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シングスピール・ローエングリンの馬名について

G1は勝ってない馬で、でもそれなりに好走はして重賞は勝っているような馬で好きな馬は?と聞かれたら何と答える人が多いのだろうか?

圧倒的1位はメイケイエールな気がするが、私が1頭まず思いつくのはローエングリンだ。

中山記念でのロケットスタートが本当に好きで、モズメイメイが話題になった時にはローエングリンを思い出した。
しかもこれが短距離でないのが良い。
みなさんも機会があれば是非見てほしい。


このローエングリンは父に外国馬のシングスピールを持つ。

馬名はワーグナーのオペラ『ローエングリン』に由来する。
そして父のシングスピール、これはドイツ語のSingspielという語からつけられており、地声の語りや対話を用いるオペラのことだ。ちなみにドイツ語読みに合わせるならジングシュピールという読みが近い。


もう少しオペラについて話すと、このジングシュピールが主流になる以前は、レチタティーヴォという、対話の際に話すような独唱をする手法を用いていた。
この話すような独唱を用いずに、地声で語りや対話をする形式を用いたのがジングシュピールである。つまり、今のミュージカルに近い感じだ。

モーツァルトの『魔笛』などが代表例である。


そしてワーグナーは、もちろん一部ジングシュピールの形式の作品も作っているが、有名な作品は『ローエングリン』を含め殆どが歌い通す形式なのだ。

そしてワーグナーやそれに影響を受けたシュトラウスらによって、ジングシュピール形式のオペラは廃れていく。


むしろ『ローエングリン』と「シングスピール」は相対する概念であったのだ!



とはいえ、馬名はカッコいいのが第一なのでローエングリンの命名に文句をつける気は一切ない。
全然「ジークフリート」とかつけてくれても喜んで受け入れた。



べラジオオペラも活躍していることだし、種牡馬入りしてオペラ関連の馬名がつけられるだろうか?今から楽しみだ。




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