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I'll Never Cry (from tomorrow)というアルバムについて #6 "white heaven"

折り返し。ホワイトヘブン。

『white heaven』


この街で一番 高い塔に登る

グライダーみたいに両手を広げて

幽かな鼻歌 知ってるようなメロディ

振り返してみるけど

そこには誰もいなくって


死神が微笑んでいるような白昼夢

white heaven

襟足が触れてくすぐったくて走るよ


世界中で一番 泣き虫な君に

手紙を書いて風に託すよ

悲しい思い出はほんのちょっとでいいさ

いつかまた会えるだろう


波打ち際、映る影に

手を伸ばしても


死神が微笑んでいるような白昼夢

white heaven

襟足が触れてくすぐったくて la la la la la

三日月が涙をこぼすような虫の夜

white heaven

いつの間にか眠りについてたんだろう

この曲でアルバムは一気に切実なモードに切り替わる。それまで盛大にひらかれていたものたちが一気に胸元へと距離を縮める。

歌詞は平日の昼間の公園で書いた記憶がある。それこそ平日の昼間の公園というのは天国のようだ。ほぼ誰も姿を見せず、時々出会うのは毛むくじゃらな犬を連れた老人ばかり。そんなだから「あれ、自分生きてたっけ」とふと思ったりなんかする。
だけれど、生と死との距離感など常にそのくらいであってほしいものだ。《生》と《死》というのは対極を示すような言葉として存在する。けれどそんなにはっきり分けてしまっては、いざ死に直面したときに辛いことが多い。たとえ身体は死んでしまってもあなたの魂は絶対にこの世に残り続ける。たとえばそれはおりてくるメロディとして。じゃないと説明がつかない。だから自分は誰かが死んでしまっても悲しまない。きっと向こうにも音はつながっている。歌は届くと信じている。

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