神さまのビオトープ感想

📖神さまのビオトープ
主人公のうる波が旦那さんの「鹿野くん」を事故で亡くして以来、幽霊になった鹿野くんと生活を続けるお話。
凪良ゆうさんの作品はいつも登場人物の名前が今どきで可愛い。
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20代で未亡人になったうる波に周りは再婚を勧めるんだけど、
うる波からすれば幽霊になった鹿野くんとの生活に満足していて
それは世間からすれば受け入れ難い人なんだけど、
うる波だけは
「鹿野くんが私の前に在り続ける限りこれが私の現実だ。誰がなんと言おうと後ろ指をさされようと
私は鹿野くんだけが居ればそれでいい。」
と決めていて
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そんなうる波の前に
亡くした彼が幽霊になって傍にいると信じ、うる波に同調を求める女子大学生、
ロボットの親友にしか心を許せない少年や、
小さな子供にしか恋愛感情を抱けない青年が現れて
接していくお話。
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凪良ゆうさんの作品の面白い所は
いつもお話の設定自体は日常生活の簡単なお話なんだけど、
周りを遮断して世界から取り残されてるような人たちの丁寧な暮らしを
掘り下げて掘り下げて要らないものを取り除いたり水を与えたり、
普通なら引っ掛からないような小さな根を見付けてそれが果たして正しいのか正しくないのか
一々吟味して何度も決意を重ねて
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最終的には、
良識ある人たちや世間がどう思おうと
私のほうが完全に壊れているとしても
構わないし、コレが私の幸せだ。

と世間の正しさに合わせずに言い切ってしまうところ。
世界観にあっという間にハマります。

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