記事一覧
屋外アートと著作権:トラブルを避けるための法的ノウハウ
大阪府と大阪市は、統合型リゾート(IR)の宣伝素材に、美術家の作品を無許可で利用していたことを明らかにしました。問題となった素材には、青森県立美術館の室外に展示されている「あおもり犬」も含まれています。今回のテーマは、屋外アート作品を利用する際の注意点です。
今回のポイント
屋外アートの著作者にはどのような権利があるのか?
どのような場合に屋外アートの著作権が制限されるのか?
著作権が制限
美容の法律ガイド: ヘア&メイクの知的財産権を知ろう
先週、美容師国家試験受験者にとって待ちに待った合格発表がありました。美容業界で新たなキャリアをスタートさせる皆さん、おめでとうございます。美容業界では、ヘアスタイリングやメイク技術がプロフェッショナルのアイデンティティや競争力を示す大切な要素です。今回は、そのような美容業界の価値を保護する知的財産権に触れてみましょう。
今回のポイント
ヘアスタイルやメイクに著作権はあるか?
著作権の有無をど
AIが創造する未来:ChatGPT-4で新たな発明は可能か?
先週、OpenAIが発表した最新の人工知能ツール「ChatGPT-4」は、2000億から1兆個ものパラメータを搭載するともいわれ、多様なタスクで驚くべき精度を実現しています。この画期的な進歩により、AIを用いた発明の可能性が再び注目を集めており、革新的なアプローチが期待されています。今回は、ChatGPT-4を駆使して新たな発明を生み出す手法について、詳しく解説していきます。
今回のポイント
メタバース時代における建築デザインの新たな課題:知的財産権について
不正競争防止法の改正案が閣議決定されました。この改正は、メタバース内での模倣品の規制強化を狙ったものですが、まだまだ多くの課題が残されています。今回は、模倣建築の規制にフォーカスを当て、これらの課題に触れてみたいと思います。
今回のポイント
メタバース時代の建築デザインとは?
建築デザインはどのような法律で保護できる?
メタバース時代の新たな課題とは?
どの程度法整備は進んでいる?
メ
特許を取ったからといって自ら実施できるとは限らないという話
一般的に特許というと発明を独占できる権利というイメージがあると思います。
実際、特許法にも「特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する」と規定されています。
もちろんその通りで、特許制度は新しい発明を公開した者に対し、その代償として一定期間だけ特許権という独占権を付与し、一方で第三者にはその発明を利用する機会を与え、それによって産業全体を発展させようとするものです。
つまり、新し
クラウドファンディングと知的財産権(4)
前回は第三者による模倣について触れましたが、もっと深刻なのは知的財産権を侵害してしまうこと。
この場合、そのままではプロジェクトを継続することはできません。
特許権侵害を回避するために設計の変更が必要になったり、商標権侵害を回避するために商品名の変更が必要になったり、場合によってはプロジェクト自体を中止しなければならないことも・・・
そんなことにならないよう事前の調査が大切ですね。
(2)
クラウドファンディングと知的財産権(3)
クラウドファンディングでの知財問題を避けるためには、やはり事前の対策が重要になってきますね。
問題が起こってからでは望ましい解決に至らない場合が多いですし、万が一知財問題に巻き込まれても事前対策の有無で結果が大きく変わってきます。
(1)第三者による摸倣リスクに対して①何を公開して何を秘密にするのか
まずは、クラウドファンディングを成功に導くために公開すべき情報と、模倣されないように秘密にす
クラウドファンディングと知的財産権(2)
前回も少し述べたように、クラウドファンディングによって目標の資金を集めることができても、知的財産権の問題でプロジェクトが立ち行かなくなる場合もあります。
このようなリスクは主に以下の二つに大別されます。
(1) 公開したアイデアの第三者による摸倣
(2) 知的財産権の侵害
今回は過去の事例を交えながら、これらのリスクについて観ていきましょう。
(1) 公開したアイデアの第三者による摸倣ク
クラウドファンディングと知的財産権(1)
自分の夢に挑戦したい、人の役に立ちたい、優れた商品やサービスを広めたいなどの思いをインターネットで発信し、それに共感した人や組織から資金調達を受けるクラウドファンディング。
その目的は「便利な機能を持つ商品を販売したい」「日本未発売の商品を輸入して日本で売り出したい」「今までにないデザインの商品を販売したい」「アクセサリーブランドを立ち上げたい」など様々。
最近は世界的な新型コロナウイルスの感
ハッシュタグと商標権
ハッシュタグとは、TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアに含まれた「#」で始まる文字列。
ハッシュタグを記載しておけば、そのリンクを通じてアクセスを集められるといった便利なツールです。
もともとハッシュタグは同じ話題で盛り上がるためのツールでしたが、商品やサービスを拡散したり、キャンペーンに利用したりといった商用目的の利用も増えてきました。
最近は「#検察庁法改正案に抗議
自分の枠を超えたアイデアを生み出す方法
緊急事態宣言も解除され、気が付くともう6月。最近は気温の高い日も増えてきました。こんな日には清涼飲料水を飲む機会が増えますね。
清涼飲料水の容器としてはペットボトルが主流ですが、ひと昔前はガラスボトルが一般的。
ガラスボトルの質感やデザイン性はペットボトルよりも高く、これまでガラスボトルのデザインが売り上げに貢献した事例も数多く存在します。
例えば1915年から導入されたコカ・コーラのボトル
五輪コロナ風刺エンブレムと著作権
日本外国特派員協会(FCCJ)の月刊会報誌「NUMBER 1 SHIMBUN」に掲載された東京五輪の大会エンブレムと新型コロナウイルスのイメージを掛け合わせた風刺デザイン。
一種のパロディともいえるデザインですが、日本の著作権法上の問題があるとしてFCCJが取下げを表明しましたね。
時代を風刺するものとしてパロディが用いられることも多いのですが、パロディ作品の著作権問題については、かねてから何
発表前にネタバレすることなく商標登録出願を行う方法
GoogleやAppleの新商品の名称は、新商品の発表イベントまで非公開とされ、そこでのプレゼンテーションによって全世界に公開されます。
こういうイベントは、どんな商品が発表されるのかが秘密なだけにワクワクしますね。
このように新商品を発表する企業は、新商品の名称を商標登録出願し、商標権を取得することが多いと思います。
名称だけを模倣した粗悪品が第三者から販売されたり、発表された名称の商標権