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大学生の頃 笑える思い出①

 日曜日だけ、本屋さんでアルバイトをしていました。

 いろいろなお客さんも来ました。

 個性的な店員さんもいました。

 ちょっとずつ思い出しながら、若かりし頃の記憶をたどっていきたいと思います。


 その1。

 バイト先の本屋さんと自宅は近かったので、昼食時には自宅まで車で戻っていました。

 ある夏の日。いつものように自宅での昼食を終え、休憩時間終了5分前に本屋さん裏の駐車場に戻ってきて、車から降り、鍵をかけようとした時、

 ん? 手元に鍵が、ない、ね。 もしや・・・

 そうね、そうです。ちゃんと鍵穴に入ったままです。

 ピンチ。

 でも、まっ、いいか。バイトが終わったらおかーさんに合鍵を持ってきてもらおう。とりあえず、バイト、バイト♪ さて、行こう!

 ん?(再び) 動けない、ね。なぜ~

 スカートが、スカートが。

 スカートをがっつり車のドアに挟んでました。

 そりゃ、動けないね。

 とりあえず、焦る。休憩時間終了まで時間がない。

 焦りました。当時はスマホなんていう便利なものはなく、歩いて徒歩15秒の本屋さんへ事情を連絡する手段も皆無です。きっと、社員さんは「バイトちゃん、遅いな~。遅刻だな~。」って思ってるだろうなぁ。ごめんなさい。どうしようもないんです。

 その時、一台の車が通りかかりました。思わず、手を振る私。

 車は通り過ぎていってしましましたが、運転手さんは、駐車場の女の子が手を振りながら自分の車をじっと見ていたことには気がついた様子。

 しばらくすると、Uターンして戻ってきてくれました。私と同じ大学生風の男性。

 「どうしましたか?」

 「スカートが挟まって・・・」

 彼は、車のドアにちょっと傷がつくかも、スカートがちょっと破れるかもと心配しながら、ドアに挟まれたスカートを器用に車から剥がしてくれました。

 何回もお礼を言い、走り去る車に深々とお礼をし、ダッシュで本屋さんへ戻りました。

 「遅い~」と叱られましたが、事情を話して全員大爆笑。

 全く冷や汗をかいた1日でした。


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