瀬織津姫のご加護
今のカイシャでの僕の仕事の一つに、「取り立て」ってのがある。
内容は推して知るべし。はい。その「取り立て」です。
Aさんの場合、今年の経営が思わしくなくて、正規の手続きに従い、償還を1年繰り延べすることになった。
とはいえ、繰り延べだけでは事後のやりくりに不安が残るため、併せて短期の運転資金を借り入れ、手持ちキャッシュを確保することをお勧めせざるを得なかった。
さらっと書いたけど、Aさんの心に「ぐさっ」と来ることをいくつも言ったと思う。
その帰り、なんとなく・・瀬織津姫のところに立ち寄ろうと思った。
以前noteした、僕の崇敬神社だ。
「・・何卒、あのAという男をお救い下さい・・」
今になって思えば、文法から外れた祈りである(自分のことではないから)。けれどその時口から出たのは、そういう言葉だった。
時は流れて、先日・・
部下と、販売店さん回りに出かけた。この日の予定は2件。
1件目はオフィスから20km弱離れており、朝の国道を通るので混むだろうと早めに出発した。
が、あにはからんや道は空いており、予定より15分も早く先方に到着してしまった。
これは待つしかないな・・と思ったのだが、ちょうどご担当のBさんが駐車場から事務所に入ろうとしているところだった。そして、
「早いほうがいいから・・」
ということで、用事が始まってしまった。
実はこの案件、販売店さんに「お願い」をする内容であり、Bさんはいつも難色を示される。ところがこの日は、
「はい、いいですよ。」
と即決。用事はあっという間に終わってしまった。
そんなわけで、2ヶ所目のアポには、「中途半端に」時間がある。
どこかでつぶすか、一旦オフィスに戻るか迷ったのだが、部下が
一度帰りましょう
と勧める。そうして僕たちは引き返したのだった。
机につく。
すると別の部下が、
「Aさんから電話がありましたよ。」
ん?さては、例の申請書ができたかな。予定より早いけど・・と思いながら、ケータイにコールバック。午後に受け取れたらいいぞ、なんて思っていた。
そしたらなんとAさん、オフィスの会議室で、別の職員と話をしていたらしく、書類をもって出てきたのである。
「スンマセン。これ、書類です。」
こうして書類は、予定より1日半早く僕の手元に到着し、しかも申請書作成時のアレコレ話を、ちゃんと聞くことができたのである。
Aさんを見送って、僕は2件目のアポに向かった。その道中、
ああ、これは姫のご加護だ・・・
と気付いたのである。
歯車というのは、一つ咬み合いがズレればおかしくなる。
今回はその咬み合いを、完璧な状態に調整していただいた。
そしてもう一つ。
この出来事は、僕にとってどんな意味があるのだろう?
時間調整してまで、姫が僕に示したかったことは何なのか?
ここは看過せずに、しっかり考えないといけない。
さはさりながら、今は感謝しかない。
近いうちに御礼に伺おう。
ありがとうございます。
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