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16. 行ったり、来たり

3月の大カタルバーを終えて以降、これまで起こした波紋への応答かのように、幾つかの出来事が連続した。

一つ目は、街をテーマにした映画上映や対話の場を設けることができないかとの企画のご相談をいただいたこと。この作品(作品名は伏せておく)は、実は昨年スケートボードのことが話題になり始めた頃から、文化創造館で上映ができないかと何人かのスタッフと話していたもので、上映の提案が持ち込まれるに至ったのは素直に嬉しい。

二つ目は、スケボーの歴史やカルチャー、スケーターの考えについて教えを乞う機会を得たこと。

このnoteを読んでくださっている方に時々出くわすのだが、「ちょっとズレてる(ところもある)」と正面切ってご意見くださったのは初めてで、大いに刺激を受けた。
最初は、館内においているスケーター向けのアンケート用紙の裏紙に、これまた館内にあった緑色のクレヨンを使って、これまでの文化創造館の試行錯誤ぶりや、スケートボードというカルチャーについてなどを何枚も手書きでまとめたメモを事務所に届けてくださった。その次の日、「昨日のは殴り書きだったので」と、改めてA4用紙2枚に隙間なく想いを綴った文書を届けてくださった。

両日とも私は打合せなどで席を外しており、代わりに対応したスタッフから、メモを受け取る際にかわした言葉などを聞いて、感心していたのだった。特に心を揺さぶられたのは「秋田市文化創造館の前にスケーターが集っている光景が、秋田で生きる選択の幅が感じられた」という言葉。これこそ、文化創造館が目指していること(の一つ)ではなかったか。

2回目の手紙を受け取ってから日をあけずして、直接お会いする機会にも恵まれた。ストリートに出るスケーターの覚悟や、それまでの厳しい鍛錬についても教えを乞うた。その覚悟や鍛錬を理解するためにも、スケボーをやることを強く薦められた(が、まだチャレンジしていない。すいません)。

そして三つ目は、以前文化創造館周辺で滑っていたスケーターが活動場所を変えたことによる余波である。今春に入ってから、彼らは、文化創造館から歩いて5分ほどの広い空き地に集まって滑るようになっていた。マンションも隣接する地域で、空き地の管理者は行政なのだが、文化創造館にも何らかの対応ができないものかと相談の問い合わせがしばしば寄せられている。行政の担当課に連絡を入れたりと、こちらも試行錯誤をつづけている。

最後となる四つ目は、より具体的なアクションを起こしたいという方からの相談。縦横につながりの弱い秋田市内のスケーターコミュニティの可視化を考える取組みで、相談を受けて文化創造館として屋外の利用に柔軟性を持たせるプログラムの設置準備を始めた。情報の公開はまもなく。

スケートボードの問題が顕在化して約1年。行ったり来たりしながら、波紋が広がっていく。




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