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「手書きの張り紙」が好物。


みんないろいろと好物が沢山あると思います

でも、食べ物以外の好物の話ってあんまりしないと思います。

食べ物だったら共感を得ることも多いしね!

でも、味覚以外の感覚で好物なもの。誰にでも必ずあります。


突然ですが私は手書きの張り紙が好物です。

クリスマス前にくだらん話をしますが

たまに、好きでたまらないのです。


街って人間によって創られているので

ちょっと病んでいてナイーブな状態で歩いていると
(※わたし、大丈夫ですよ。みんなあるよね、そんな時。)

感覚が敏感になっているので

街の中にあるひとつひとつのものから

それを創った人間の意思とか意図とか感じませんか?

ちょっと繁華街とか歩いてると色々なものが発するパワーが凄すぎて

いや、てんこ盛りすぎて

たまにむせそうになります。

(みんなあるよね。。?汗)

その中でも手書きの張り紙の力はダントツです。

百聞は一見にしかず。

これ、お気に入りの張り紙。

わかりますか?えっ、わかりにくいですか。。汗

これすごく、ぐっとくる。

この、常識で綺麗にそろえた日常に切り込んでくるこの破壊力。

えっ、わかりにくいですか。。汗

これは前の職場のちかくの中華料理屋さんの張り紙です。

当時まだ新しくて中国人の方ばかり働いているようなお店でした。

なんだろう。。なんだろう。。

つっこみどころは沢山あるけど、

この字のヘタさが私の心をつかみにくるよ。笑

もうよく解んないけどこれを見た時点で私はあなたのことが大好きだよ!

って心境になります。

「ごめんなさい」とヘタだけど丁寧な字で書いてあるのが

。。ぐっとくる。

(子供に謝られてみたいでぐっとくるのかな?)

少しずつ早くなってるなんて良い事だ。感動。

そして、少し出来るようになった事をこうやって張り紙で

道ばたの人に報告してくる。。なんでそんなに可愛いんだ!!

そして〆の

「来てください。」が

もぅ、100点で完璧。

行きます!!

わたしは完璧にあなたが好きだよ!

待つよ!ぜんぜん待つよ!!あなたの料理が食べられるなら!笑

名古屋に住んでる方、ちなみにこの中華料理店は伏見の長者町にありますので
是非行って下さいね。(アバウトな情報)


たぶん、手書きの張り紙って不器用な人が

どうしても伝えなきゃいけない事があるときに

書いて貼るものみたいです。

スマートな人はスマートな方法でデザインして印刷して貼りますからね。

なので、手書きのやつは一見普通に見えてよく見ると、

書いてある事が凄く特別です。

たまに度を超して斬新です。(良い意味でも悪い意味でも。)


最後にもうひとつ、これも私の大好きな手書きの張り紙です。

どうぞこちら。

これは私の家の近所のそば屋さんの張り紙です。

これを初めて見た時にすごくすごく気になりましたよ。

おじちゃん。。なんでこんなに空白開けた??

これってメッセージを書いて欲しいっていうフリだよね?。。フリなんだよね??

だって伏せておくのも可能なのに「急病のため」ってわざわざ書いて

その後に、この空白。

これ間違いなく私だけじゃなく道ゆく皆が同じ事を思っていたよ!

