ボルタレンテープもジクトルテープも「ジクロフェナク」が主成分のテープ。違いはなんでしょうか?
①まず添付文書を見る。
ボルタレンテープ(15mg、30mg)
ジクトルテープ(75mg)
↓
•ジクトルテープはボルタレンと比較して、ジクロフェナクを増量、形状に工夫を施した薬剤したために、がんの疼痛にも対応できるようになったテープ剤ということがわかる。ボルタレンは局所に作用するのに対し、ジクトルは全身に作用する。
•ただ増量と全身に成分を行き渡らせるための剤形のため、禁忌の項目が増えていることに注意。
②インタビューフォームを見てみる。
ジクトルの開発経緯を要約すると、
•癌の疼痛対策の導入薬やオピオイド系が増量できない時にNSAIDsが推奨されるが、癌の疼痛に対応できるNSAIDsの薬は注射剤のみだった。服薬アドヒアランスの向上と24時間効果を持続できる薬剤として開発された。介護者にも服薬の状況を確認しやすい他、食事のタイミングの制限がないのも特徴。
③指導のポイントは?
特徴が多いジクトルは患者の指導箋が存在します。開発メーカーである久光のサポートウェブからダウンロードできます。
それを踏まえての
指導ポイントは
•1日1回(大体のテープ剤はこの用法)
•「全身」に作用する薬である。そのため、他の痛み止めとの服用は避けなければならない。
•貼る場所は毎回変える。(基本どこに貼っても吸収される量は大差ないが、メーカーは、上腕、背中、腰、腹、胸を推奨)
•開封したら30日間までが期限。
チェックポイントは
•妊婦は禁忌。その他、「重篤の〇〇障害」の項目が多いので確認。
•他の痛み止めを飲んでいないかの確認。
•不思議なことにトリアムテレンも禁忌である。腎機能が悪化するという報告があったため。