ユキ|枯れない花をあなたに

あなたは、あなたのためだけに咲く花を見たことはありますか? 「こころに花を咲かせよう」…

ユキ|枯れない花をあなたに

あなたは、あなたのためだけに咲く花を見たことはありますか? 「こころに花を咲かせよう」をテーマにWebライター•デザイナーとして活動しています。

マガジン

  • 小説 ムメイの花

    連載小説。 主人公は、感情を忘れたムメイ人 アルファ。 彼は「1本の花」を片手に 「自分の答え」を追い求めていく。 人それぞれ違う、生きる意味。
もし、あなたが聞かれたら何と答えますか? 喜怒哀楽なこころを彩る、 個性豊かなキャラクターたちにもご注目。

記事一覧

小説「ムメイの花」 エピソードゼロ 使命の花

東京都内の駅ビルにある花屋。 私は母の日のような特別なイベントがなければ花屋で花を買うことはない。買ってもどうせ枯れてしまうし、水や温度管理をしなければならない…

500

小説「ムメイの花」 #46繚乱の花(最終話)

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 首からはデルタのカメラを下げている。 今日、僕はこれから地球へ向かう。 僕のおじいちゃんや 大好きなデルタも 地球に…

小説「ムメイの花」 #45満点の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 ムメイにあのときと同じ朝が戻ってきた。 右手に持つ花は今朝、 家の屋根から摘み取ったもの。 それぞれの方法で ムメイ…

小説「ムメイの花」 #44奇跡の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1枚の花の写真。 ブラボーとチャーリー、 僕たち3人は花を咲かせるべく 日々それぞれ活動を続けていた。 ムメイの街に花の写真を飾…

小説「ムメイの花」 #43比較の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 昨日、花の灰を チャーリーの庭の一角に撒いた。 今朝は花が開花しているか確認をする。 そのために5時に撒いた場所で ブラ…

小説「ムメイの花」 #42期待の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 今朝もデルタのカメラを首からかけ、 花の灰について考えを巡らせていた。 「おーい、アルファ。おはよう」 不思議なこと…

小説「ムメイの花」 #41手がかりの花

「これは覚えのある、あの香り……」 指についた香りは えぐみや苦み、青臭さを感じさせ、 一瞬にして何事もなかったように消えた。 代わってどこか懐かしい思い出が蘇る…

小説「ムメイの花」 #40偶然の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 ムメイに花を蘇らせるために動き出すも、 花に関する情報を掴めない日々を送っていた。 少しばかりので良いのに、情報はゼロ…

小説「ムメイの花」 #39挑戦の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 花の代わりに、首からカメラをかけている。 ブラボーとチャーリーに許しを乞いに行った昨日、 僕は2人からデルタのカメラを…

小説「ムメイの花」 #38希望の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 いつもの朝より背筋が伸びやすい。 なぜなら昨日の朝、 自分なりの花の答えを見つけた気がしたから。 そしてそれが夢にもな…

小説「ムメイの花」 #37意味の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 僕は今朝、寝ていたときに見た 夢のことについて考えていた。 今朝の夢は鮮明に覚えている。 いつもなら夢なんて見ないか、…

小説「ムメイの花」 #36夢中の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 僕は今朝、久しぶりに家の前に立っていた。 ただ空を見上げる。 本来ならロケットが飛んでいくはずの空。 どこまでも遠く、…

小説「ムメイの花」 #35有り難みの花

朝の日課。 家の前には…… これまでの僕とは違う。 家の前には立たない。 右手に花もない。 目が覚めてからも しばらくベットで寝転がっていた。 寝た気はせず、1日を…

小説「ムメイの花」 #34後悔の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 ミツメ山から帰ってきてから数日の間、 デルタは姿を見せることはなく フェアリーズの活動にも参加していなかった。 花の意…

小説「ムメイの花」 #33運命の花

僕たちフェアリーズは 花を探しにミツメ山へ。 『ハイルナ モドレ』の看板を目の前に立ち止まる。 看板が立てられた所には大きな切り株があり、 切り株を中心に4本に道が…

小説「ムメイの花」 #32本音の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手に花はない。 人通りが少ないムメイの朝。 地球に向かうロケットは 飛ばなくなってしまった日々。 僕の前を通り過ぎるムメイ人が 挨拶を…

