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I'll Never Cry (from tomorrow)というアルバムについて #4 "Departure"

4曲目はデパーチャー。

『Departure』


いつも燃え尽いたようなスニーカーで

今を踏み締めて

影に運ばれてくスピードで気を紛らわせた

(sweet day)

水を切り飛ぶ石のようにすべて振り落とし

そして、たどり着いた星空の下 眠りにつけばいい


旅が終わるころ 音も無くなろう
ロケットスタートさ 繰り返す何回も
いつかは雪も溶けきって そう…


(smashing)

傷だらけのイルカは今日も空に憧れる

いっそその涙で世界中を覆いつくせたら


地平線遠く目を滲ませる

トップスピードさ 振り返ることはない
いつかは蕾も笑って そう…


蜜柑色の夢に溺れて

朝なんて来ないって誤魔化していた でも


ロケットスタートさ 繰り返す何回も

いつかは蕾も笑って 握りしめた手も解いて

トップスピードさ 振り返ることはない

いつかは雪も溶けきって

そう歌ってる 小さな部屋で

ただ口ずさむ 窓辺にかけて そう…

NITRODAYの1st『マシン・ザ・ヤング』のリリースは2018年だ。その次となる今作までにどうしてこれほどの期間が空いてしまったかというとつまるところ一点、歌でしかない。
この度、バンド音楽をやる上での肉体性というものを強く認識させられた。頭のなかでどれほど自由な音楽を描こうが結局はそれを再現できる喉、腕と手、あるいは全身が必要となる。
恥ずかしい話ではあるが当初スタジオ盤を予定していた今作をライブ盤に切り替えたのもそのことが関係している。現状の実力ではライブテイクの熱量と無二性に懸けることがベストだと判断した。

遥か険しい道のりになるかもしれないが、今後の当面の目標は思わずため息がもれるようなスタジオ盤を作ることだ。

この楽曲はそのような心のテーマと言ってもいいかもしれない。いつかは雪がすべてとけ、蕾は破顔する。そんな光景が止まりかけた足を何度も何度も、たとえ引きずりながらであっても前へと進めてくれる。
この"再生"という今作における通底したイメージの真芯を担ってくれているのがこの曲だ。

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