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I'll Never Cry (from tomorrow)というアルバムについて #7 "homerun!"
7曲目。ホームラン。
『homerun!』
ゆき場ないなら君をボールに込めて
ホームランしてやる、ホームランしてやる
流れゆくあの雲に憧れたって
すり抜けて叶わないこともあるって
突き刺さった夏の氷
騒ぎ立てるつばめたち
飛び上がった白球は青空に消えていった
渇いた砂をかき集め
限りなく数えてる
誰もこの夢を見れない 誰の夢にも届かない
それでも、それなのに この星は回ってる
走り出した後ろには砕け散った梅の実と
襟足をさわる風 踊り出す水飛沫
突き破った薄い氷 太陽が眩いんだ
飛び上がった白球は青空に吸い込まれていった
ホームランしてやる
もうかなり昔の話になるが5年前、前作のアルバム『マシン・ザ・ヤング』を作り終えたとき、自分が曲を作るということは今後ないだろうと思っていた。
それだけ一枚に懸けていたということだし、短絡的だったとも言える。けれどもその次を見せてくれたのがこのホームランだ。このアルバムのスタート地点と言ってもいい。ずっと水の中でもがき苦しんでいたところを大空へと引っ張り上げてくれた。
だがそこでやっと叶った息継ぎをまた捨てることになる。今回のINCに関しても作っている最中、気付いたらどんどんと深い海底まできていてもういよいよ力尽きてしまうことを覚悟した。一時はもはや気を失っていたかもしれない。なんとか周りの助けもあり、みずから息を整え、新鮮な空気をいま吸っている。
最低なほどに擦り切れながらぐしゃぐしゃに作ったアルバムだ。
最低なほどに擦り切れながらぐしゃぐしゃに生きているあなたに届いてくれたら、ほんの少しの嬉しさを想像としてもつことができる。
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