小説「ムメイの花」 エピソードゼロ 使命の花

小説「ムメイの花」 エピソードゼロ 使命の花

東京都内の駅ビルにある花屋。

私は母の日のような特別なイベントがなければ花屋で花を買うことはない。買ってもどうせ枯れてしまうし、水や温度管理をしなければならない。同じ額を出すのなら甘いカフェラテでも買いたい、なんて。

小さい頃はお花屋さんになる!と七夕の短冊に書いたっけ。でもそれは小さいながらに理解していた「子供だから許してもらえる」みたいな感覚だったのを覚えている。

って、いつの間につまら

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小説「ムメイの花」 #46繚乱の花(最終話)

小説「ムメイの花」 #46繚乱の花(最終話)

朝の日課。
家の前に立つ。
右手には1本の花。

首からはデルタのカメラを下げている。

今日、僕はこれから地球へ向かう。

僕のおじいちゃんや
大好きなデルタも
地球に行ったとされている。

そして地球には
見ると必ず感動するという
花が咲いているらしい。

地球人の言葉が理解できるか、
正直他にも不安はたくさん。

だけどそんな花が咲く場所に住む地球人だ。

困ったときにはこの右手の花を差し出

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小説「ムメイの花」 #45満点の花

小説「ムメイの花」 #45満点の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手には1本の花。

ムメイにあのときと同じ朝が戻ってきた。

右手に持つ花は今朝、
家の屋根から摘み取ったもの。

それぞれの方法で
ムメイに住む人たちが1日を始め、
街は動きだす。

地球へ向かうロケットも飛ぶようになり、
ロケットが発射する音が街中に響き渡る。

あのときと違うことを挙げれば、
僕がカメラを首からかけていることくらい。

そんな今朝は右手がだるい。

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小説「ムメイの花」 #44奇跡の花

小説「ムメイの花」 #44奇跡の花

朝の日課。

家の前に立つ。
右手には1枚の花の写真。

ブラボーとチャーリー、
僕たち3人は花を咲かせるべく
日々それぞれ活動を続けていた。

ムメイの街に花の写真を飾ったり、
花の灰を撒いたり、
ぱんぱん、ありがとうを忘れず
今度こそ諦めることはなかった。

活動初日、咲かない。
そりゃ初日だ。

3日目、咲かない。
まだ3日目だ。

……1ヶ月目、咲かない。
頑張れ、と自分に言い聞かせている

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小説「ムメイの花」 #43比較の花

小説「ムメイの花」 #43比較の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

昨日、花の灰を
チャーリーの庭の一角に撒いた。
今朝は花が開花しているか確認をする。

そのために5時に撒いた場所で
ブラボーとチャーリーと
待ち合わせの約束をした。

早朝に待ち合わせするなんて
人生で何度あるだろう。

デルタのカメラも
首からかけて準備万端。

5時まで少し時間があることを理由に
集合場所へは行かず、家の前に立っている。

緊張

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小説「ムメイの花」 #42期待の花

小説「ムメイの花」 #42期待の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

今朝もデルタのカメラを首からかけ、
花の灰について考えを巡らせていた。

「おーい、アルファ。おはよう」

不思議なことが起こったあの本を抱え
ブラボーが走って来る。

そしていつものように
石に躓き本を落とす。

毎日躓く石も、あの本に劣らず不思議だ。
ブラボーが不思議の源なのか……

石やブラボーの謎については
花の灰の件が片付いてからにしよう。

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小説「ムメイの花」 #41手がかりの花

小説「ムメイの花」 #41手がかりの花

「これは覚えのある、あの香り……」

指についた香りは
えぐみや苦み、青臭さを感じさせ、
一瞬にして何事もなかったように消えた。

代わってどこか懐かしい思い出が蘇る。

頭に浮かんだイメージは
CHAPLINの主人との出会いや
いつもの仲間との毎日のやりとり、
別れ、再出発。

さらに体が何かに包まれる記憶……。

僕は地面に放り投げられた本を拾い、
ブラボーの元へ。

ブラボーは自分の本が動い

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小説「ムメイの花」 #40偶然の花

小説「ムメイの花」 #40偶然の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

ムメイに花を蘇らせるために動き出すも、
花に関する情報を掴めない日々を送っていた。
少しばかりので良いのに、情報はゼロの状態。

その代わり、日々増えていくものは
拳をつくった僕の右手の写真。

デルタのカメラを使って
見えない花を右手に握り、写真に収めている。

右手に花がいつ戻ってきても困らぬよう、
撮影のイメージトレーニングをしているんだ。

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小説「ムメイの花」 #39挑戦の花

