岐阜4区 保守の地盤と解散総選挙の行方 #58【選挙解説】
①岐阜4区のエリア
高山市
美濃加茂市
可児市
飛騨市
郡上市
下呂市
加茂郡
可児郡
大野郡
②保守王国の牙城、元職国政復帰できるか?
岐阜県には野田聖子元幹事長代行や古屋圭司元政調会長代行など保守系の議員が強い選挙区とも言えます。
4区の場合は、当選2回の自民党所属の金子 俊平衆議院議員が現職です。
金子氏は青年会議所の理事や父の秘書を務め、国政入りしました。
また金子氏は岸田派でこれまで財務政務官や農林水産部会、党の青年局といったポストを歴任しました。今回は3選がかかっています。票を伸ばせるかが注目です。
③候補者紹介(予想される顔ぶれ)
ここで候補者を紹介いたします。なお選挙制度において公平性を記すために現職・新人・名前と年齢、所属政党を記します。
自民【現職】金子 俊平候補(45歳) [2期]
立憲【元職】今井 雅人候補(61歳) [4期]
④立憲は元職を公認にし、一本化に動けるか?
今回の選挙戦の前提として少なくとも野党候補が1本化しなければ、まず再び比例復活の可能性を減らすことになるかも知れません。
前回の総選挙では野党共闘で小選挙区のほうで自民党候補を下した野党候補者が増えたものの、立憲民主党の比例での議席が減ってしまったこともまた課題かもしれません。その結果、多くの十数人の仲間を失い枝野前代表は党首を辞任する結果となりました。その後、翌年の参院選では共闘というワードを使わず、候補者調整に変え、立憲単独のイメージで有権者への浸透を試みたものの、安倍元総理の銃撃事件もあり参議院の1人区での勝利はわずかばかりの結果となりました。
また国民民主党との関係も改善できず、維新や共産との関係も進まぬまま、少数政党が増えているなどますます野党が分裂している現状なのです。
しかしこの岐阜4区をみると前回擁立した維新の会の候補がまだ決まっていないため、長年岐阜4区で活動された立憲の今井 雅人氏にチャンスがあるとも言えます。
今井氏は当選4回の前衆議院議員で民主党政権時に比例復活で初当選、その後も3回続けて比例復活し、そして前回の衆議院選挙では比例復活できず落選しました。
今井氏は銀行員出身の国会議員でこれまで4区で今井親子と戦い続けたため、4区での有権者の浸透は非自民系で大きいと思います。
ただ2017年は日本共産党、2021年では維新の会がそれぞれ候補者を擁立し、野党票が分散する結果となったため、党の候補者調整の手腕が問われるでしょう。
⑤結局、解散はいつなの?
10月以降は常在戦場で衆議院議員の任期が折り返し地点を迎えます。
ここからはいつ解散が起こるかは分かりませんが、今回の補欠選挙の結果や情勢を見極めた上で決まるかとは思います。
年内解散の声は以前と比べトーンは低くなったものの、野党に時間を与えすぎてはそれはそれで対策されてしまいます。
2025年には参議院選挙、2024年には自民党総裁選があり、解散のチャンスは極めて限定的になってきたと見えます。
ただ個人的には前回に比べ維新や国民が野党共闘や候補者調整に消極的であり、議席という結果をみると増やし続けています。
こうしたことから今回の有権者の心情の変化に注目です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?