C店も長いから、そろそろ動きたくはあったけど、正直 半年で異動確定なのは体力的にキツイ。

仲良くなったMさんに知り合いちゃんとも別れは惜しいし…

「それって、断れるんスか?」

「ダメ。部長命令」

デスヨネー。

多分、もの凄い反発をすれば不可能でないんだろうけど、問題起こすのも面倒臭い。

「期間限定だと どっかと兼務スか?それとも専任?」

「一応、専任」

兼務で無いなら、まぁ… 悪い話では無いのかな。

体調面でも不安が かさんできていたし、これ以上 傾くなら、半年後に退職するキッカケにもなるか。

なんて この時 私は、もの凄~く、軽く考えていた。

「でね、今度 新しいエリアマネージャーが来るから。僕以外の営業担当と組むの初めてでしょ。絶対、良い経験になるから」

いや今更、人脈増やしたくないんやけど…

「部長はエリア外れるんスか?」

「僕はね、東日本本部長になる」

「マジスか!栄転じゃないスか!おめでとうございます✨」

そりゃ心の底から「おめでとう」を伝えたよ。
だって列島半分分の店舗だよ?

どう見繕っても、私との接点 激減するじゃん。
喜ぶよ。内心バンザイだよ。

「引継ぎまで今持ってるエリアも並行して見るから、オープン前準備くらいは一緒かな」

「新しい営業さんて、誰が来るんですか?」

「北エリアのTさん、知ってる?」

んんー… エリア違うと全然分かんないなぁ…

「ほら、K店のオープニング店長やってた人」

全国一位のK店、C店と同時期の出店で、かたや100坪 かたや5坪、知らない筈は無い。

「──あ!私、お会いした時ありますよ、Tさん!」

「え!? ウソ!! いつ!?」

あれは私がまだT店に勤務していた頃、おじさま営業M氏に連れられて、挨拶回りに来られたんだ。

「はじめまして~」

店頭で軽く挨拶だけしようと声を掛けたら、Tさんはスッと右手を差し出してきた。

「はじめまして」

握手かな。

滅多に挨拶で握手する事なんてないけど、私も握り返そうと右手を差し出し、ハッとした。

──うわ握り、だと!!?

正式名称は分からんのだが。
普通の握手って掌を横に向けて握るじゃん、Tさんの掌は下を向いて 少し くの字に折られていた。

中世おフランスの貴婦人みたいな感じ。

わわわわ、わわわわ(汗)!!?

もうね、どう握り返して良いか分かんない。

うわわ… ええと、ええと… ぇええ???

この手の向きでは 下から上に握り返すほか無い、て気付くまでに めっちゃ頭使ったよ(遠い目)

私が下からTさんの掌に合わせると、もの凄~い ソフトに握り返された。

なんて言うか、ひざまずいてプリンセスの手を取る騎士(ナイト)になった気分だったよ。

だから、凄ぇ覚えてる。

「ぅわ~、楽しみです♪」

しかも売上最上位店舗の元店長だよ。
ためになる話に面白い話が腐るほど聞けそうじゃん。
楽しそうじゃん。

こうして2店舗目の新店オープンを任された、私。

そう、あれは、梅の蕾の綻ぶ季節。
2月上旬、2011年の事だった──

私が抜けるI店C店、新店オープニングスタッフの募集は合同で掛かり、C店には新しいスタッフが入ったが、P店スタッフは決めあぐねていた。

それと言うのも、新店の話を貰ってから約ひと月、一切情報が降りて来ない。

新営業が正式に着任するのが3月、新店オープンが4月の頭。

時期良く面接予約は入れ食い状態。
だが、募集で面接に来る子達は即日勤務可能のフリーターばかり。

つまり、2ヶ月後のオープンまで待てない子ばかりで、他の店舗紹介ばかりしていた気がする。

結局オープン前準備だとかで連れ出される事も全然無いんだけど…

まぁ、新営業が来てから話が回り始めるのかな。3月からでも準備期間は一ヶ月有る訳だし。

なんて私は自分に言い聞かせ、私が抜けた後のI店C店雑務の伝達に追われていた。

そして──2011年3月11日。

東日本大震災が発生した。

あの日の話は以前『夢のマイホーム⑤』で語っているので、割愛する。

混乱に混乱を極めた日本中。
もれなく東日本を任された本部長も、新店オープンどころでは無くて。

新営業は初めての店舗回りで震災と ぶち当たっちゃってて。

私も私で、震災後の電力不足で東京以外に敷かれた計画停電に翻弄されまくっていて

何が困ったかって、シフトだ。

C店は主要駅近隣の為 計画停電対象区域からは外れていたが、I店はギリ対象区域内。
計画停電は日毎に時間も違えば、一日2回予定されてる時も有り。

電気が無ければショップの営業は不可能。

だけど、デベロッパーが下した判断は「電気の有る時間は営業する」…

困るだろ。

せめて毎日同じ時間ならば、シフト調整は し易かったかもしれない。
区域差で住民から文句言われないようにするには、然るべき対処であったとは思うけど…

常勤スタッフの一人は2時間近く掛けて通ってきているし、電車って発電所持ってるって誰かから聞いたけど、確か計画停電中は運行不能だったと思うんだよね(未確認)。

日中に計画停電が予定されていると、オープン→レジ締め→停電→オープン→レジ締め、みたいに一日二回営業しないといけなくて。

夜間の停電も予定されているから、スタッフが帰宅出来なくならないように、シフトは徒歩圏内の私が最終レジ締め出来るようにして。

館から頂戴した計画停電予定に合わせてシフトを組み直し。

X店長も遠路だから、全部C店に入ってもらって。

そうだ、震災直後は予告がギリ過ぎて「停電する」て決まってからが速かったような。
最初の一週間は完全に近路のスタッフと私だけのシフトにしたな。

計画停電の予定表が出るようになってからは、一週間分くらい纏めてもらえたっけかな?このへん、ちょっとあやふやだな。

こうやって、どうにか停電対策を立てながら、一日2~5時間営業する為にシフトを調整しまくった訳だ。

それでいてな…

そろそろ停電~、ていう時間近くになるとな、突然「予定していた計画停電は中止です」なんて報道が流れてな。

──なぬッ!??

