ジェニーの記憶

🎥ジェニーの記憶
ジェニファーフォックス監督の実体験に基づいた映画。
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30年前の自分にとって美しい初恋の記憶が、ある日彼女の母親が見付けた13歳当時の日記によって
それが性的虐待だったことが明らかになっていく。
(以下ネタバレ含む)
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ある日母親に呼び出され、当時の写真を見た彼女は
「こんなに私は幼かったの?」と衝撃を受ける。
彼女の記憶の中では
自分はもう少し成熟した大人だったはずなのだ。
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曖昧な記憶を辿りながら、
当時の友人や先生に会い話をしていくうちに
本当の彼の正体が明らかになっていく。
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ジェニファー自身が現在大学で心理学を教え
女性の性的虐待にも向き合う立場になってから
「自分はあの時被害者だったのでは?」と自覚していく様子は
見ていて辛い。
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性的虐待を受けた女性がインタビューで「男性との行為において、感じることが出来ない。」という本音に
教授としてジェニファーは「私もそうだから、それは性的虐待とは関係がないと思う。」と答えるシーンを、

自身が被害者であると自覚した後に観た彼女の表情は何とも言えなかった。
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最後、彼女が事実を確かめるために彼に会いに行くシーンは特に辛い。
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彼女が真実を知る権利はあるけれど、知らなければあえて傷付くこともなかっただろうし
13歳でまだ何も知らない彼女が彼に惹かれてしまう気持ちは分からなくもない。
観ながら苦しくなったけれど、
これを性的虐待とだけして語るのには難しかった。
ジェニーからすれば美しい初恋だからこそだ。
#ジェニーの記憶

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