このそば屋さんは小さな古いお店で

もの静かなおじいさんが一人で営業されています。

私が小さい頃からずっとあって

お店に入ったことはないんだけど、最寄り駅から家に向かう途中にあるので
思い返せば、なんとなくいつもこのおじちゃんの気配を感じる生活を送っていました。

おじちゃんもう歳なので店はそこそこで閉めて店先に立ってタバコとか吸ってたり、なんか眺めたりしてよく休憩してました。

ここの道にこのおじちゃんがいつも「いるな」っていう安心感が意外とあったみたいです。

おじちゃんがこの張り紙を残して消えた時に急に気がつきました。

おじちゃんがいつ帰ってくるのか結構気になります。

道におじちゃんが立っていてくれないとなんとなく寂しいんです。

毎日この店の前を通る度、おじちゃんが帰ってきていないかチェックのチラ見をするのが日課になりました。

私の住んでる場所は某国立大学のちかくです。

学生さんがいっぱいの学生の街です。

はっきり言って「蕎麦」なのでそんなに学生が入る様な店ではないのですが

学生も皆、わたしと同じように毎日そこを通る度

おじさん帰ってきたか確認のチラ見をしていました。

やっぱり、みんな気になるんだよね。

サラリーマンのおじさんも。

老若男女、通行人の気持ちは皆同じでした。

そして

毎日皆、同じことを悩ましく思っていたでしょう。

ずばり、

おじさんが残した気になりすぎる空白スペース。

無言の「フリ」。

さあ、このフリに答えるのは誰か。おじさんにメッセージ書きたい。

これ誰か絶対書くよね?

早く誰か書いてくれ。

誰か書いたら私も書くよ。早く書いてくれ。

まだなの?

モヤモヤするわ。誰か早く書き始めてくれ。

毎日店をチラ見する度、目に飛び込んでくる空白。

やるかやらないか。

通行人一同を悶々とさせていたこと間違いなし。

誰が一番に書くんだよ。という、無言の空気が流れていました。

おじさん多分、奇跡的に天然で無意識にこの空白つくってるからね。
いや、バランス悪すぎでしょ。

おじさんの奇跡的なバランス感覚の無さがこんなにも通行人を悩ましていたなんて

きっとおじさんは知らないだろうよ。笑

1ヶ月ほどたったある日、

ついに、勇者が現れて

この沈黙をやぶってくれました。

見えますか?

「お大事に!また来ます。 matt 」

。。。

まさかのmatt。笑

まさかの外人。

ここ国立大学だから留学生がものすごく多くて

特にこの道の先に留学生寮があるから、いつも外国人がわんさかしてるので、わからなくもない。

ここの留学生は日本語勉強しに来てるんじゃなくて

日本語も喋れて、かつ何かの研究をしているような超絶頭いい人ばかりです。

だれですかこのmattは!

結婚してください!!大好きです。

mattが先陣を遂にきってくれて感動してこの写真を撮りましたが

その翌日から

待ってましたとばかりに

どんどんメッセージが増えました。

しまいには、

空白スペース埋ってしまってもう書けないほどです。

(その写真は残念ながら無いのですが)

そうそう

さらにその1ヶ月後くらい。まだおじさんは帰ってこず。

猛烈な台風がありました。

このメッセージいっぱいの張り紙ですが

剥がれそうになってました。

いかん、あんなに皆を悩ませて寄せ書きが完成したのに

これが剥がれてはいかん!と思ったけどテープとか持ってないので

気になりながら帰宅しました。

翌朝通ると、誰かが完璧に何枚もテープ重ねばりしてくれてました。

あかん、ここに住んでる人たち超いい人たち。

無言の連帯感です。

この台風を超えて私たちの連帯感は強くなりました。

おじさんですが、3ヶ月後くらいに急に帰ってきました。

手書きの張り紙も剥がされてました。

おじさんから感想も何もありません。

(当たり前ですが)

いいんですよ期待してないから。

空気みたいなおじさんが帰って来てくれて一同、とっても嬉しい。

でも、普段感じたこと無いけどここに住んでる人たちいい人だなって

特別な方法で感じれてとても嬉しかった。

そして本気でmattと結婚したいけど、どこに問い合わせればいいだろうか。

よし。

なにか貼るか。

(いつも変なおばさんの一歩手前)

ちなみにおじさん元気に営業再開してます。


撮り貯めた大好きな手書きの張り紙の写真コレクションが
iphoneの中にもっともっと沢山あったのですが

フィリピンでiphone壊れてすべて無くなりました。。悔やまれます。

これからも歩行者からの不信な目に負けず

好物な手書きの張り紙は堂々と写真を撮る事を誓います。

みなさんの好物は何ですか?


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