なんてな、不意打ちを喰らいまくる訳ですよ(遠い目)

電力不足に躍起になって消灯運動や、高カロリーな蛍光灯・レフ球・ハロゲンから 低カロリーのLEDライトへの切り替えを急ピッチで行った企業努力の たまものなんだけれども。

いやあ、でも流石にねぇ。
時短営業のつもりが、突然 通しになっちゃう訳でね。

そういう時に限って一人シフトだったりしちゃうんだよね。
ほら、午前2時間・3時間休憩・午後3時間…みたいなシフトだからさ。

でさ、計画停電このまま無くなんのかな~、なんて気を緩ませてると、自分が休みの日に限って予定通り停電したりして。

ていうか、そんな時に買い物しようとする人、居ないからね。
コンビニと薬局と生鮮食品売り場が開いてれば、アパレルは要らない要らない。

困ったよ。
かなり翻弄されたよ、計画停電。

計画は計画通りに行ってくれるのが、一番助か…ごにょごにょ。

あ、前にも書いたっけ?
一度だけ夜、計画停電中に原付で道路を回遊しに行った。

マジで信号も全部消えてんのな。

大きな交差点では警官さんが走路切り替えの誘導に立ってたりして。
電灯の無い真っ暗闇の道路を走るのは、ちょっと楽しかった。

そんなこんなで混乱の最中、新店について情報が一切無く、気付けば3週間経過した。

──もうオープンまで一週間しか有りませんけど!?

この混乱でスタッフ募集も掛からない。
内装工事も終わってんだか いないんだか。

流石に、現場には混乱が残っているけど、私も私でシフトの組みようも無い。

──聞くしか。

この話を進めるに元日から世の中大変な事になっちゃって、何だか私事な小っせぇ事をグチグチグチグチ語るのは気が引けるんで悩んでたんやが…
あんまりにも中途半端なんで、とりあえず語りきってしまおうと思う。

13年前の当時。
皆が皆、日々を生き抜く努力を重ねている最中。
被害が大きく営業の目処すら立たない近隣店舗だって在る。

什器のガラス天板が粉砕したり、トルソーが軒並み落下して おしゃか になったり、私は話を聞いただけだけど、凄惨な状態が まざまざと脳裏に浮かぶ。

「新店て、どうなってるんですか?」だなんて呑気な質問、物凄くしずらい空気…

待てども待てども情報は降りて来ない。だけど突然「明日開店だよ」とか言われても困っちゃう。
流石に私は新営業Tさんに電話をした。

『あー、ごめんごめん、連絡すんの忘れてた(汗)』

忘れられていたらしい。

『新店オープン、延期になったから。また決まったら連絡するね!』

「あ、あっ、ちょ、待っ…」

プツッ…ツー…ツー…

それだけで電話は切られてしまった。

うああぁ、やっちまった!
まだ聞きたいことあったのに(泣)!!!

新営業に代わって間も無く、接点の無いまま扱い方を分かってなかった。

そう、Tさんは結構な せっかちさん だったのである。

失敗した…この人、何か尋ねる時は初めに「○個お話が有ります」て、言っとかないと話終わらされちゃう人だ…(涙)

私が聞きたかった事、それは──

オープンが延期になったのなら、私は どこに居ればいいの???

てこと。

社員である以上、月間最低労働時間は務めねばならない。
だけど、私の代わりにフルタイムの新人が入ったから、人員的に一人余っちゃう。
私の有給は ほぼほぼ残っているけど、使っていいのか分からない。

そう。
居所が無くなっちゃったんだよね(遠い目)

多分だけど、本社と話すればどうにかなったんだろうけど。
副店長っていう立場上、人事に関する連絡は店長を挟んでから、営業(エリアマネージャー)の耳に入れなければならない気がする。

別件だとガンガン店長すっぽかして部長やら本社やらに直談判してて、今更 何言ってんだ、と思うかもしらんけど。

いざ自分の事となるとね、なんて言うか…気が引けるって言うか、筋は通すべきだろうって、なっちゃうんだよね。

困った。猛烈に困った。

とりあえずシフトは表向き「計画停電対応の為」て事で、私がメインでI店に入る事になったから、みんな働ける時間が減っちゃって何だか申し訳なかった。

あー… このまま新店、流れちゃうのかな… 私、行くとこ あるのかな…

何て、不安な日々を過ごしていた、震災から ひと月程した、ある日。

営業とミーティングから戻って来た店長が何かニコニコしてた。

「○○さん、良かったね!」

「何がっスか?」

「P店オープン日、決まったんでしょ?」

──はい!?!??

「いや、私 聞いてませんけど!? Tさんは!?」

「○店に行くって」

何と新営業Tさんは既に、当事者には話もせず車で移動してしまっていた。

いや、確かにね。
人事の話だから先に上長である店長に話すべきとは思うけどもだね。

オープン日だとか、搬入が何日だとか、館への挨拶だとか、スタッフ急募だとか…

私が、把握しなきゃじゃん。

店長に尋ねても分かるのはオープン日のみ。

車で移動中か…(涙)

運転していると分かっている上司に電話するのって、神経使うよね。

Tさんの社用携帯に連絡しても繋がらない可能性の方が高い。というか、出られちゃっても困る。

私は先回りしてTさんが向かった店舗に電話をして、Tさんが到着次第I店に連絡をくれるよう伝言を依頼した。

いつもだったら「そっちの打ち合わせが終わってからで良いから」て言うんだけどね。

だってさ、2週間切ってたんだよ、新店オープンまで。
急ぐでしょ、スタッフだって決まってないのに。

I店C店の翌月シフトも組んじゃったし、この状況下でもヘルプ貰えるのかだとか、募集は生きているかだとか、何度も言うけども。

あっちも こっちも そっちも、聞きたいことが山積みなんだよ(遠い目)

(33)に続く──

シーン・ビジネス(33)

今を逃せば語るチャンスは無くなるであろう話題と言えば、福袋であろう。
旬を若干過ぎた感は否めないが、まぁまぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。

何か以前もちょろっと書いている気がするが…『一家全員、アレ』にだったかな(?)

福袋ネタでまとめてしまうので、時系列入れ子でスマソ。

福袋準備は倉庫が正月休みに入る一週間前くらい、冬季クリアランス初回と同時期に始まる。

福袋の中身用の型落ち品と、外装バック・福袋札に値札がバラバラの状態で届くので、店舗でセットアップする必要がある。

サイズはザックリSML表示の4~5展開。

価格帯の様々な商品が混ざっているので、元値合計が基準値になるように分配していく。

この間 大量のパッキンを前に、店員は頭突合せ床にしゃがみっぱなしである。

「うわ。コレ、ヤバい」
「うわ、ヤバいヤバい」

なんて商品あらば、自分達のセンスで良いデザインの商品と抱き合わせたりして、結構楽しい。
余裕があらばコーディネートで入れちゃう。

T店は福袋の用意数がエリアで1番。
めっちゃ売れるんだ。
毎年毎年「足りない足りない」言って、年々用意数は増えていった。

外装バックに詰め込んだ福袋ってのは かさばるもんで、人が2人は入れそうなデッカイダンボールが3つ、バックヤードの棚も福袋がギッチリ。

バイト時代 私は遅専であったから、大晦日の夜23時過ぎ、店頭什器の商品を全撤去し、福袋の詰まったデッカイダンボールを早番が準備し易いようにサイズ別に並べておく係であった。

