改革のスクリプト
「さて、あなたは何が欲しいのかな?」
丁寧に紳士的な言葉とはうらはらな、狡猾な表情を、わたしは気がついていたのだけれど。
「わたしのほんとうがほしい、誰にも邪魔されない、もちろんあなたにも」
その山羊に似た生き物はとまどい驚いたような見えた。
でも、気を取り直したように、優しく微笑みます。
「賢明かつ愚かな人の子よ。欲しいものを与えよう」
「その代償は?」
「永遠の平和」
「永遠の隷属ってことね」
「愚かな乙女よ」
「愚かな支配者よ。もうあなたたちの世界は終わりになる」
中指立ててやる。
そうしたら。
周りの景色が崩れていく。ゆがみ壊れ弾けて、
気がついたら、いつもと変わらないように見える、いつもの世界。
「なんだったんよ。いったい、、」って頭を掻きながら、いつものスマホを手にとったとき
「あ、世界変わったかもしれない」って、なんの根拠もないのにそう感じました。
おもしろくなりながら、水をラッパ飲みする。
終わった世界に中指立てて、さて新しい世界を始めよう。
どれほどまでに、つまらない世界に押し込められていた自分を、さていまからどれほどまでに解放してやろう。
次はどうやって暴れよう。
わたしを表現できるのは
わたしだけ。
わたしは、窓を開け放し
太陽を浴びる。太陽すらおずおずしてるかのよう。頬に触れる涼しい風を感じながら。
わたしはすべてに伝える。
「もっと遊ぼう」と。
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