16.「教員向け」通信制高校ってどんな場所!?
前回は、生徒向けに通信制高校とは、どんなところか説明しました。
今回は教員向けに、通信制高校とはどういった仕事をしていて、どんな雰囲気の場所かを説明します。
そもそも生徒は基本登校して来ないので、何をしているのか気になりますよね。では、説明をしていきます!
基本的な仕事
生徒が基本的に来ないのでやる仕事といえば
「レポート添削」「スクーリング準備」「単位認定作業」「担任業務」
となります。
「えっ!?これだけ?」と思われた方、通信制高校の場合、生徒が登校して来ない分、教員あたりの生徒数は通常の学校より多くなります。
なので、その分作業量がすごい数になります。
これに加えて「生徒指導」「進路指導」「教務」と言った分掌も割り振られるので、生徒が登校しないといえ、仕事の量は多く、残業は当たり前です。(残業時間は普通の学校と変わらないかもしれません。)
私が勤務していた学校は、私立のため残業代はしっかり出ましたよ!
レポート添削
生徒は自宅で課題をこなしており、これを「レポート」と言います。それをネットを使ったりプリントで提出をします。
教員はこのレポートを添削しなければなりません。先ほど説明した通り、教員あたりの生徒数が多いので膨大な数を添削しないといけません。
ネットからの提出だとPCで添削なのでまだいいですが、プリントで提出の学校は大変ですよ・・・私が勤務した学校は前者なのでまだマシな方でした。
スクーリング
生徒が登校して来ることを、スクーリングと呼びます。私の学校では年間5日間でした。
「年間5日間だけ!?」「超楽じゃん!!」と思われた方、この年間5日間のセットがほぼ毎週あります。通信制高校あるあるですけど、10月以降から2月あたりまでスクーリング業務が行われます(いわゆる繁忙期)。
このスクーリングの間は「担当教科の授業」「特別活動」などを行います。様々な問題を抱えた生徒もいますし、馴染みのない生徒とスクーリングを過ごさないといけないので、結構しんどいです。先生からしたら、この期間しか生徒に会えないので、通常の教師像を持った先生からしたら少し物足りないかもしれません。
単位認定作業
単位認定作業とは「レポートを規定通り提出してるか」「テストを受けているか」「スクーリングの授業を受けているか」を確認し、単位を認定していきます。これが結構大変で、
「スクーリングの授業を1コマ受けてなかった」
「レポートを数個提出していなかった」
など、1つ1つ確認して行かないといけません。先ほどの説明した通り教員の数に対して、生徒数が多いので、単位認定作業はスクーリング後の2月〜3月の間に行われます。
ちなみに、通信制高校は入学期が2回(4月、10月)設けられているので、年に2回この業務を行います。
担任業務
「生徒が登校して来ないのに、担任業務って何するの?」とよく思われます。基本的には受け持っている生徒のレポート進捗状況の確認です。これを怠ると、自分のクラスだけ単位を落とす生徒が多いことになります。ここはどこの通信制高校もシビアに数字で見られるので担任は必死です。
あと、意外な業務として転入生の対応が多いです。通信制高校はその特性上、転入生が毎月のように入って来ます。その生徒のフォローだったり、レポートの進め方の説明をします。
向いている特性
「勉強が苦手」「コミュニケーションが苦手」「進学校から転校してきた」など様々な特性を持った生徒が入学して来ます。
そういった特性を理解し、寄り添うことができる教員が向いています。
あとは、事務作業(レポート添削、単位認定作業、スクーリング準備)が多いので、淡々と仕事をするのが好きな人も向いていますね。
教員免許を持っているが、通常の学校の雰囲気が合わない方は通信制高校の教員を試して見るのもいいかもしれません。
非常勤講師もあり!?
通信制高校は、レポートの添削や授業を非常勤講師にお願いすることが多いです。私も前の勤務校では、非常勤講師を手配する役職にいたので喉から手が出るほど非常勤講師が欲しかったのを覚えています。
特に、重宝された教科は、
理科・・・そもそも教員不足のため欲しい
国語・・・レポートの添削数が多い
理科と国語を持っている、専業主婦(主夫)の方や隙間時間で副業として働きたい方は、ぜひ通信制高校で働いてください。おそらく上記の教科は腐るほど求人が出てくると思います。
最後に
「今の学校と合わないな」「転職したいけど給料が心配」と考えている方、通信制高校の教員を試すことをお勧めします。
意外と合うかもしれませんよ。今通信制高校の生徒数は増え(おそらく学校も増えている)、成長産業になっているので、チャレンジするのもいいかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?