「開店と同時に、みなさん走ってくるのよ!」

なんか凄そうな話だけを聞いていた。

元日、早番は2~3人体制。
私の出勤時間は13時頃。

用意された100以上の福袋は、私が出勤する時間には残り1個2個。

「ぁあ~、もう!○○さんが出勤する前に完売出来ると思ってたのに~!」

毎年T店長は悔しがっていたけど、十分凄い。

初めてT店の福袋販売に参加出来たのは、C店専任の年だった。

C店にも30程度 福袋用意あったけど、大晦日の夜のうちに独りでも店頭出し出来ちゃう量。

ほら、商店街って元日休みじゃない。
だから、T店長がヘルプに呼んでくれたんだ。

予めT副店長に大晦日の準備は伝達しておいて、当日、一時間程 早入りして、福袋の店頭出しから参加した。

3人体制で、レジ・サッカー・接客品出し に担当分け。

「折角だから、接客しない?」

「やります、やります!」

接客は嫌いだけど、ほら、走り込んでくる方々を目の当たりにしたいじゃない。

オープン前に店頭通路にスタンバった私は、今か今かとワクワクして正面通路に顔を向けていた。

開店音楽と同時に、

ドドドドッ

と、地鳴りがする。

うわぁ、来た来たぁ✨!!!

凄いね、マジで走り込んで来るんだよ。

oh…

あっという間に人だかり出来上がり。

初めて見た時は、あんまりにも必死な形相の お客様方に圧倒されて、言葉を失ってしまったよ。

いけない、いけない!

「いらっしゃいませ~!」

ようやく来店挨拶が出来た時には、第一号の お客様がレジに向かってたかな。

福袋も しっちゃかめっちゃか なんだけど、人が集り過ぎてて何も出来ん。

邪魔にならない所からボケ~ッと眺めるしか出来なくて。

何かやらなきゃ???

…何を!??

お客様方は福袋に夢中。
初期値で走り込んで来る方々はリピーター様が多いので、ご案内も不要。

手持ち無沙汰に焦っていると、他のテナントの店頭スタッフの声が聞こえてきた。

──ハッ!

呼び込みだ。

どのテナントからも威勢良く景気の良い呼び込みが響く中、自店だけが静かだった。

元旦と言えば、お祭りじゃん!

江戸っ子(?)の血が騒ぐ。

「いらっしゃいませ!○○店の福袋、いかがですか~!」

私は自発的に呼び込みを始めた。

初めは基本的なフレーズだけだったが、途中で福袋の内容価格と販売価格を言ってみたり、残りのサイズをご案内してみたりした。

お陰かね、上がりの12時には完売出来たよ。

─メガホン─

翌年も元日休業のI店勤務だったので、T店の福袋販売に参加した。

「○○さん、はいコレ♪」

「コレは…」

朝イチ開店前にT店長から渡されたのは、館が配布した紙製のメガホン。

え、私、今年も接客担当なの…???

有無を言わさず、店頭に立たされましたよ(遠い目)

レジ係やりたかったんだけど、他に呼び込み出来るスタッフ居なかったから、仕方ない。

─キャラクター─

扱う福袋の中身は閲覧可能だった。
結構中身を確認される方が多いので、福袋の外装に戻す作業も店頭接客スタッフの仕事。

少し落ち着いた数十分後、しっちゃかめっちゃか にされちゃった福袋の修正に追われる。

「コレ、中には何が入ってるのかしら?」

「いらっしゃいませ!ワイシャツやネクタイも入ってますよ!」

お年を召した ご婦人に尋ねられたので、私は ひとつ袋を開いて中身を見せた。

「あら、中も見て良いのね」

「どうぞどうぞ、ご覧下さい♪」

コレ、閲覧可能の福袋と閲覧不可の福袋が有るから、お買上げ店で要確認ですよ。

「うう~ん、このネクタイは…」

ご婦人が引っかかったのは、前年のアニメキャラクターコラボのネクタイ。

中高年がターゲットだったので、男の子向きのヒーローアニメばかりだった。

あ、どうしよ…(汗)

どの福袋にも、一本必ずキャラクターネクタイが入っちゃってた。
ご婦人の様子からして、派手なネクタイは お嫌っぽい。

どうもネクタイさえ良ければ買って貰えそうなので、私は ご婦人の入用なサイズの福袋を開いて確認していった。

うう~ん、なかなかシンプルなのが無い…

あ!コレなら良いんじゃい!?

福袋を漁るお客様に紛れて一緒になって漁って、ようやく見つけたキャラクターネクタイは細かい女の子の柄。
寄って見ねば何の柄かすら分からない程度。

「コレは、何のキャラクターなのかしら?」

「鉄腕ア○ムの、ウランちゃんですね!」

「鉄腕ア○ムって???」

──ぇえ!??

お歳的に知ってそうな世代と思ったんだが、ご婦人は鉄腕ア○ムを ご存知無かった。

「ぇえと、鉄腕ア○ムって言うのは…」

説明出来ん。
猛烈に困った。

「ぇえと、この子は主人公の妹のウランちゃんで…」

「戦うのは、ちょっと」

えー…

ご婦人は、たった一本のネクタイがお気に召さず、福袋は購入されなかった。

「…店内でもお値下げ品ご用意しておりますので、どうぞどうぞ、ご覧になって行って下さい♪」

戦わないと思うんだけどなぁ、ウランちゃんは…(未確認)

─正月早々、悪い人は居る─

2日にはI店通し。I店も福袋用意数がエリアで2~3番目、結構売れる。

「シャッター上がった瞬間、凄い勢いで来るからね!」

前任者より注意は受けていた。

アレかな、T店と同じ感じかな。

なんとなくイメージ出来たので、当日早番は2人体制。
福袋の店頭出しは当日行う。
場所は正面の平什器。

う~ん…

通路側の片側だけ商品を とっぱらって壁面什器に重ね置いたが、店内側の商品までは置ける場所が無い。

天板に山盛り起き、棚も ぎゅうぎゅう。
什器サイドのニットに若干 袋が乗っちゃってる。

…まぁ、午前中だけだしなぁ。

外装バックは新品で綺麗だし、多少 乗っかったところで商品は汚れないし。

正直言おう。
面倒臭かった。
面倒臭がった。

早番スタッフにレジ係をしてもらい、私は接客とサッカー係。
通常レジは やる事が多いので、スタンプカードの押印はサッカーが担当。

商品言おう。
甘くみてた。

「いらっしゃ…」

シャッターが開くと同時に、お客様方が怒涛の如く押し寄せて来た。

oh!

