ボルタレンテープとジクトルテープの違いは?

ボルタレンテープもジクトルテープも「ジクロフェナク」が主成分のテープ。違いはなんでしょうか?

①まず添付文書を見る。

ボルタレンテープ(15mg、30mg)

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
次の患者には使用しないこと
1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
アスピリン喘息 (非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作) 又はその既往歴のある患者 〔重症喘息発作を誘発するおそれがある。〕
効能又は効果

下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎 
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎 (テニス肘等)、筋肉痛 (筋・筋膜性腰痛症等)、外傷後の腫脹・疼痛
用法及び用量

1日1回患部に貼付する。


ジクトルテープ(75mg)

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。][9.1.1 参照],[9.1.11 参照],[11.1.2 参照],[11.1.3 参照]
2.2 重篤な血液の異常のある患者[血液の異常を悪化させるおそれがある。][9.1.2 参照],[11.1.4 参照]
2.3 重篤な腎機能障害のある患者[9.2.1 参照],[9.2.2 参照],[11.1.6 参照]
2.4 重篤な肝機能障害のある患者[8.3 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.11 参照]
2.5 重篤な高血圧症のある患者[9.1.4 参照]
2.6 重篤な心機能不全のある患者[9.1.5 参照],[11.1.9 参照]
2.7 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.8 アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発する。][9.1.7 参照],[11.1.7 参照]
2.9 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1 参照],[9.5.2 参照]
2.10 トリアムテレンを投与中の患者[10.1 参照]
4. 効能又は効果
各種がんにおける鎮痛
腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎
**  6. 用法及び用量
〈各種がんにおける鎮痛〉
通常、成人に対し、1日1回、2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。なお、症状や状態により1日3枚(ジクロフェナクナトリウムとして225mg)に増量できる。

〈腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎〉
通常、成人に対し、1日1回、1枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg)又は2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。
ジクトルテープの形状



•ジクトルテープはボルタレンと比較して、ジクロフェナクを増量、形状に工夫を施した薬剤したために、がんの疼痛にも対応できるようになったテープ剤ということがわかる。ボルタレンは局所に作用するのに対し、ジクトルは全身に作用する。

•ただ増量と全身に成分を行き渡らせるための剤形のため、禁忌の項目が増えていることに注意。


②インタビューフォームを見てみる。

ジクトルの開発経緯を要約すると、

•癌の疼痛対策の導入薬やオピオイド系が増量できない時にNSAIDsが推奨されるが、癌の疼痛に対応できるNSAIDsの薬は注射剤のみだった。服薬アドヒアランスの向上と24時間効果を持続できる薬剤として開発された。介護者にも服薬の状況を確認しやすい他、食事のタイミングの制限がないのも特徴。

③指導のポイントは?

特徴が多いジクトルは患者の指導箋が存在します。開発メーカーである久光のサポートウェブからダウンロードできます。

それを踏まえての
指導ポイントは

•1日1回(大体のテープ剤はこの用法)
•「全身」に作用する薬である。そのため、他の痛み止めとの服用は避けなければならない。
•貼る場所は毎回変える。(基本どこに貼っても吸収される量は大差ないが、メーカーは、上腕、背中、腰、腹、胸を推奨)
•開封したら30日間までが期限。

チェックポイントは
•妊婦は禁忌。その他、「重篤の〇〇障害」の項目が多いので確認。
•他の痛み止めを飲んでいないかの確認。
•不思議なことにトリアムテレンも禁忌である。腎機能が悪化するという報告があったため。

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