University of Washingtonでの研究留学

この記事は研究留学アドベントカレンダー2019 5日目の記事です.

こんにちは.東北大学の修士課程2年の学生です.土木工学専攻に所属しており,衛星画像を利用した災害被害把握について研究しております.

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2018年11月から2019年9月までワシントン大学が提供しているプログラム(Visiting Student)を利用して,J1ビザを取り研究留学をしていました.私が滞在していた研究室(Remote Sensing & Geospatial Analysis Laboratory)は純粋なCS系ではなく,自然環境管理が主な研究テーマであり,気候変動調査や山火事の被害把握の一環として衛星画像やドローンの解析を行っております.

滞在中は,合成開口レーダー画像から湿原地域の水域を検出して時系列変化を抽出する研究を行なっておりました.共同研究者が光学画像を用いて類似研究を過去に行っていたため,解析結果について月に2回程度ディスカッションしていました.ワシントン大学では,無料でSafari Online Learningを使えたり,電子書籍へのアクセサビリティが日本の大学よりも格段に優れていたので研究が大いに捗りました.興味がある授業があった場合は,事前に担当教員に許可を取れば聴講も可能でした.大抵の場合は研究留学生である旨を伝えれば快く許可してくれます.交換留学生の場合は一定数の単位を取らないとセメスター後に強制的に帰国しないといけないのですが,私の場合は自由に授業を聞いたり研究を進めたりしていました.

また,ラボメンバーの現地調査に同行して山奥でドローンを飛ばしたり,シアトルの画像解析系のベンチャー企業がラボを訪問して企業説明をしたりと刺激的な研究生活を送ることができました.余談ですが,アメリカの研究室では犬は連れ込みOKです.みんな当然のように連れてきます.足元に何かあるなーと思ったら隣のラボの犬だったこともありました.

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研究活動以外では,ワシントン大学のテコンドーチームに所属しており週に4回練習を行っていました.National Competitionを目指すようなチームなので練習はかなりハードでしたが楽しかったです.下の写真で,右端でガッツポーズしてる黒い服着た人が私です.研究以外で定期的に参加するコミュニティを持つことは精神衛生上有効だと改めて認識しました.ほとんど毎日研究室に行っていましたが,休日はチームメンバーとサッカー観戦やハイキングなどの活動も行えたので全体的にとても充実した留学生活を送ることができましたと思います.

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最終的には留学を無事に終えることができたものの,留学前に期待していた生活と現実のギャップに苦しむこともありました.特にラボメンバーとの共同研究の進め方において苦労しました.留学前は手厚い研究指導を期待していましたが,大きな間違いでした.ご存知の通り,アメリカの博士課程学生には研究費から捻出した給料が支払われます.私は日本政府奨学金機構を利用して研究留学していたので,研究プロジェクトに参加しない完全なるお客様です.「好きなことを研究していいけど,君との打ち合わせをする暇はない」というのが現地の指導教員のスタンスでした.しかし一人で解析を進めるだけでは留学した意味がないし楽しくありません.そこで研究計画を若干修正しラボメンバーの興味に迎合する作戦をとりました.その甲斐もあって,前述したように研究員の方との定期的なディスカッションの機会を得ることができました.研究成果が出始めると,有難いことに指導教官もコメントを少しずつ与えてくれるようになりました.このように学位留学以外の場合は指導教官に相手にされないケースは良くあるらしく,私の知り合いは半年の研究留学で2回しか指導教官と面談をしなかったらしいです.

私の場合はM1で留学したので,研究計画を立てたのがB4の段階でした.おそらく研究計画のツメが甘かったので,現地の指導教員も指導が難しかったのでしょうね.右も左もわからないような状態での留学は大変でしたがとても楽しかったです.また機会があれば海外で研究生活したいです.拙い文章でしたが,お付き合い頂きありがとうございました.

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