人の波は団子になって、平什器がグクーッと押し動いた。
重たい置き什器、キャスター付いているがロックしてあって、そうそう動くもんじゃない。

「わ!? 大丈夫ですか!? お怪我はありませんか!?」

慌てて声を掛けるも、皆様 福袋に夢中。
あっという間にレジには会計待ちの列。

うあ、うわあ…

T店の勢いを遥かに超えている。

私はサッカーに入り、会計待ち列の整頓とサイズ確認、レジ係がスキャンし易いようバーコードを支え、お買上げテープを貼る。

ようやくレジが落ち着いたのは、開店30分後。

おお~う…✨

残りの福袋も1個2個。

一時間で売り切る、とは聞いていたが、これは新記録が出せるかもしれない。

私は颯爽と残った福袋のサイズを確認。

「○○店の福袋、最終○サイズの ご用意です! いかがですか~!」

呼び込み開始だ。
通りすがりの お客様が足を止める。

やった~✨

何とね、45分で完売出来たのだよ。
めっちゃ嬉しくて、速攻 完売御礼フダ出して、エリアの福袋残数共有メールを送ったよ。

しっかり「メンズ○個・レディース○個・ネクタイ○個、開店45分で完売」て入れたよ。

自慢したいじゃん。

お客様が落ち着いた所で、平什器の位置を直し、壁什器に寄せた商品を戻し、整頓していて何かが引っかかった。

──あれ?ニット2枚だったかな…?

ぱちくり。

──いやいや、3枚あった筈。

どこかに紛れてないか、床に落ちて什器の下に入ってないか、探したけれど見つからない。

「どしたの?」

「ニット持って行かれたかもしれん」

急いで店舗システムから在庫表をプリントして、プチ棚卸し。

「──うあ~、やられた~(泣)!」

何度数えても、品番確認しても、ニットが一枚足りてない。

多分だけど、平什器の混乱に乗じて開閉可能な福袋の中身をチェックするフリして、サッと商品のニットを福袋に入れられちゃったんだ。

そんで、福袋の中身を確認しないで お渡ししていたから、まんまと持ち出されてしまった訳。

「うぁあ゙~…」

正月早々、課長に電話とかしたくないんだけど、こればっかりは仕方ない。

『何で分かったの?何でそんな置き方したの!』

「面目次第もございません…」

正月早々たっぷりと、お咎め受けました。

──これで話は終わらない。

翌年、再び2日の初売り通しでI店に立った。

前年と同じ早番二人体制であるが、大晦日遅番のうちに福袋展開する平什器の商品は、ダンボール箱に詰め表も裏も空にしておいた。

流石に、混乱する福袋から離れた場所の商品は持っていかれないだろう。

前年の教訓を生かし、お買上げ福袋も口を開けて軽く確認することにした。

多少手間ではあるが、防犯上必要だし。

店内もなるべく見渡しつつ、落ち着いてきた開店30分後。

「また記録更新出来ちゃうんじゃないの!?」

テンション上がってラストの福袋を会計し、ポスレジで最終販売時間を分単位で確認。

「やったー!去年より速…」

んん???

総売上を確認しようと日計票を印字して異変に気付いた。

メンズ・レディース共に用意数と同数が記載されているが、ネクタイの福袋が一つ足りてない。

慌てて店内を探すも、ネクタイ福袋は見当たらない。散々探したけれど、出てこない。

「うわ、ネクタイ持っていかれたー!!!」

「ぇえ!? 打ち漏らしちゃったかな!?」

福袋は複数だったり 他の商品とまとめて お買上げされたりもしていたので、レジ担当だったスタッフが気にしてしまった。

「──いや、私もずっとサッカーに入ってバーコード並べてたし、まとめ買いの会計もチラッと確認してたけど、少なかったりは無かったよ。大丈夫」

大丈夫…では無いんだが、他に とりなす言葉が浮かばない。

くうぅ~… 一度ならず二度までも…

再び、今年も部長にお目玉食らってしまった。

しかもね、せっかく完売新記録達成、と思ったのにね、持っていかれちゃったから完売時間メールも打てなくてね。

でも店舗には在庫が在る事になっちゃってるから、近隣店舗が案内しないように報告しなくちゃいけなくてね。

正月早々「ネクタイ福袋、1点 万引き被害」てね、お知り合い方に恥を広める羽目になってしまったんだよ(遠い目)

─呼び込み─

呼び込みにより来店する方も居る、と自信を持ち始めた数年後。

元日は通年通りT店で早、昼には上がりで、M店遅番のシフトだった。

いつも遅専の副店長が元日予定有るらしく、初めて早番に立った日。
私がM店に再就任して数ヶ月、この副店長とはソリが合わなく衝突もしばしば。

要は、甘く見られてた。

M店の福袋用意数は少なく、お気持ち程度の10個程。

これなら、私が着く頃には完売しちゃってるな。

軽~く考え、14時頃にM店に到着。

入口に設置されたワゴンには、一つだけ福袋が残っていた。

くっそう!完売してたと思ってたのに…!

「開店して直ぐに一気に売れたんですよ!」

副店長は会計に並んだ お客様を捌いたばかりで興奮している。

ぅう~ん…

「凄いね!やったね!」

一応、褒めてから、本題。

「ラストワン、サクッと売っちゃお♪」

ワゴンに残された福袋は、メンズのSサイズ。
1階館内は正月モードで閑散ぎみ。
2階から下るスロープには まだまだ お客様がいらっしゃるが、皆、自店とは反対の駐車場へ まっしぐら。

人は居る。
人は居る、ということは、注目を集めれば、即、売れる。

私がやるべきことは、ひとつ。

そう、呼び込みである。

「いらっしゃいませ~!福袋最終お一つのご用意です!どうぞご覧下さいいませ~!」

私が館内通路に向かって声を張ると、副店長は突然の事にギョッとした顔をした。

もの凄~くドン引きされて そそくさとレジに隠れた副店長。
そんなの私、気にしな~い、気にしな~い。

「メンズワイシャツ○点、ネクタイ5本!○○円相当の お品物が入って、○○円!」

チラリチラリとスロープを下りるお客様方の視線を感じる。

いける…!

私はワゴンの周りを歩いて回りながら、呼び込み続ける。

「Sサイズ、首周り37cm!サイズの合う方は どうぞ、最終一点限りで~す!」

「すいません!福袋最後ですか!?」

キター✨✨✨

呼び込み初めて5分もしないうちに、スロープを下りてきた ご婦人が足を止めた。

「そうなんですよ~、ラストSサイズなんですが…中もご覧になれますよ!」

「ちょうど主人が37cmなんです!」

ヤッター✨✨✨

中身もご覧頂いて気に入って下さり、ご婦人はそのまま福袋をお買上げ下すった。

「ありがとうございました!またのご来店、お待ちしております!」

お見送りして、ご婦人の姿が見えなくなった途端。

「凄いッスね、店長!」

「うん」

どうだね、エッヘン。

伊達に自社で誰もしない呼び込みを独りで続けて来てないからね、捨てたもんじゃなかろう。

この日から、副店長が私の意見とかにも耳を貸してくれるようになったんだよ。

─おまけ─正月ディスプレイ

この話したかな、してないと思うんだけど、二回目だったらスマン。

クリスマスが終われば館内放送は雅楽になって、正月感もりもりの紅白ディスプレイに代わる。

自社でも正月向けに毎年、干支のネクタイを展示していた。
用意数は2~3本、紅白地で お正月感がパない。

T店の一年目、大晦日の夜にディスプレイだけ着けちゃおうと思って、1番目立つ立ちトルソーに結んでいた途中。

「あの、すいません。このネクタイって、売り物ですか?」

「えっと、確か売り物だったはず…」

急いで本社からの注意事項を確認し、販売可であることを確認した。

「これ、下さい!」

おお、売れた!

