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#05スケートパークリサーチ|秋田県にかほ市金浦

訪れた先でGoogle Mapを検索し、見つけたスケートパークを訪問してみる「スケートパークリサーチ」。レポート#05はついに秋田県内。2023年春の利用開始を目指して行政がスケートパークの整備を決めたにかほ市金浦。漁港脇の公園内駐車場にスケーターたちがDIYでつくりあげたパーク。

基本情報

  1. パーク名:湾頭公園駐車場(通称:金浦スケートパーク)

  2. 所在地:秋田県にかほ市金浦南金浦

  3. 設置者:にかほ市(にかほ市はあくまで公園内の駐車場として設置)

  4. 設置年:不明

  5. 管理者:にかほ市観光課(にかほ市はあくまで公園内の駐車場として管理)
    ※駐車場に地元スケーター有志が自作のセクション等を設置し、維持管理を行っている。

  6. 面積:不明

  7. 営業時間:特に定めなし(照明がないため夜間の利用は困難)

日本全国のスケートパーク等の情報の網羅サイト「スケパ」には情報の登録なし。

観察ノート

訪問日時:2022/8/14(日)14:00~15:00
利用者数:5人

  • 港に隣接された広場の一角が、市の許可を得てスケートパークとして使われている。背後には住宅街あり。

  • DIYのセクションが多数設置されている。

  • 行政としてはあくまで公園内の駐車場の位置付けとしている。ここがスケートパークであることを示す看板や、ルールについてのサインはなし。唯一「近隣の迷惑になるので大きな声を出さないでください」(にかほ市観光課)のサインがあり、その下に手書きで「ゴミは持ち帰りましょう」と追記。
ゴミは全く落ちていなかった。

DIYでつくられたセクション
今日がパークデビューの小学生
ここではじめて出会った人たちでも、スケートボードを切り口に言葉を交わす

スケーターからの聞き取り

今回初めて利用しているスケーターに声をかけて話を伺った。声をかけたのは、小学2年生の子供を連れてきていた会社員男性と、青年男子2名(19歳と21歳)。

  • 小学2年生は、今回が初めての利用。スケボーも、お父さんがテレビでみて格好いいと思い仙台のセカンドストリート(もしくはハードオフ)で2〜3日前に購入。ここにスケートパークがあることは知らなかった。

  • 19歳の子のスケボー歴は5歳から。8年くらい前からこのパークで滑っている。お父さんが自分がスケボーをやりたくて、ここを使い始めるようになったそう。セクションのDIYもお父さんたちが中心にやっているそう。ムラサキスポーツが主催する体験教室が開催される際には講師を務めている。

  • 21歳の子は3年くらい前からスケボーを始めた。それ以前は釣りが趣味だったが、スケボーを始めてからはスケボー一筋。雨の日は秋田市の地下道で滑ったりしている。「狂っています」と表現するくらいにのめり込んでいるそう。

  • パークに来て、いろんな人に出会って、そこで緩やかなネットワークが形成されている。インスタで繋がって、スケボーイベントの情報などを入手。にかほや本荘界隈の競技人口は20-30人くらいではないか。女性のスケーターは全く見ない。青年たちは7/9の文化創造館のイベントにも来ていた。イベントに集まっていたスケーターも皆知り合い。


  • 子供の頃からスケボーをやらせた方が良いというのは、恐怖心がないうちにできるから。大人になった今でも、怖いと思う瞬間はたくさんある。

  • スケボーをやり始めても続かない人も多い。それは滑る場所がないこと(滑れる場所を探してもクレームがきて出て行かざるを得ないため)や、ジャンプやさまざまなトリックができるようになるためのハードルが高く、途中で挫折する人も多いから。

  • 県南にパークがほとんどない。秋田市くらいにパークができるといい。

  • 山形はパーク設備が充実しているので競技人口も多い。プロを目指す人たちも多い。秋田にも整備されれば、競技人口は増えるだろう。

正式にパークが整備されることに

にかほ市観光課は来春オープンを目指して1000平方メートルのパーク整備を予算化(一部スポーツ振興クジtotoの補助金)。こちらの金浦のパークについては、近隣住民から何度かクレームが寄せられたことと、アウトドアスポーツを用いた既存の市のブランディング政策の中でスケボーの活用を決定したことから、別の市有地を利活用してパークを整備するそう。

秋田市文化創造館を利用するスケーターに向けて追加のルール整備を行い、安全管理を強化するよう秋田市からお話をいただいていたことから、先行するにかほ市の事例が参考になるのではと、担当課にヒアリングする機会を設けた。その中で、パーク整備に至る経緯や整備に向けて地元のスケーター有志団体の協力を得て細かな検討を進めているということを伺うとともに、今後に向けて情報交換の継続をお願いした。

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