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I'll Never Cry (from tomorrow)というアルバムについて #3 "sea/son"

3曲目はシーズン。

『sea/son』


ある朝涙で目が覚めたんだ 夢ではまだ肌寒かった

そよ風が窓を揺らす 外はぼんやり眩しい

春が来たなら遥か遠くへ旅に出かけよう

揺れる蜜蜂 花を啜り飛んでった


渚につけた足跡 波がさらうのを見ていた

手のひらが熱くって気付けば握りしめてた

夏が来たなら懐かしくなる 今日いる自分

渇いた砂をポケットの底とじ込める


太陽は踊ってる リズムで、プリズムで

追いかけて 追いついて 茜色に染まって

秋が来たって諦めきれず そう呟いて

伸びてく影の見えない顔に呼びかけた


終わらない終わりの中

音楽をやる上でジャンルに内包されてしまっては終わりだ。その時点で他との替えがきく存在となってしまう。大切なのは常にその枠をやぶろうとし続けることで、ハートへの引っかかりはそこに生まれるにちがいないと信じている。この曲ではそのようなもがきを感じとってもらえれば幸いだ。正直、まだまだ磨いていける部分だということもわかっている。好きな色の羽根を集め、いずれはかざぐるまとしてしっかりとひとり立ちをする。それが理想だ。


このアルバムではとにかく野外を歩きながら歌詞を考えた。そしてその時の空気や目に映ったものがINCの曲群にはよく滲み出ていると思う。
この曲に関しては特にそのようでこの文章を書いている今も、本当に様々な日付、時間帯、景色、その時のスピードなど刹那的ながらはっきりとした像が多く結ばれる。
それがあなたにとっていかほどのものかはわからない。いや、価値などないかもしれない。なぜならあなたにはあなたの人生があるのだから。願わくばこのアルバムに散らばっている演奏やメロディーや言葉を画材としてあなた自身の新しい風景を創造していただきたい。

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