早速一本売れてしまったでな、二本目を出してトルソーに結わっていたら、また別の方が足を止められた。

「会社始まったら初日に着けて行こうと思って!」

「新年会に着けていきます!」

こんな感じでね、元日前に完売しちゃったんだよ。

そんな店舗初めてだったし、お正月感出さないとって訳で、集約してもらったりしてね。

私の中で あけおめネクタイ=売れるもの、ていう認識だった。
すぐ売れるから、翌年からは結びは止めてシワの出来ない展示に変えた。

T店を卒業後、C店で同じく前倒しでディスプレイしようとしたら、Mさんに止められた。

「あけおめネクタイ出すのは、早すぎじゃない?初売りの時でいいんじゃない?」

「いやいや、結構売れるんスよ、コレ」

「え!? これ、売り物なの!?」

商品という認識でしか無かったようだ。

「中には元旦から使いたい方もいらっしゃるんで、出しといた方が良いッス」

てな訳でな、C店でもフライングで展示して、翌日遅番で出勤すると、Mさんが若干興奮気味だった。

「○○さん!売れたよ、あけおめネクタイ!」

でしょうとも✨

(34)に続く──

都会の家電無し生活④

これも都会の話では無いんやが、家電繋がりで。
タイトル付けといて一回目以降、結局ずっと都会の話じゃなかった、てのはまぁ置いといて。

ギスギスした話の合間にしたいような小話もネタ切れかな~…なんて思ってたけど、あったじゃん凄ぇ話したかったやつ。

いつかどこかにサラッとかいたけど、2021年の冬の出来事。
当時の小説ノートの空白にされていた日記メモが、コレだ。

─コ○ナ接種2回目、初めて自分で書いた小説に泣いた夜、冷蔵庫が壊れた。─

まぁまぁ読んだままなんですが、聞いてちょうよ。

冬の木枯らし吹きすさぶ中、私は人より遅めのワクチン接種二回目を売ってもらうため、バスに私鉄を乗り換えて、はるばる終点駅に降り立った。

なんでそんな遠方になっちゃったかっていうと、一回目接種で近隣医療機関の予約競走に負け、そのうち再開するかな~なんて甘くみて、何度が予約競走に負け続けた結果、予約再開の目処が絶たれてしまったからだよ(遠い目)

ようやく予約可能だった合同接種会場が、かなりな遠方だったのだ。

ぶっちゃけ受けなくてもいっかな~、なんて思いもしたけど、コ○ナに罹っちゃった場合の自分の生活面に不安が多過ぎて。

親友らとも久々集まりたいし、接種しといた方が安心かな~って。

いやぁ、思ったより遠かった。
建物自体も広くって会場までの道のりがヤバい遠い。
館内の喫煙所も閉鎖されてて、息付く間もないのがなんとも…ごにょごにょ。

みんな口を揃えて「副反応で熱が出て辛い」て言ってたし、私の体調から言って、困った時にすぐかかれる近隣医療機関で接種するのがベターではあったんだけど。

予約取れないんだもん。
再開はしませんって言うんだもん。
背に腹は変えられぬ。

当時は完全夜型で、一回目の時も徹夜で行ったから行って帰るだけでヘロヘロで。

助かる事に薬剤に強い体質だから、副反応も接種した腕が猛烈に痛んだだけで、熱は出なかった。

みんなに「熱出なかったよ」って言ったら、みんな口を揃えて「二回目の熱はキツい。絶対出るよ」って言うもんで、寝込んじゃったら怖いから前日のうちにスーパーで食品を買い貯めした。

冷凍うどん5食を2袋にソフトクリームの頭だけのを3つ。
他にもレンチンで食えるような物を沢山買い込んで、冷蔵庫が久々パンパンになった。

これだけあれば、一週間くらい外でなくてもなんとかなんだろ。

軽~い気持ちで再び徹夜、半日かけて二回目を接種してもらい帰宅。

腕は絶対痛くなると思ってたから、利き手とは逆の左肩、帰って速攻シップ貼ってロキソニン飲んだ。

その日の夜。
地味~に痛んではいたんだけど、当時日課だった小説を書くために居間に小机を開いて大学ノートを広げた。

こんな日くらい休んでも良いかな~、とは思ったんだけど。

前日までにキリの良いとこまで書けてない話の真っ只中でね、筆がノリにノってて、書いてしまいたかったのだよ。
こういうのは どんなにシンドくても我慢できないんだよね、性分で。

とにかく書いて書いて夢中になって書いてて。

ちょっぴり悲しい話で感情移入し過ぎて、文字を連ねる度に涙が零れてしまった。

初めてだよ、自分の創作物で泣いちゃったの。

筆も進めないほど涙しちゃったんだけど…

逆に今、この感情を乗せて書き切るべきじゃね?

誤記
合同 ✕ → 集団 ○

妙なクリエイタースイッチが入っちゃった訳なんだな。

徐々に左肩は重く熱帯び腫れてきて、それでも右手は書くのを止めないんだから我ながら阿呆とは思うよ(遠い目)

──ボンッ!

突然、何かの破裂音が台所で響いた。

な、何事!?

耳を済ませばニャンコらがニャーニャー騒いでいたから、誰かが冷蔵庫から飛び降りた着地音かな、と思った。

ビ…ビイイイイイン!!!

台所から けたたましい漏電のような音が聞こえてきて、すぐに様子を見に行った。

「何何この音!?超うっさいんだけど!!!」

冷蔵庫の上にはビクビクしたクロが乗っていて、手前にはトラがウロウロ。

猫が暴れて冷蔵庫の扉でも開いちゃったのか??

どこかシンクに触れて振動が音になってるのかも…

冷蔵庫の扉をバタンと開閉し直して、周囲に接触している物体が無いのを確認した。

うう~ん、鳴り止まないけど…

まぁ古い型の冷蔵庫だから、温まった庫内を冷やすのに頑張ってる稼働音かな。

とりあえず煙も出てないし、私は再び居間に戻って小説の続きを書き始めた。

ビイイイイイン!!!

…うるさいなぁ。

ビイイイイインッ!!!

うるさい。

ビイイイイイイイイイインッ!!!

