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「It will be your own」後述(Knitting process 編)

「糸選び編」の続きです。

さて、糸が揃いました。
揃ったところで、もう一度パターンを確認しました。
怖気づきました(笑)
ニッターとしての経験が浅い(いや、ダイヤーとしてもだけど、触れない…)私にとっては、未知の領域。
パターンをお見せできないのが残念です。
最後まで編めるのかしらん?という不安と、これを編めたら自信にもなるし、なにより素敵なものに違いない!という期待。

ぶっちゃけてしまうと…
私は、ミステリーKALって、毎週パターンの一部が公開されて、しかもちょっと分からない編み方なんかもあって、先が見えないこと・簡単に編めないこと「自体」を楽しんで、完成したものは二の次、というかあまり関係ない、みたいなものだと思っていました。
いくら自分で糸を選んだとしても、デザインに左右される要素がとても大きいのジャマイカ…
だいたい、全体のデザインを知らずに編むわけですから、好きとかそうじゃないとか選べないし、関係なくない?みたいな。
だってー、そこはお祭りですからぁ
と言われれば、そうなのですが。

ところがですね、このパターンはなんだか、な、ん、だ、か違うみたい。
なんかね、シンプルなんですわね。
おまけに、基本的なパターンはあるけどそれ以外はアナタが決めて、っていうなんていうかツンデレ…
(えーと、好き勝手書いてます。デザイナーのeriさんが見てたら申し訳ないです。弱小ダイヤーのつぶやきですから、お許しください)
ツンデレという表現はどうかと思うけど、ニッターの手と想像力、そして思いにゆだねられている、というパターンであり、KALでした。
(前にも書いたわね)
割愛しますが、このKALのコンセプト自体がそういうものだったので、それに激しく心を動かされました。

前置きが長くなりました。
そして、実際に編み始めると…いやん、一筋縄ではいかない(笑)
だって、Inexperienced knitter ですから…
編み方が悪いから針が滑る…なので、編み目がバラバラ
お見苦しい画像で申し訳ありません。
左が、ダダ滑りしながら編んだもの。
右が、針を替えてしっかり目に編んだものです。
え?対して違わないって?…泣くぞ(´Д⊂ヽ

でも、ここで大事なことを学習しましたよ。
分からない編み方こそ、ゆっくり、丁寧に。当たり前か。
でも、ほら、分からないことや、難しいことって後回しにしたり、ややもするとちょっとテキトーにやったりしません?私だけ?そうかぁ…
そして、もうひとつ、もっと大事なことを思い出しましたヨ。
分からなくても、ヘタッピでも、丁寧に丁寧にやれば、結果は(ある程度かも知れないけど)出る、ということ。
そして何より、満足できる、ということ。

さて、編み進むうちにもっと訳のわからない編み方が…
それについては、ちょっとぶっちゃけてしまいますが、みなさんの解説では朧気には分かったのですが、動画に頼りました。
はい、世界のようつべ先生ですね。
動画で習得したら、ほんっとに「朧気に理解していた」でした(笑)
やはり、編み物は知識も大切ですが、経験ですね。
それも、色々なものを編むと、色々な技法が身に付きますね。
といっても、万年難しいものと英文パターンは避けているので、大きなことは言えません。
それでも、今回のKALは本当に編み物の世界を広げてくれました。

中盤になると、技法にも慣れ、スピードも少しアップします。
そうすると、俄然、楽しくなるのですね。
楽しくなりすぎて、もっともっと、と中毒めいた感じになって夢中で編む。
ニッターズ・ハイ、ですな。
これとはちと違いますが、そしてゾーンの突入するというと言いすぎですが、編み物はマインドフルネスにとても効果があるのですね。
「抑うつや不安を抱える人々のマインドフルネス(注意集中)に与える 手編みの効果について」という研究もあります。
(実際に読みましたよ(*^-^*)

こうして編んでいるのですが、途中でショップアップデートやら何やらで、期限を大きく過ぎることになるわけです。
期限は過ぎたけれどちゃんと完成させよう、そう考えるうちに個人的にこのKALには「意味を持たせたい」と思うようになります。
愛着、ですね。
さて、北海道の冬の夜空は、とても寒く、冷たくてピーンと張り詰めていて、星がとてもとても綺麗です。
南東の空に、キラキラ瞬いているオリオン座の三つの星。
その横には、赤い一等星のベテルギウス、その左にあるプロキオン、そしてこれらの中で一番明るく光るシリウス。
冬の大三角です。
元から三角形のショールにしようと考えていたのと、寒い冬には暖かいショールがぴったりだと思いましたので、このショールには未完成ながら「Winter Triangle」と名前をつけました。
名前をつけると、本当に愛着がわきます。

ゲンキンなもので、名前をつけると進みも少し早くなったような気がします。
最終的に、三角形のパーツが11枚編めました。
途中、入れるのはよそうと思った1枚も加えました。
これもまた、自らの手による1枚の大切なモチーフですから。
この11枚をどう繋げるか。
実際に三角形に切った紙を用意して、あーでもない、こーでもないと色々な三角形を試しました。
結果、三角形の左右に1枚ずつウィングを。
形は決まったけれど、さてこのまま繋げるのはちと自信がない。
なぜなら、大きさにばらつきがあって、これを上手に繋げる自信ナシ。
なので、ちょっと荒っぽいのですが、5枚と6枚を重ねて先にブロッキングしました。
重ねるので、大きさはある程度揃います(笑)
我ながらムチャするのー、と思いましたが。

パーツのブロッキングが済んで、いよいよ繋げる作業に。
えっちらおっちら繋いでいたら、またもや思い付きのタネが。
家紋!家紋入れよう!!
正確には家紋のように、背中に当たる部分に何か入れよう、ということ。
やはりここは、星しかない。
でも、目立たないように。
冬の大三角の中に存在する、一角獣座のように。
ユニコーンです。
目立たない星座ですが、ここには「ばら星雲」というめちゃくちゃ美しい星雲があるのです。
そうだ、星にしよう!(そうだ、京都いこう!みたいなノリです)

ばら星雲


星?これは、かぎ編みだな…
で、またもやようつべ先生ですよ…
で、このKALで使った、目立たないかもだけど、主張する糸で星を編んで、家紋のごとくルンルンしながら付けました。
ちょい曲がったけど(笑)

こうして新しい年を迎えてしばらくして完成した、My own のショール。
ミステリーだけど、ミステリーじゃないKAL。
素敵なブランドものの糸と、自分で染めた糸。
ちょっぴり難しくて、でも編みがいのある素敵なパターン。
自分のリズムを見つけて、楽しんで編めた。
最後には名前まで付けて。

ええ、ええ。自己大満足ですとも!!

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