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コーヒーを淹れるひとときの幸せ

ふだん、コーヒーはあまり飲まない。
ごくたまに、喫茶店やカフェで飲むことがあるか、訪問先で出されて飲むくらい。基本的には日本茶ばかり飲んでいる。

そんな私が、昨年末近くに
お店番手伝いをすることになり、
コーヒーをハンドドリップで淹れる機会をいただいた。

人生で初。

「コーヒーください」と注文を受けて、
ギーコギーコと豆を挽いて、
ドリップ用ポットに入れたお湯を
コーヒーに注いでいく。
その動作をなんとなく見たことはあっても、自分でやるのは初めて。
見よう見まねで、自分の中にあったイメージのようにやってみた。

ちょっとずつ、蒸らしながらお湯を注いでみる。
きっと、気持ちが大事だろうと、おいしくなぁれと思いを込めつつ。

ちょうど、コーヒーのドリッパーに、
落ちかけたやわらかな陽の光が注ぎ、
コーヒーを淹れるその瞬間、
まるで時が止まったかのようで。心休まるひとときだった。
とても幸せな時間だ。

帰りには、「おいしかった」というひとことも、もらえた。

コーヒーをほとんど飲まないので、
なんで世の中には、あんなにコーヒー屋をやりたい人が多いのかと思っていたけれど、あのコーヒーを淹れる時間は楽しいもので、そして愛おしい。

たかが2杯しか淹れていない私でも、
なんで、みんながコーヒー屋をやりたがるのかが、わかるような気がした。

コーヒーを誰かに淹れるという
機会をいただいたことで、
自分が楽しいと思うことがひとつ増えた。それがまたうれしい。

今までやってきたことって、もしかしたらまだまだ少なくて、新たにやってみたら、今一番好きだということより、楽しいと感じることもあるのかなぁと考えたりしながら。

やりたいことがあるのは幸せだけど、たくさんみつけすぎても人生の時間が足りないなぁ、てのもある。

やらないという潔い選択をすることで、
より深く物事がみれるようになるということもあるだろうからね。

今さらだけど、
そんなことを年の瀬にふと、考えたりしていた。



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