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7年ほど前、私は会社で昇級試験にチャレンジしていました。
試験内容は、
「論文」と
これまでの業績や今後の希望業務などを記入する「キャリアシート」の
2つを提出し、
それらをもとに面接を受けるというもの。

「論文」は、自分が幹部社員になって何に取り組むかをテーマにして
書くことになっていました。

私は、ここで、
何について書いたらいいのか分からなくなってしまいました。
必要だと思うこと、やるべきこと、
アサインされたことをただただ一生懸命にやっていたのは、間違いないです。

「自分が何をやりたいのか」分からなかったのです。


テーマ案を捻り出すのですが、
上司からは
「教科書的だね」
「面白くないね」
としかフィードバックをいただけないような
ひどいものしか思いつかなくて。

困って、当時の私にとっては高額の(いや、今の私にとっても高額の)、
ビジネスコーチの方に個別相談を申し込んだものの
「whyを語るんです」
「それはhowです」
「それもhowです」
「それもhowですね」
と繰り返されます。

「〇〇に取り組みたいです」と言い換えてみるのですが
・コーチ:「すると、何が起きるのでしょう?」
・私:「xxxですかね」
・コーチ:「すると、何が起きるのでしょう?」
・私:「えーと、△△△?」
・コーチ:「すると、何が起きるのでしょう?」
・私:「う〜ん、□□□かな・・・」
・コーチ:「すると、何が起きるのでしょう?」
(以下、同じ問いを受け続ける)

で、「すみません、ちょっとここで止めてもいいですか?」と
『すると、何が起きるのでしょう?』アタック」を止めてもらいました。
(同じ問いを聞かれ続けるの、しんどいですよね。
このとき、7回くらいは繰り返された気がします。)

他にもしんどいやりとりがあり、
途中でそのコーチの方のセッションは打ち切りとさせていただきました。

コーチの方とのセッションを打ち切った段階では、
まだ、「自分が何をやりたいのか」分からないままです。

では、当時の私に何て質問して
あげればいいのでしょうか???


おそらく、こう問いかけるのが
いいと思います。

「すると、『誰が』どうなると思いますか?」

そう、私の提案が実現することで
「誰」のビフォー・アフターにつながるのか?
「誰」がどう嬉しいのか?
という、対象を(当時の)私が意識できるようにすれば
いいのだと思います。

はたらく、とは「はた(傍)」を「らく(楽)」にすること。
他者貢献。
その、傍である「誰か」のことを考えるという基本的なことが
試験の課題提出の締め切りを前に
テンパっていた私には、すっぽりと抜け落ちていたのです!!!

問いとしては、
「すると、何が起きるのでしょう?」

「すると、『誰が』どうなると思いますか?」
の違い。

大きな違いは、「誰」っていうひとことが入っているか。
「それだけ?」とか
「相手のことを考えるのは、ビジネスとして当たり前じゃん」と
思われたかもしれません。

しかし、このひとことが、大きな違いを生みます。

先ほどのコーチの方は、ある意味正しい問いをしていて、
一般的には
「それは何のため?」とか「すると何が起きますか?」と
問いを重ねることで
目的的なものにだんだんと近づいていきます。
ただ、その時の私には効かない問いだったんですね。

その後、私は浅田すぐる先生の
「トヨタで学んだ『紙1枚!』にまとめる技術」という本に出会い、
浅田先生から直接「紙1枚」仕事術を学び、
今日の文脈で言うと
私に必要な問いをたててもらうことで
アッサリと自分の「論文テーマ」が「紙1枚」にまとまり、
昇級試験に一発合格することができました。


本音のキャリアを生ききる

過去の私のように、自分が「何をやりたいのか」わからなくなっている方もいらっしゃると思います。

目の前の方に、今、どんな問いをお渡しすることで
その人自身が自分の言葉で考えを言語化できるか、
そこがキャリコンやコーチ、ファシリテーターの
真価が問われるところなのだと
私は思います。

今回もお読みいただだき、どうもありがとうございました。
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