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141年の歴史に幕を閉じた小学校③(最終回)地域から学校がなくなることについて -みまさかぞく#038
2016年3月に閉校した岡山県美作市立梶並小学校。新しい年度が始まり、子どもたちと私は、統合先の新しい小学校へ行きました。
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毎年、愛でる時間なく過ぎゆく…
1.新学期スタート
新学期が始まると、梶並の子どもたちは、スクールバスで片道約20分の道のりを登校するようになりました。毎朝、ちゃんとバスに乗れるかな?新しいクラスに慣れて、笑顔で過ごせるかな?
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久賀ダムを眺めながら登校
小さな世界から大きな世界へ出た時、どんな力が要るだろう…。「まずは慣れること」。そのためには、踏ん張る力も大切だけど、時には流される脱力もあった方が良い。どれくらいの時間が必要だろう…。
4月、私は毎朝、下駄箱で子どもたちの顔を見ながら、声をかけました。「おはよう、元気?」。
「子どもだから、スッと馴染むよね、大丈夫だよね」そうも思っていました。でも、うまくいかないこともありました。
2.応援メッセージ
私は、子どもたちに向けて応援メッセージを新聞に投稿しました。
私は子どもたちと同じ校内に居て、授業をしていました。毎日、顔を合わせていたけど…
上手く言えないのですが…私だけではなく、これを読んだ人たちの力も借りたくて。みんなが応援しとるよと伝えたくて。そんな想いで…。
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【がんばれ「かじの子7」よ】
安藤由貴子 (美作市)
「昨年度末、美作市立梶並小学校が141年の歴史に幕を閉じ、閉校しました。子どもたちも教職員も、あふれんばかりの思い出を胸に、新たな場所へ進んでいきました。私は6年間、梶並小学校に勤務し、たくさんのことを学び成長させていただきました。3月31日、駐車場を後にするときの切なく胸が締め付けられるような感覚は忘れることができません。
そして、今思うのは、梶並小学校最後の年を一緒に過ごした子どもたち「かじの子7」のことです。「明日のへ扉」を開け、見えた景色はどうですか?
迷わず一歩を踏み出せましたか?不安になったとき、誰かが温かくほほえみ背中を押してくれましたか?そうであってほしい、つらくても次の日には立ち上がり、友達の中へ歩んでいってほしいと願っています。
本年度になって2カ月が過ぎました。みんなの見慣れた梶並の山々も、新緑が力強く芽吹いています。
がんばれ、顔晴(がんば)れ、毎日が良い日じゃなくても大丈夫。どんなときも、みんなの力を信じています。」
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私たち人間は、生きている社会が変わっていくことで自立し、成長していくのだと思います。家庭から保育園.幼稚園の世界、学生から社会人の世界…のように。
その過程でうまくいくことも、つまずくこともある。その時に、寄り添い励ましてくれる人がいたら良いな…。このことは、当時の私にも同じことが言えました。
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撮影:2022年12月上旬
3.時は流れ…
あれから6年が経ちました。
時の中で出逢う人、起こる出来事、色んな想いの中で…、今のみんなが、幸せでありますように。
4.児童が通わない小学校
『少子化によって進む学校の統廃合-日本教育新聞-』
少子化の影響で学校の統廃合が進んでいます。
それは、抗えない時代の流れだと思います。昨日まで響いていた子どもたちの声やチャイムの音がなくなり、寂しく思うかも知れません。でも、その大きな時代の流れは誰もが感じていることで、多くの方が「仕方のないこと」だと思うのではないでしょうか。
私は今回、閉校から6年経った梶並小を訪れました。12月上旬、冷たい風の中で、時折太陽の温もりを感じる昼間。
この時、私が感じたことをお話したいと思います。(6年前の写真もご覧ください)
《グラウンドとプール》
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『閉校記念誌』より
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撮影:2022年12月
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撮影:2022年12月
《教室》
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撮影:2015年4月
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撮影:2016年3月
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撮影:2016年3月末
《校舎》
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撮影:2015年9月
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撮影:2022年12月
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撮影:2022年12月
静かにたたずむ校舎は、その大きさから存在感がありました。
「確かに、かつて私はここに居た」そう思いました。
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撮影:2015年9月
↑運動会の演技「一輪車パフォーマンス」。個人技を披露する子どもと、それを説明する藤小雪庵。
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撮影:2016年1月
↑素敵な演奏を聴いて、合唱指導をして頂きました。
5.地域から学校がなくなることについて
私は、汚れサビれた校舎を見上げ、チクリと心が痛みました。でも、なぜか、懐古したいとは思いませんでした。
目の前には、かつてお世話になり、今は劣化していくだけの校舎がたたずんでいるのに…。なぜだろう。
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それはきっと、①私はこの梶並小学校で100%の力を出し切って、②思い残すことはなくて、③少子化という時代の流れを理解していて、④かじの子7も頑張ってるだろうと信じていて、⑤私も「今」を一生懸命生きているから。
そして、「今後、誰かが梶並小のことを調べることがあったら、私の経験を話したいな」と思いました。
渦中にいた人間の主観的な歴史、客観的に捉えられた歴史…まだまだたくさん、色んな切り口で見てもらえる梶並小学校。
あれ?私は廃校になった梶並小の未来を想像している…。
歴史の未来…。不思議な感覚でした。
6.時代の流れの中で
梶並からの帰り道。「だいこく屋に行くんじゃ」と、よく子どもたちが話していたのを思い出し、寄ってみることにしました。
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『閉校記念誌』より
今はシャッターが閉まっていました。
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撮影:2022年12月
冷たい風が吹いていてきたので、私はだいこく屋の前の自販機で…
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ミルクセーキをチョイス。
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梶並に住む子どもたちは登下校が少し不便になりました。保護者の方のご苦労もあると思います。
地域から学校がなくなると、私なら「その地での子育ては難しい」と想像します。しかし、この地を選び、都会から移住して来られる方もおられます。
何に価値を置き生きていくかは人それぞれ。
時代の流れに身をまかせ生きていく。私はそれしか出来ないし、それで良い。
梶並からの帰り、ひとりつぶやきました。
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♫♫袴が仙のいただきが、朝の光を映してる。目を輝かせ手をとって、みんなで知恵を出し合おう。楽しい楽しい、梶並小学校♫♫
(梶並小校歌)
3回に渡り、梶並小学校閉校について書いてきました。読んでくださり本当にありがとうございました。心から感謝です。
次回は、私の活動についての「一旦まとめ」をします。そして、2023年1月から新しいステージに燈を灯そうと計画しています!
お楽しみに♫♫
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