新居は私の城だった


春。

出会いと別れの季節。


ここ最近、私にも大きな変化があった。

大学を無事に卒業し、上京することになったのだ。それに伴ない、一人暮らしが始まる。新しい土地、新しい家に住むことになり、嬉しいような寂しいような、でもやっぱり嬉しい。


環境の変化にさっきから胸がドクドク言っている。




当たり前のことだが、東京の家賃は高い。

大学時代に住んでいた所と比べると、2万円以上も高いくせに間取りは狭い。
なんてこった。

東京で生きていくとなると、お金がいくらあっても足りない気がしてしまう。




新しく住むことになるマンションは、なかなか良い。


今まで使っていたカーテンや家具からの温かさを感じられる。新入り家具は私好みのものを取り入れてみたので、好きが溢れてとまらない。


まだまだ必要なものもあるし変えたい部分もあるけど、今のところ程よくまとまったので満足だ。



キッチンもお風呂も部屋も狭いけど、なんというか今の私にピッタリ合っている部屋だ。新しい生活を一緒に支えてくれるような、良い相棒になってくれそうなかんじだ。



他の人には、ただの狭いマンションの一室に思うかもしれないが、私にとっては大きな白いレンガ造りの城にしか考えられない。


良い雰囲気の部屋の中で、自分の思い通りに過ごせるこの場所は、まさに私だけの城だ。


うん。これからの生活がなかなか楽しみになってきた。