小説「ムメイの花」 #39挑戦の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

花の代わりに、首からカメラをかけている。

ブラボーとチャーリーに許しを乞いに行った昨日、
僕は2人からデルタのカメラを預かった。

せっかく手元にカメラがあることだし、
何かを撮影しようと試みる。

ところが実際やってみると
何を撮ったら良いんだろう?と悩んでしまう。

カメラを覗いていると誰かが走ってくるのを感じた。
多分、いや。100%ブラボー

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小説「ムメイの花」 #38希望の花

小説「ムメイの花」 #38希望の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

いつもの朝より背筋が伸びやすい。
なぜなら昨日の朝、
自分なりの花の答えを見つけた気がしたから。

そしてそれが夢にもなった。

僕の夢はムメイ人……いや、
『全ての人の隠れたこころを知り、
 他の人にも知ってもらえるようになる』こと。

これまで人と人との間にあった花は
こころが花と化したものだとわかったんだ。

お互いのこころを感じ取ることができ

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小説「ムメイの花」 #37意味の花

小説「ムメイの花」 #37意味の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

僕は今朝、寝ていたときに見た
夢のことについて考えていた。

今朝の夢は鮮明に覚えている。
いつもなら夢なんて見ないか、
見ても起きてすぐに忘れてしまうのに。

夢の中の僕がいたのはミツメ山。

フェアリーズのみんなと一緒にいた。
話題はそれぞれの「将来の夢」について。

夢はそれぞれだった。
注目されたい。
偉い人になりたい。
写真に収めたいものが

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小説「ムメイの花」 #36夢中の花

小説「ムメイの花」 #36夢中の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

僕は今朝、久しぶりに家の前に立っていた。

ただ空を見上げる。
本来ならロケットが飛んでいくはずの空。
どこまでも遠く、広い。

せっかく何もない空を見ていたのに
鳥が飛ぶ姿が視界に入ってくる。
しかもまた何か咥えているじゃないか。

鳥のヤツ……

あいつのせいでブラボーとの会話中にパンを盗まれた。
あいつに花を咥えていると惑わされたせいで
花を追

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小説「ムメイの花」 #35有り難みの花

小説「ムメイの花」 #35有り難みの花

朝の日課。
家の前には……

これまでの僕とは違う。

家の前には立たない。
右手に花もない。

目が覚めてからも
しばらくベットで寝転がっていた。
寝た気はせず、1日を始める気力なんてない。

いやいや重たい頭を上げ
ベットから起き上がり部屋の窓を開けた。

もしかしたら
花が咲いているんじゃないかと頭によぎる。
屋根に手を伸ばそうとする僕。

同時に街のどこかに
カメラを持っている子がいないか

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小説「ムメイの花」 #34後悔の花

小説「ムメイの花」 #34後悔の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

ミツメ山から帰ってきてから数日の間、
デルタは姿を見せることはなく
フェアリーズの活動にも参加していなかった。

花の意味や花が咲かなくなってしまったことよりも、
ミツメ山でデルタが集合場所に来なかったことを
頭の中でぐるぐる考えていた。

ブラボーとチャーリーは
僕の元へいつものように集合した。

「おはよう。ブラボー、チャーリー」
「おはよう、ア

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小説「ムメイの花」 #33運命の花

小説「ムメイの花」 #33運命の花

僕たちフェアリーズは
花を探しにミツメ山へ。

『ハイルナ モドレ』の看板を目の前に立ち止まる。
看板が立てられた所には大きな切り株があり、
切り株を中心に4本に道がわかれていた。

ブラボーは僕を見て言った。
「アルファ、この先はどうする?」
「もちろん、行こう」

チャーリーも会話に参加する。
「進むとはいえ、道は4本あるよ。
 どうすんのさ?」

しばらくの間、僕は静かに考える。

バニラに

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小説「ムメイの花」 #32本音の花

小説「ムメイの花」 #32本音の花

朝の日課。
家の前に立つ。
右手に花はない。

人通りが少ないムメイの朝。
地球に向かうロケットは
飛ばなくなってしまった日々。

僕の前を通り過ぎるムメイ人が
挨拶をしてきた。

「 おはよう、アルファ!
 いつになってもお前は無表情だな。
 
 ロケットが飛ぶと嘘が日常になって、
 ムメイも物騒になったもんだ 。

 ひょっとしてお前が
 花と睨めっこしていたせいか?
 まぁ、良い1日を! 」

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