「だああッ!うっせぇ!!!」

それはそれは爆音でしたよ。
全然鳴り止まないどころか、音量は増すばかり。

「うああ、くそぅ!」

冷蔵庫が発信源とは分かるんだけど、庫内は風が出てるし、音がデカイ以外の問題がさっぱり分からん。

ううん…音的に漏電か、プロペラがシャフトから抜けて触れてる感じがするんだけど…

もうね、電気の供給を切ってしまいたかったよ。
それっくらい、爆音だったんだよ。

だが──

冷蔵庫の中には一週間分の買ったばかりの食料に、冷蔵庫にはアイスまで入っている。

今電源切っちゃったら、食材全部がお亡くなりに…

そんな勿体無い選択、私に出来るわけないじゃん。

あんまり うるさいんで、時間も時間で深夜3時くらいだし、集中出来ないし、とりあえず横になった。

布団に潜ったところで、冷蔵庫は うるさいまま。

なんか変な煙とか出やしないか冷や冷やで しょっちゅう見に行って、修理か新調か検索したりしてるうちに朝になった。

ううん、送風は止まって無いんだよなぁ…

私は冷蔵庫内が温度変化してないか、庫内に設置してあった温度計を確認した。

ほら、あの冷蔵庫『都会の家電無し生活③』で語った、中古の6000円のやつだったからさ。

中古冷蔵庫は初体験だったんで、買った時にAmaz○nさんで庫内温度計も買って入れておいたんだよ。

──???

上段冷蔵の庫内温度は、18℃を指していた。

あれ?こんな高かったっけ???

スっとね、冷蔵の適温が思い浮かばない。

下段冷凍の庫内温度は、10℃。

──いやいや、おかしい!

流石にね、冷凍がマイナスじゃないのは明らかに異常だって気付いたよ。

「うあああ、冷蔵庫死んだ~(号泣)!」

え、どうしよ?
こんなに沢山の食べ物たち、どうしよう!??

もの凄く、狼狽した。

食材を避難させようにも、クーラーボックス的な物も無ければ、肝心の保冷剤は全て解凍済み。

うどん…まだ食えるかな…

冷凍うどんは半解凍状態。
ハラ減ってたんで、3玉食った。

アイス、液体になっちゃったかな…

ほら、食後に甘いもん食いたいじゃん。
液体でも飲めば甘いかな、なんて冷凍庫から温いアイスを出して、ペロッとフタを剥がしてみた。

──ソフトクリームの形してる。

なんと、ソフトクリームの頭だけのは、冷たくないのに角が立ったままだった。

スプーンを刺してみれば、絹ごし豆腐のような硬さ。
怖々、口に入れてみればムースのような食感。

なるほどなぁ、ゼラチンか何か知らんけど、形を保つ何かが入ってんだなぁ✨

ちょっとした発見気分である。

が。

むぐむぐ…

むぐむぐ…

むぐむぐ…

──微妙。

アイスはね、冷たいから美味しいんだって、理解しましたよ(遠い目)

その後、冷蔵庫を修理に出した時の経費と新調した場合の諸費用と、家電の寿命と新旧家電の電気代を天秤にかけ、新調すべく ド○えもんズに泣きついた。

母ドラからの予防接種の安否確認ラインに返信した文面が、コチラ
https://x.com/yukipochi_2022/status/1751564445044936982

私は武士らしい。

なんかもう、冷蔵庫だけでも良いかなぁ…

アイスを好きなタイミングで食べられれば、問題無い。
ついでに冷凍食品ストック出来れば、冷蔵は要らなくね…???

大容量冷凍庫付きの冷蔵庫を検索したけど、冷蔵庫自体が大型になっちゃう。
大型になると、お値段もそれなりに。

Amaz○nさんを検索してたら、直立ドアの140L冷凍庫を発見した。

おお✨コレ良くね?

価格も ご予算内。

コレに決~め…

詳細でスペックを見流していた指が止まった。

“直零式” って、何だったっけ…???

なんかどっかで聞いたような聞いてないような。

凄い引っかかったので、検索して確認した。

──あ!霜取り要るやつだ!

覚えておいでかな。前回③で触れたかと思うが、冷凍庫には直零式とファン式があり、直零式は定期的に霜取りをしないと庫内が霜霜になってしまうんだ。

あ~ダメ。霜取りなんて私、絶対やんない(大汗)

良いのを見つけたと思ったんだがなぁ。
仕方ないので、ファン式で検索し直した。

ファン式で我が家の冷蔵庫置き場に置けるサイズとなると、どうしても2ドアになってしまう。

まぁ~…

よくよく考えたら、夏場は冷たいお飲み物が欲しいし、ビールなんかは年中冷やして呑みたいし。

冷蔵庫、要るわ。

散々考えあぐねて、なるべく安めで冷凍庫が大きめのを探すことにした。

これ、注文して自力で運び入れは、無理だな。

前回、玄関から台所に引きずっただけでも結構大変だったのに、今回は壊れた方の冷蔵庫を廃棄しなければならない。

ぅう~、うう~(汗)

市町村のリサイクル家電の出し方とか調べたけど、運び出しはやってくれそうだが新規の運び入れは自力になってしまう。

便利屋さんとかも見てみたけど1㎡いくら~みたいな価格設定で、これは冷蔵庫の置き場のみの勘定なのか、玄関から台所までのルート込みなのか不明過ぎて見積もりすら怖い。

やっぱな~、配送先でオプション付けられれば一番かな。

Amaz○nさんで目星をつけていた冷蔵庫は、サイズが小さくてオプション付けられなかった。

ううん、外部委託でプラス一万…

と考えると、かなり痛い。

──ご予算を少し上げてオプション付けられる ちょっと大きい冷蔵庫にしても、初期費用は変わらないのでは。

そっちのが良いじゃん✨

搬入出にリサイクル家電料金足して、ちょっと容量増えるんだよ?
お得じゃないか!

まだAmaz○nさんに5台も有るし、冷蔵庫なんて そうそう減らんだろ。

とりあえずカートにぶっ込んで、目下の問題について熟考する。

それは──冷蔵庫が めっっっちゃ、うるさい事。

今一度、庫内を確認すると、やはり風は出ている。

うっさいけど…

もの凄~くタイミングの悪い事に、可燃ゴミ収集が今朝だったんだよね(遠い目)

冷蔵庫内は、いまだ満タン。
次の収集日は、4日後。

冬だけど、流石に今 食品を冷蔵庫から出しちゃったら、腐るよね。
しかも、ニャンコらが居るから下手に食品を袋に詰めて、その辺に置いておけない。

…我慢するしか。

音は我慢して、ゴミの日まで耐えよう。
とりあえず明日くらいまでは、予冷で食品も無事かもしれんし。

翌日。

冷凍うどんは解凍されちゃったけど、10℃あったら冷蔵と変わらんよね。

勿体無いから食べちゃおうと思ったんだな。
我ながら いやしい。

冷凍庫をガラッと引き出した瞬間に、異変に気付いた。

…なんか、生温くね???

