道子と洋子は5年生になったその日から、仲良しになった。道子は初めて洋子の家に行った。庭の広い大きな家、上品なお母さんと出されたプリン。どうも違うと、結び目が3つ出来た。

画像1 学校で洋子と遊んでいるうちに、結び目はポロリポロリとほどけていた。道子と洋子の考えはよく似ている。「かわいそうやね」「あんなもん、ほっとこ!」「私は丹下団平がすきや」気持ちが良いほど似ていた。後で分かったことだが、上品にみえた洋子の母は、道子の母によく似た、あっけらかんとした心ホットな女性であった。