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フランスの鶏さんとプーレロティ

良くお肉屋さんやマルシェで、鶏の丸焼きがくるくる回っているのを見かける。

その名も、poulet rôti(プーレロティ)。

初めて買ってみた。
(初めて買ったという事実に驚く…どうして今まで買わなかったのだろう)


小規模の養鶏場で、餌や飼育方法の規定を満たす鶏は、poulet fermier(プーレフェルミエ)と呼ばれる。
この言葉を目にする度に、私の頭の中には、鶏が雄叫びを上げながら自由に走り回っている姿が思い浮かぶ。
雄叫びは、ココリコー!
フランス人にはこう聞こえるらしい。
色々おもしろい。


もう一つ、プーレロティを目にしたら思い出すのが、パリ在住の川村明子さんの『日曜日はプーレ・ロティ』。料理にまつわる本の中で、好きな一冊だ。

私は高校生の頃、一年フランスに留学していたのだが、明子さんも本に綴っているように、とあるホストファミリーも週末のランチはいつも決まってプーレロティだった。付け合わせはプーレロティと一緒にこんがり焼けたじゃがいも。

このホストファミリーは、子供は4人という大家族で、両親は2人揃って医師。多忙な日々にも関わらず、家族皆で囲む食卓には、いつもホストマザーの美味しい手料理が並んだ。
唯一の例外が週末。
マルシェのプーレロティだ。
買ってきて早々に、熱々をホストファザーがそれぞれのお皿に切り分けてくれた。


色々な思い出と共に、我が家もこの週末は家族でプーレロティを囲んだ。

県内で(のびのびと…は私の想像)育ったpoulet fermierの丸焼き。
ひたすら美味しかった。

ありがとう。
ごちそうさまでした!

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