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夜道で怖いのは不審者?幽霊?いやいや、野生の動物です。


夜、山道を運転していた時のこと。


くねくねと何往復も曲がり曲がった道を、ハイビームで車を走らせていました。


すれ違う車は一台か二台。もちろん人っ子ひとりいない暗闇でした。


いくつかあるトンネルは、照明が点いてないものもありました。暖房を着けているにも関わらず、背筋がゾクゾクッ。バックミラーを覗くと、幽霊が映っているんじゃないかという考えがふと頭をよぎりました。



落ち着かない雰囲気の中、ゆっくり車を走らせていると、急に現れた二つの光。



ギョッとして、慌ててブレーキを踏むと、そこにはひょっこり狸がこちらを見つめて固まっていました。



...え、狸、動かないんだけど。



よほどビックリしたのか、固まったままの狸。

数秒間、私と狸が見つめ合うと、よくわからない雰囲気が流れました。


例えるなら、友達と海行く時に、自分がビーチボールや浮き輪を持って行ったら、友達が帽子にゴーグル付けた本気姿で現れて、お互いが、え?あれ?ってなる感じのもの。



その後、突然ハッとしたように動き出し、ひょこひょこと山へ帰って行きました。


狸に遭遇したのは初めてではないけれど、あんなにおっとりした狸は今まで遭遇したことがありませんでした。


強く生きろよ、頑張れよ、と思わず心の中で励ましの言葉を送りましたね。



ビックリほっこりな複雑な気持ちで、また車を走らせました。



そして、山を下りきった所のトンネル手前にて。

一瞬何かが動いたと思って目をやると、


「What’s the f○ck!?」


とっさに出てきたのが、冗談抜きでこの言葉。


人前でなくて良かったと、心の底から思いました。


道の脇に、私の愛車であるラパンと、同じの大きさほどの鹿がいました。



私は驚きすぎて、口があんぐり。


対して鹿は、むっしゃむっしゃとのんきに草を食べていました。



前に母が、「鹿とぶつかったら車の方が負けるんだよ」と言っていたのを思い出しました。


鹿が道路に飛び出て来なくて、良かったです。



都会にいる時はめったに遭遇しない野生動物ですが、不審者や幽霊よりも気を付けなければいけないと、私は思います。


不審者や幽霊は、少なくとも人間で、言葉は理解してくれるはず。


動物は本能で行動するので、どう出てくるかわかりません。


しかも、動物と衝突した時に車両保険に入っていないと、全額自己負担です。


恐ろしいです。



また今度山道を通る際も、ハイビームでゆっくりと車を走らせたいと思います。