庫内温度を確認すると──

27℃

oh…

冷凍庫は室温より高い、あったか~い保温庫と化していたのだよ(遠い目)

流石にさぁ、うどんの袋開けなくても お亡くなりなのが分かるよね。
そこまで お馬鹿じゃないもんね。

あ~失敗した、冷凍死んでるって気付いてたら冷蔵に移しといたのに(泣)

…いや、待てよ。

冷凍死んでて冷蔵が生きてるなんて、ある??

ガパッと開いた冷蔵からは、同じく生温~い空気を感じた。

パタン。

…………
…………

いやいやいや、どうしよ どうしよ!!?
ゴミの日までまだあるのに、このまま放置はヤバくね!!?

室温より高いんだよ。
例えれば夏日に常温で放置するのと同じなんだよ。

絶対、なんか変な汁 出る… 絶対!!!

汁出ちゃったら捨てたり片付けたり、業者さんに運び出してもらう時に垂れちゃうかもしれないじゃん。

とりあえず、コンセント抜いちゃおう…

我が家は築半世紀のボ○マンション、地味に造りが おかしい箇所が まま有る。

冷蔵庫用のコンセント位置も しかり。

普通はさ、冷蔵庫置き場のコンセントって、天井付近にあんじゃん。
最近の、というか築40年程の家屋では少ないんだが、我が家のコンセント位置は床なんだよ。

入居時に変な造りだな~とは思いはしたが、まさか、高さに意味があっただなんて知りもしない。
一度差したら抜き差しなんてしないじゃん、冷蔵庫。

あ~、こういう時の為なんだな…

先人の知恵だ。
私と同じ目に遭った人が居たんだ、きっと。

冷蔵庫からコンセントは離れていて、真後ろじゃないから抜き差し出来んじゃん、なんて事は無い。

冷蔵庫の横に空間が有ったら、物置いちゃうじゃん。

台所から居間へは戸で仕切られるんだけど、2枚の引戸だから片側は常に塞がっていて、いい塩梅の壁になっていたもんだから、二階建てニャンコのゲージを置いちゃってたんだよね。

コンセントは、その後ろ。

ニャンコが格子の間から腕を伸ばしてイタズラしないように、百均の赤ちゃん用の開閉するカバーを付けてあって、そいつが異様に開きにくいんだよ。

居間側から引戸開ければ良いんじゃん。
思うだろうが、なんと、我が家には もう一機二階建てのゲージがあって、仕切りの引き戸を挟んで両側にケージが そびえてんだよ。

ぅああ~、やっぱり ここに置くのは問題だったか~…!

それと言うのも、2機目のゲージは後から増えた物。
ハチとクロを拾った時に購入したもの。

あの時も一瞬は悩んだんだよ、ココに置いたらゲージの後ろが掃除出来ないな~って。
でも他に置くとこ無かったんだよ。
仕方なかったんだよ。

台所側のケージは直置き、居間側のゲージはキャスター付きでストッパーが履かせてある。

どっちからアプローチする…???

天秤に掛けた結果、キャスター付いてて楽そうな居間側からアプローチする事にした。

キャスターが履いてるストッパーをゲージを傾け、スパッスパッと引き出して。

──ゴクリ。

動かす前に固唾を呑んだ。

なんでかって そりゃね、結局一度も動かしてまで掃除しないまま3年経過していたからだよ。

キャスターが付いているからネコゲージは軽い力で動かせた。
体が入るくらい引いて、裏面を覗く。

oh…

想像以上だった。

ゲージの下はニャン毛がモコモコ。
かつ、ブラッシングすると必ず作るニャン毛ボールが、これでもかと。

すぐ どっか行っちゃうと思ってたけど、全部キャスター下に転がり込んでたんだ(泣)

流石に見てしまった物は放置出来ん

掃除機、掃除機!
いや、先にボールを拾うべきか!?

話は変わるが、数年前に親友から教えて貰ったニャン毛ボールにまつわる漫画が脳裏を過ぎる。

──割ったら大量に虫が入ってたりして。

ぅうう、触りたくない…

おっかなびっくりニャン毛ボールをゴミ袋に収集。

「わっ!コラっ!止めろ~!!!」

大量のニャン毛ボールにハッスルしたニャンコらが、ホコリや綿毛を踏み荒らしていく。
カリッカリッと、いつ落としたのか不明なカリカリを咀嚼する者まで居る始末。

掃除機持って来て蹴散らしたけど、不意な大掃除に息が切れちゃう。

しかも、ワクチン接種した左肩が猛烈に痛い。

くうぅ… ここで負ける訳にはいかん!

引き戸を開いて もう一機のゲージ裏もホコリを吸い込む。

「くッ… ぐぬぬッ… このおッ!」

コンセントのガッチリハマったガードを開いて、プラグを抜いた。

「ふうぅ…✨」

ようやく静寂のしじまが部屋に戻って来た。

いや~、静かだわね。
ホント、うるさかったからね。

折角やる気スイッチ入ってるから、もう少しやっちゃうかな。

冷凍庫の中の物を処分して、玄関から冷凍庫までのルート確保をせねばならん。

もう電源抜いちゃったし保温庫だし部屋の方が寒いし。

冷凍庫の中身を片っ端からポイポイとゴミ袋に放り、書斎に ぶっ込んで戸を閉め切った。

調味料等の汁物瓶をシンクにボンボン置いていくと、シンクがいっぱいになってしまった。

意外と残ってんのね、使ってない調味料って。
勿体無いが、流石に私でも27℃内に在った口の開いた調味料は怖い。

汁は全部排水溝に流して、ボトルは洗浄した。

冷凍庫はたったの一日で残り3台になっていたから、慌てて注文した。
到着はゴミの日に合わせたので、明後日の午後には届く。

あと一日あるし、今日のところは ここまで…

横になってスマホを点けると、母親からラインが入っていた。

『明後日、手伝いに行くよ』

え、何の???

