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予祝13 ~神々談義~

今回もフィクションです。全然予祝になってない。(笑)
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ここは神界。神々が世間話をしておられる。
どうやら僕のことらしい・・・


氏神様 「神々各位、いつも当方の ”ゆき” がお世話になり、ありがとう
     ございます。」

豊受様 「氏神殿、あの男、最近はどうでございますか?しばらく我のとこ
     ろには来ておりませんので。」

氏神様 「これはこれは豊受の大神様。ありがとうございます。
     今時分、あの男はもっぱら草刈りをしておりまして、ご挨拶の時
     間があまりとれておりません。もっとも、おふだを頂戴しており
     ますので、毎日手を合わせているようでございます。」
豊受様 「左様ですね。あの男、未だに迷いがあるようです。迷いを排し、
     己の進むべき道を悟るよう望みます。・・もう少しかとは思いま
     すが、時間はあまりありませんので。」

氏神様 「御意。」

埴安姫 「氏神殿、あの男、我のところにはたまに来ております。奉仕をし
     たり正式参拝に来たり。それで氏子の者達とも懇意になり、我と
     しても微笑ましく感じております。」

氏神様 「これはこれは埴安姫。ありがとうございます。何と申しましても
     姫はあの男の崇敬神でありますれば、思うところあってお伺いし
     ておるのでしょう。」
埴安姫 「左様ですね。先日は、自作の豆が届きました。これを機会に、土
     や”命”と共にある営みの在り方を極めてほしいと思います。
     これも修行ゆえ、楽なことではございません。片手間では限界が
     あろうかと。」

氏神様 「御意。」

龍神様 「氏神殿、あの男、最近我を ”冷たい” というのでござる。」
氏神様 「これはこれは龍神殿。まことにご無礼を。きつく口を慎むよう申
     し伝えますれば。」
龍神様 「いかに我とて、毎回雨を降らせることは出来ませぬ。しかしなが
     ら、あまり暑い最中に仕事をせぬようお伝え下され。死んでしま
     うぞ、と。」

氏神様 「御意。」

地蔵菩薩「氏神殿、ちょっとよろしいか。」
氏神様 「なんとこれは地蔵菩薩殿。ようこそお越し下されました。
     ・・して御用の向きは。」
地蔵菩薩「この夏は暑うございます。それで虫たちも多く生まれるのでござ
     いますが、あの男、草刈りでその命を殺めることを気に病んで
     おる様子。」

氏神様 「はい。先日も、蜂の者共を数多く殺めてしまったと嘆いておりま
     した。」
地蔵菩薩「左様。虫の者共もある程度はわかっております。しかしながら、
     苦しいのであれば、我のところに懺悔に参るようお伝え下さ
     れ。我が導いて進ぜましょう。」

氏神様 「御意。」

こうして僕は・・・
氏神様に多大な気苦労をかけながら(笑)、今世の命を生きている。


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