国外事業者のサービス利用した場合
今回は国外事業者のサービスを利用した場合の消費税の取扱いについて順を追って詳しく解説していきます。
1 概要(取扱いの流れ)
2 サービスの判別
3 各サービスの具体的会計・税務処理
4 具体的な例(ZOOM)
1 概要
国外事業者のサービス(電気通信利用役務の提供)は
大きく分けて2つに分けることができます。
それは 「事業者向け」 か 「事業者向け以外(消費者向け)」
この2つのサービスによって消費税の取扱いが変わってきます。
「事業者向け」→ ※リバースチャージ方式
「事業者向け以外(消費者向け)」→ ※通常の仕入税額控除
※適用するには要件があります。
2 サービスの判別
「事業者向け」か「事業者向け以外(消費者向け)」の判別を
どう判別していくか解説します。
結論、「事業者向け」の取引と判断されるのはかなり限られたものなの で、「事業者向け」の要件にあてはまらないものは全て「消費者向 け」と考えてもらって大丈夫です。
《事業者向けサービスとしての取引》
・広告の配信
・ゲーム、ソフトウェア等の販売場所の提供
・事業者間で個別に契約しているもの
※上記いずれかであっても事業者以外からの申し込みができる状況であり、事実上制限できないものについては「事業者向け以外(消費者向け)」。
3 各サービスの具体的会計・税務処理
リバースチャージ方式について(事業者向けサービスだった場合)
《要件》
・課税売上割合が95%未満
・一般課税による申告(簡易課税等を適用していない者)
《考え方》
国外事業者に替わってサービスの受け手側が申告納税するシステム。
《具体的処理》
上記のように両建てで消費税を認識する必要がある。
※会計ソフトを使用している場合、消費税は特定課税仕入れに区分されるが
その区分がないソフトが多いため、実務上は「対象外」を選択し、摘要欄に「リバースチャージ方式適用」と記載。消費税申告時に集計するといった方法をとるのがいいです。
通常の仕入税額控除について(事業者向け以外のサービスだった場合)
《要件》
・サービス提供者の国外事業者が【登録国外事業者】に登録されていること
・登録国外事業者番号や事業者名などが記載されている請求書が必要。
(登録国外事業者には請求書の記載への義務が課せられているので基本的には記載されています。)
・登録国外事業者以外のサービスについては仕入税額控除できません。
《考え方》
国外事業者が自ら日本へ消費税の申告納税を行います。
よってサービス受けて側は通常の課税仕入れを認識することができる。
《具体的処理》
通常の経費計上(消費税についても同様)
4 具体的な例
コロナ影響によりほとんどの企業が使用しているであろう「ZOOM」。
まずは判別です。
ZOOMサービスの多くは会社が使用していると思いますが、中には個人(消費者)の方も使用しており、ZOOMのサイトを見ると有料プランは誰でもプラン変更できます。
よって、判別は「事業者向け以外(消費者向け)」となります。
次に登録国外事業者の確認。
ZOOMは No.00098 として登録されいます。
上記はZOOMの請求書になります。
Business Registration Number.00098 が登録番号になります。
よってこの請求書の金額で通常通りに経費計上(課税仕入れ)することができます。
【確認フローチャート】
以上となります。
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