『掃除とかあるでしょ』

え、要らない…

明日なら大歓迎だが、明後日では遅い。
業者の人も来るのに、来客が増えたら邪魔じゃない。

「お掃除の目処ついてるし、要らないよ」

ちゃんと理由も添えて お断りした。
お断りしたけど、何でだか聞き入れて貰えなかった。

「どうしてもなら、明日来てくれると助かるんだけど」

『明日は仕事だから』

デスヨネー。

何か納得いかないけれど、もう母親を言い負かす元気も無い。

絶対、当日 邪魔だよな~…

思いはしたが、冷凍庫の下なんかは業者さんに動かして貰うまで手が付けられないし、その辺お願いすればいっか。

翌日。

玄関から台所の冷凍庫前までは10m近く。
途中 戸口も在るので、床に置いてある物や廊下に掛かった衣類等、引っ掛かりそうな物を撤去せねばならない。

どこに仕舞おう…

もうね、ちゃんと片付ける気力も無いんで、

奥義を発動した。

「とりあえず使ってない部屋に全部ぶっ込んじゃえ!!!」

まんまである。
当時は空き部屋だった書斎に、手当たり次第に移動させただけ。

おかげでね、書斎は足の踏み場もなくなってしまったんだよ(遠い目)
なんで独りなのに、こんなに物が在るのか不思議だよ。

冷蔵庫の真横のストッカーとゴミ箱も邪魔だろうから、近い居間に移動させて、空いた廊下と台所は掃除機を掛け、とりあえずの動線は確保出来た。

ついでだから空の冷蔵庫の中も水拭きした。

だってほら、冷蔵庫の中って何でだか茶色の汁が溜まってカピカピになってたりするじゃん。
壊れてるから廃棄する物だろうけど、何かのタイミングで中見られて ばっちかったら、恥ずかしいじゃん。
気にしない?私は気にしちゃう。

重なる疲労も蓄積していて、もう動きたくない。
でも お腹も空くし、頑張ってコンビニにご飯を買いに行った。

翌日。

冷蔵庫の到着予定は正午から15時の間。
母親は正午過ぎに着くと言う。

…母ちゃん来た頃には、冷蔵庫もうついちゃってるんじゃ。

思っていたけど、母親の到着の方が早かった。

「お昼ご飯買ってきたよ!食べよ!」

「いやいやいや、今はダメ!冷蔵庫 来ちゃうかもでしょ!?」

業者さんが来た時に めっちゃ飯食ってたらバツが悪いじゃん。悪くない?私だけ?

母親はあんまり納得してなかったけど、ご飯は冷蔵庫来た後にしようよ、て言い張った。

一時間経ち。
冷蔵庫まだ来ない。

「あー… お腹空いた~…」

だってさ、これ見よがしに座卓に置かれた惣菜から めっちゃいい匂い漂ってんだもん。お腹空いてんの思い出しちゃうじゃん。

「食べようよ!」

「ダメダメ!もう業者さん来ちゃうもん!」

更に一時間経過。
冷蔵庫まだ来ない。

あ~、予定時間いっぱいに来るパターンかぁ…

こういう時も、まぁあるよね。

ゴウンゴウン… ジャーッ…

──んん??

居間でテレビを観ていたら、洗濯機の稼働音が聞こえた。

「いや、ちょっと。母ちゃん、何してんの??」

「洗濯」

「いや、それは分かるんだけど…」

今、やるべき事では無いよね。
むしろ、何故、今になって、洗濯機を回したよね。

「掃除機も要らないみたいだし、する事無いんだもん」

だから言ったじゃ~ん、片付け間に合ってるから要らないよって、お断りしたじゃ~ん…

まぁ、洗濯して貰えるのはありがたいから良いんだけど。

30分程して、洗濯が終了した。

「じゃあ母ちゃん、コインランドリー行ってくるから」

「えッ!? 今!??」

時間は程なく15時になる。
遅延の連絡も特に無いから、それこそ いつ、冷蔵庫が届いてもおかしくない時間帯。

ベランダに物干しもあるんだけど、母親は近所に出来たコインランドリーの乾燥機が気に入っちゃってて。

「いやいやいや、ちょっと待ってよ!もう冷蔵庫来るよ!」

「来る来る言って、来ないじゃん。時間が勿体無い」

いやいやいや、いやいやいやいや…

せっかちな母親は私の言い分を聞き入れず、コインランドリーへと出掛けて行ってしまった。

私の計画では、旧冷蔵庫を撤去して新冷蔵庫を運び入れるタイムラグで、冷蔵庫下の掃除を母親にやってもらうつもりだった──だったんだよ。

♫ピンポ~ン

いや~ッ!来ちゃった~!

結局、独りでシロが飛び出せニャンゴローしないように抱えて、業者さん2人を出迎えた、私。

「あ~、すいません。電子レンジ重くって下ろせなくって(汗)」

冷蔵庫上に鎮座していた電子レンジは序でに業者さんにお願いして、パパっと間に溜まってたホコリを拭う。

養生テープで戸を仮止めされた旧冷蔵庫君が動かされ、目を見張った。

イヤーッ!!!!!

5年ほど動かしていない冷蔵庫の下は、想像の、遥か上を行っていた。

冷蔵庫の下の隙間なんて手の甲も入らないじゃん?
なのにニャン毛ボールが恐ろしいほど入り込んでいて。
しかも、なんか分からん汁がビチャーッ!て一面のニャン毛に染みていて。

「…冷蔵庫持ってくるまでに掃除しといて下さい」

「は、ハイ!承知致しました!」

慌てた慌てた。

え、掃除機で吸うとか無理なレベルなんだけど!!! どうする…!??

まず、抱えたままのシロが邪魔。

母ちゃんが居れば抑えておけたのに…!!!

シロを猫ゲージに ぶっ込んで施錠。
居間に寄せた荷物の中からダンボールの切れ端を引っ張り出し、ばっちいニャン毛を すくって撤去。
床拭き用のウエットシートをバシバシ出して、ゴシゴシ床を拭く。

ふと顔を上げると、冷蔵庫が接していたガス台の横壁に何やら汁が垂れまくった跡が。

うわ~、吹きこぼしてたか…

と思ったけど、壁を拭いている間に思い出した。

そういえば、一度ラーメンを鍋ごとひっくり返されて大変な事があったっけ。

あの時、確かに冷蔵庫下から染み出した分の汁気は拭ったけど、冷蔵庫動かしてまで掃除しなかった…

そして年月が経ち、すっかりぽーん!と忘れ去ってしまったんだな。

これ多分、他所のお宅でも同じような事象があると思う。
冷蔵庫脇に何かこぼしちゃったら、隙間掃除棒とかで拭っておいた方が見の為ですよ。マジで。

「ただいま~、今下でトラック見たんだけど。もう来ちゃった?」

「おかえり…」

もう、来ちゃいましたよ。

結局、私が掃除しちゃってたから母親は手持ち無沙汰で、私の背後で何か喋ってた。

何しに来たんだろう、あの人… マジで。

何か色々と散々な目に遭った気がするんだけど、自分の作品に対する “自惚れるな” って、お告げかな(遠い目)

──都会の家電無し生活、完

─おまけ─冷蔵庫空っぽ

同月、コ○ナが一時落ち着いていた頃合で、数年ぶりに親友らが我が家に集結した。

事前に冷蔵庫ぶっ壊れた話もしてあって『欲しいもの有る?』『冷蔵庫来た?』と聞いてくれたんで、「冷蔵庫は来たけど、みかんしか入ってない」と伝えておいた。

クリスマスパーティでみんながみんなケンタにお寿司にお稲荷さんにケーキに食パンまで買ってきてくれて、残った惣菜で めっちゃ冷蔵庫が潤った。

ちゃんと食材全部、一週間掛けて残さず食べきりましたよ。

みんな、ありがとう!
ごちそうさまでした✨

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