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今年の四月に、四十歳になった。 いわゆる、不惑と呼ばれる歳だ。 写真をはじめたのが、二十歳の時。 僕はおそらく、まだ「少年」だった。 大学を休学して、勢い=若気の至りで、自転車で日本を縦断していたんだ。 大学受験の前日に、一目惚れしてしまった「女の子」を、 僕は無性に、追いかけていた。 今思うと、とんでもなく妄想的で、危ない心で、 「女の子」を、身勝手に運命だとか思い込んで、 自転車のペダルを漕いでいたんだ。 そして、僕は北海道の地で、写真に出会